園児や児童向けの保育・教育の枠組みに関する議論が盛んになっています。
本日は現在出ているこれらに関するニュースをまとめて採り上げます。
まずは少し古くなってしまったニュースを。朝日新聞より。
「保育所と幼稚園」という保育と教育を分離していたこれまでの制度から「認定こども園」という子育て支援の制度への移行が進んできています。
政府としては、この認定こども園を保育所不足を補うための受け皿と位置づけているようで、主に幼稚園に対してこれまで移行を促してきています。
が、制度の詳細がなかなか固まらず、ここにきてようやく経営のシミュレーション材料が整ってきつつあります。
保育所経営者、幼稚園経営者の皆様はぜひこのタイミングで将来の見通しを明らかにし、さらには将来設計を組み立ててみることをお勧めいたします。
続いても先月報道されたもの。同じく朝日新聞より。
学童保育、30万人分拡充へ 「小1の壁」解消策(全文読むには会員登録が必要です。ご容赦ください)
子どもが小学生になると長時間の預け先がなくなり、親が仕事を続けにくくなる問題が「小1の壁」と言われ、経済活性化を阻害する要因とも言われています。
この課題を解決するために有効とされるのがいわゆる学童保育ですが、厚生労働省によると、2013年5月時点で全国に21,482カ所あり、低学年を中心に889,205人が登録しているそうです。
が実はこれでも利用したい人全部が利用できているわけではなく、厚労省の試算によれば、潜在的な学童保育のニーズは30万人程度。
そこでこの制度をもっと拡充しようという方向で議論が進み、先日このようなニュースが出るに至りました。リセマムより。
学童保育、2019年度まで30万人へ拡大…「小1の壁」解消へ
表題はそっくりなんですが、こちらは6月16日の産業競争力会議における「日本再興戦略」改訂版素案公表を受けての記事になっています。
内容としては
・厚生労働省と文部科学省が共同して「放課後子ども総合プラン」を策定
・「放課後児童クラブ」と「放課後子供教室」を同じ学校(施設)内に開設し、一体的な活動を行う一体型を中心に整備
(「放課後児童クラブ」=厚生労働省の放課後児童健全育成事業による学童保育で、就労家庭の主に1~3年生が対象。
「放課後子供教室」=文部科学省による施策で、すべての子どもが対象。)
・放課後児童クラブについては、2019年度末までに約30万人分の受け皿拡大を図り、約1万か所以上を一体型の放課後児童クラブ・放課後子供教室にする
・整備の際には、余裕教室など学校施設の徹底活用、開所時間の延長、全小学校区での放課後児童クラブと放課後子供教室の一体的または連携した運用が実行されるようにする
といったことが記事には書かれています。
さらに幼児教育無償化の話題も。YOMIURI ONLINEより。
この記事、表題ではこうなっているのですが、内容はほぼ学制改革の話のみ。
ただ、記事の最後はこう締められています。「一方、幼児教育の無償化は財源のめどがつかず、実現には課題が大きい」
朝日新聞も同じ内容を取り扱っていて、こちらは少し中身に触れられています。
3―5歳の教育、無償化案 再生実行会議「段階的に」(全文読むには会員登録が必要です。ご容赦ください)
記事によれば、幼児教育について「生涯にわたる学びと資質・能力の向上に寄与する」として質の向上を提言したうえで、私立幼稚園の平均で年間約30万円かかる3~5歳児の教育について「無償化を段階的に推進する」とした、とのこと。
そしてその次の段階の課題として、5歳児については「柔軟な新たな枠組みによる義務教育化を検討する」と盛り込んでいます。
先ほどの財源の課題については、幼児教育3年間を無償化するためにかかると言われる総額約7,800億円の対策として「資源配分の子どもへの移行、世代間資産移転の促進、寄付などによる民間資金の活用」などを挙げているものの、この記事では『財源確保につながるかは不透明だ』としています。
子育て支援の制度は大きく変わろうとしています。
おそらく、小中高をめぐる学制にも柔軟性を認める話が出てきており、ここ数年で教育の枠組みが大きく変わるような気がしてなりません。
政策の議論を追いかけるのは少々骨が折れますが、未来設計のため、丁寧に本質を見ていかねばならないと気を引き締めています。
共有できる情報がありましたら、なるべくタイムリーにアップしたいと思っています。
(文責:吉田俊也)
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