寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

文部科学省において検討中の課題ひとまとめ

教育のかたちが大きく変わろうとしているこの時期。

文科省でも数多くの審議会等が開催され、

その内容が少しずつ煮詰められているようです。

本日は現在進行中の審議事項についてまとめてみましょう。

 

まずは中央教育審議会 大学分科会 将来構想部会での審議は

「主体的な学びを確立するための実践的な教育改革の方向性について」。

最新の資料アップは以下の通りです。

 

制度・教育改革ワーキンググループ(第19回) 配付資料:文部科学省

 

こちらでは「制度・教育改革ワーキンググループ審議まとめ(案)」がアップされ、

いよいよ審議も終盤か、と思わされます。

 

 

そして、こんな検討会議も行われています。

 

「デジタル教科書」の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン検討会議(第2回) 配付資料:文部科学省

 

この検討会議においても、すでに資料として

「デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン(骨子)(案)」

が提示されています。

今後に向けてデジタル教科書の導入が本格化するのかもしれませんね。

 

 

さらにこんなワーキンググループも設置されています。

 

教育課程部会 児童生徒の学習評価に関するワーキンググループ:文部科学省

 

毎月1度のペースで会議はなされているようですが、

資料のアップが遅れているようです(最新資料が5月審議分!)。

いつも文科省の資料アップの遅さには呆れているところですので

今さら驚きませんが。

 

最後に、教育課程部会です。

 

教育課程部会(第106回) 配付資料:文部科学省

 

9月に開催された上記部会の議題はこんなふうになっています。

文部科学省の組織再編について
Society 5.0 に向けた人材育成について
2019年度概算要求について
小学校段階のプログラミング教育について
高等学校学習指導要領の移行措置等について
学習指導要領等の周知に関する取組について
その他

まさに現在のトピック、という感じですね。

 

文科省界隈の審議内容をざっと見てみるだけでも、

教育界をめぐる環境についてある程度知ることができます。

ぜひとも経営のご参考になさってください。

 

(文責:吉田)

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キャリアパスポートとは?

キャリアパスポートという言葉、お聞きになったことがあるでしょうか。

おそらくこれから、メジャーになっていく言葉だと思います。

文部科学省では、このキャリアパスポートに関する審議が進められています。

 

「キャリア・パスポート」導入に向けた調査研究協力者会議(第1回) 配付資料:文部科学省

 

いろいろと資料が掲載されていますが、

ここではキャリアパスポートの目的と定義についてみておきましょう。

○目的(ねらい)

小学校から高等学校を通じて,児童生徒にとっては,自らの学習状況やキャリア形成を見通りしたり,振り返ったりして,自己評価を行うとともに,主体的に学びに向かう力を育み,自己実現につなぐもの。
教師にとっては,その記述をもとに対話的にかかわることによって,児童生徒の成長を促し,系統的な指導・支援に資するもの。

○定義

「キャリア・パスポート」とは,児童生徒が,小学校から高等学校までのキャリア教育に関わる諸活動について,特別活動の学級活動及びホームルーム活動を中心として,各教科等と往還し,自らの学習状況やキャリア形成を見通したり振り返ったりしながら,自身の変容や成長を自己評価できるよう工夫されたポートフォリオのことである。
なお,その記述や自己評価の指導にあたっては,教師が対話的に関わり,児童生徒一人一人の目標修正などの改善を支援し,個性を伸ばす指導へとつなげながら,学校,家庭及び地域における学びを自己のキャリア形成に生かそうとする態度を養うよう努めなければならない。

 

なるほど、e-ポートフォリオを具現化するツールなのですね。

これからの学校におけるキーワードである「PDCA」「EBPM」が

ここにも表れているような気がします。

 

資料としては小中高のそれぞれの記載用フォーマットもアップされていますが、

その中から中学生用のフォーマットの一部を転載しておきます。

 

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公立校でも今後この取組は進んでいくことでしょう。

いわんや私学をや、といったところでしょうか。

学校種間の壁が厚かったのも今は昔…となる日がやってくるはずです。

学内の力学を越えた取組をいよいよ開始すべきでしょう。

 

(文責:吉田)

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セミナーをふりかえって

ハッピーマンデーが多いですね。本ブログは今週も火曜日からのスタートです。

 

