昨年は大学スポーツが大揺れに揺れた一年でしたよね。
その反省を踏まえて、ということになるでしょうか、
新たな大学スポーツに関する組織が発足しました。
日経新聞より。
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全米大学体育協会(NCAA)を参考にし、3月1日に発足する統括組織「大学スポーツ協会」(UNIVAS)の設立準備委員会は25日、加盟手続きを済ませた大学が同日時点で設立時目標の200校に迫る196校だったと明らかにした。競技団体も28団体に達し、目標20団体を超えた。
学内の手続に時間がかかっているために加盟できていない大学もあるようですから、
今後その加盟数はさらに増える見込みです。
UNIVASは大学スポーツ全体の振興を目的にしており、「学業充実」「安全安心」「事業マーケティング」の3つが柱。試合出場のための成績基準の導入や、ガバナンス(組織統治)の向上、試合の映像配信や学生のデータを活用した大学スポーツの収益化を目指す。
学業充実、という目的もきちんと掲げられていて、
大学のスポーツの位置づけとして適切だと感じます。
おそらくこの理念・目的への共感もあり、
上々の滑り出しになっているのでしょう。
…と思いきや、別の記事を読んでむむむ、と頭を抱えました。
学生スポーツ界では存在感の大きな筑波大がなぜこの組織に加盟していないか、
その理由を学長が語っておられます。
日経新聞、そしてNIKKEI STYLEに記事が掲載されています。
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スポーツ庁の肝煎りで3月1日に発足した大学スポーツの統括組織「大学スポーツ協会(UNIVAS)」。学業の充実、学生の安全・安心、スポーツの収益化を目的に掲げていますが、複数の有力大学が参加を見送りました。そのうちの一つ、筑波大の永田恭介学長は「競技団体が大学と同格で参加しているのはおかしい」と指摘します。背景には、学業よりも競技力の強化を優先してきた競技団体に対する不信感があります。
この記事を読んで、当然の疑問であろうと腑に落ちました。
目的の異なる組織の論理が新たな組織にも持ち込まれてしまうのではないか、
という危惧が記事から読み取れます。
大学生の本分は学業である。
しかし、競技団体の競技者としての本分は当該競技での勝利である。
この2つを同居させることは確かに難しいのではないでしょうか。
このことは、部活動ガイドラインが明示された中学、
そして高校でも起きがちな問題をも包含しているように感じます。
学校での部活動が、正課における各種活動を上回る位置づけになることは
あり得ませんよね。
学校でのスポーツのあり方とは、ということを
改めて考える機会にしていただければと思います。
(文責:吉田)