さて先週金曜日は弊社セミナー開催日でした。

PDCAで成功させる学校改革 ~事業計画と学校評価をとことん活用する~」

と題して、事業計画と学校評価について皆さんと一緒に考えてみました。

  

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(当日の風景です)

 

写真をご覧になってお分かりの通り(?)、

この日は広いセミナールームでの実施となりました。

前回がやや窮屈だったことからすると、とても豪勢な環境でした。

 

そして、PDCAサイクルと事業計画が経営の根幹であると考えている私にとって、

今回はお伝えしたいことが山ほどあったセミナーでした。

ただ、受講される皆さんにもご自身のこととして考えていただきたいと、

普段よりも「考察するワーク」の時間を多めに取りました。

 

PDCAが回らない原因の8割はPに、残りの2割はCにある。

つまり、Pをしっかりやれば事の8割がうまくいったも同然。

そこでP、すなわち目標設定のポイントについて多くの時間を使いました。

 

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(当日の風景です。楽しそうでしょ)

 

後半は事業計画を作るステップを確認しながら要点をお伝えし、

さらには学校評価制度を活用したCの進め方についてお伝えしました。

 

少々忙しい3時間でしたが、アンケートを拝見しますと

・どのように問題解決にあたればよいかが示され、いろいろとやってみようと思えた。

・課題抽出は現場を巻き込んで一度やってみたいと思います。

・すぐに実践させていただきます

といったふうに、とても嬉しいコメントをお書きいただけました。

 

とうとう次回は本年度セミナーの最終回。

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すでに定員に近い数のご予約を頂いております。

お申込みはお早めにどうぞ。

 

(文責:吉田)

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国立大 定員見直しへ

まずは本日、学校経営セミナー開催日となっております。

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台風が気になるところですが、今日の大阪の予報はくもり。

雨が落ちなければ…と願っておりますが、

もし雨でも会場までは濡れずにお越しいただけます。

お申込みいただいた皆様、くれぐれもお気をつけてご来場ください。

 

 

さて先月末ごろ、こんな記事が日経新聞に掲載されました。

 

www.nikkei.com

 

2040年の高等教育のあり方を議論する中央教育審議会の部会は26日、18歳人口が急速に減少することを見据え、国立大の定員規模を見直すべきだとする答申案を大筋で了承した。意見公募の結果などを踏まえ、11月に正式にまとめる予定。文部科学省は答申を受け、国立大学協会などと具体的検討を始める。

 

 答申案は40年の大学進学者を、17年より2割減の約51万人と推計した。高校卒業者を主に受け入れる現在の仕組みでは規模を維持できないと指摘。国は国立大と議論し大学の特色や地域性を踏まえ、役割と規模について方向性を出すとした。 

 

2040年…今から22年後です。

それは長い時間のようにも感じますが、

学校における施設整備のスパンから考えればそう長くもない 、

という考え方も成立するでしょう。

 

そしてその頃、国立大学の数を、そしてそれぞれの規模を、

どのようにしていくかについて今年中に内容をまとめる、

という予定のようです。

その中で、すでにその名前が出回り始めている、

「一法人複数大学制」「大学等連携推進法人」「地域連携プラットフォーム」

といったものの具体が見えてくるかもしれません。

 

さてそれでは私学の各校園はその頃、どんな舵取りが待っているのでしょうか。

 

国立大学の状況を見ながら考えていく、それは重要なことですが、

それ以上に重要なのは、自校園をどうしていくのかを

「主体的に」構想することではないでしょうか。

 

将来設計は自ら行うのが私学の原則であり、私学の特権でもあります。

さて、どんな学校を作っていきましょうか…?

 

(文責:吉田) 

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「英語で英語授業」は中学>高校?

面白いデータを見つけました。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

 

英会話学校大手イーオンは、中高の英語教師約270人を対象に「英語教育実態調査2018」を実施した。高校で英語の授業時間の半分以上は「英語を使っている」と回答したのは、3分の1にとどまった。


文部科学省による高校の英語の授業運営基本方針は

「授業は原則英語で行う」。

ですが、これを現実にするには難しい状況があるようです。

ところが中学では「おおむね英語を使った授業を行っている」「半分以上は英語を使った授業を行っている」の割合がともに高校を大きく上回っています。

これはどういうことなのでしょうか…

 

 

もちろん、中学と高校では英語の中身が異なりますから、

高校英語の内容を英語で教えることが難しい、ということは言えるのでしょう。

ただし、本当の理由はその「難易度」のみではない、のかもしれません。

 

私が以前に参観させていただいた私立中高の英語の授業では、

英語ときどき日本語、といった感じの授業だったと記憶しています。

さて、各校の授業の状況はいかがでしょうか。

今後この状況がどう変わっていくか、注目です。

 

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睡眠、40代最も短く

秋の夜長、夜更かしもまた楽し、の季節ですね。

ただ、睡眠時間をあまりに削ってしまうのはよくありません。

最近、ちゃんと睡眠とってますか?

 

日本経済新聞にこんな記事が掲載されていました。

 

www.nikkei.com

 

20代以上の男女の1日の平均睡眠時間を調べたところ、40代男女の半数前後が6時間未満しか眠れていないと答えていたことが厚生労働省の2017年国民健康・栄養調査で分かった。世代別で男女を比べると、40代以上では、いずれも女性の方が睡眠時間が短い傾向が強かった。

 

この調査では睡眠時間が5時間未満の割合は、

40代男性が11.3%、女性が10.6%。

6時間未満では40代女性がなんと52.4%、男性は48.5%。

十分な睡眠時間とは言えない水準ですよね。

 

もう一つ気になるデータがあります。

それは「睡眠で休養があまり取れていない」「全く取れていない」との回答。

これも40代男女の割合が最多(30.9%)となっていますが、

50代が28.4%、30代が27.6%と、現役世代の3割程度が

「良い睡眠」とは言えない状態であることが分かります。

 

生活の基本は食事と睡眠。

私学の関係者の皆さんと話をしていても、

食事も中途半端、睡眠も不十分、というケースをよくお聞きします。

仕事柄、そのご苦労はよく理解できるのですが、だからこそ、

良い食事と良い睡眠への意識は強く持つべきではないでしょうか。

 

(文責:吉田) 

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国立大 サイバー対策道半ば

連日のように届く、迷惑メール。

皆さまにもご経験があることでしょう。

それだけで辟易してしまいますが、

サイバー攻撃は手を変え品を変え、懲りずにやってきます。

対策の必要性は学校とて同じ、いやむしろ大いに必要な業界と言えるでしょう。

 

先日の日本経済新聞にこんな記事を見つけました。

www.nikkei.com

  

サイバー攻撃や情報漏洩の増加を受けて対策を急ぐ国立大だが、課題も多い。日本経済新聞と「日経xTECH(クロステック)」の共同調査では、セキュリティー事故に即応する専門組織を設置する国立大が急増していることがわかった。だが体制が整っても予算や人材の確保が遅れているケースも多く、防衛は道半ばだ。


記事によると、上記専門組織の設置は2015年からの3年間で新設されたケースが多く、今回の回答校48校のうち、実に47校で体制が整った、と書かれています。

そのきっかけは日本年金機構からの個人情報流出

なるほど、大騒ぎしたことが記憶に新しい事件ですね。

 

しかしながら、箱は作っても中身が…というのが課題とのこと。

2018年度のセキュリティー予算は前年比同程度あるいは減額、

というケースが多くなっているようです。

「企業や官公庁が予算を増やして対策を強めるなか、国立大の出遅れが目立つ」

と記事でも手厳しい指摘がなされています。

 

 

 国立大のサイバー被害はやまず、6月には弘前大、島根大で情報流出が判明。7月には大阪大基礎工学部のホームページが一時停止した。運用を委託した企業のサーバーに何者かが侵入し、サイトを改ざんしたためだ。阪大は17年に最大8万人の個人情報が流出する事故を起こしたばかり。「外部委託先は脆弱性を確認していなかった」(情報基盤課)という。

 

さて私学はどうでしょうか。

私の経験上、予算編成の際にセキュリティー関連を戦略経費として位置づけるケースはほとんど知りません。

大学法人に限らず、また規模の大小にかかわらず、

安全確保という学校の至上命題からすれば十分な対策が採られるべきところ、

決してそれは十分とは言えない状況であるように思います。

 

 

重点施策に必要なのは「体制」と「予算」です。

機関設計はもちろんですが、

そこに人とお金を充てる決断をすることが求められます。

 

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