寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

夏のボーナス4.2%増

本日も日経新聞の記事からスタートしましょう。

 

www.nikkei.com

 

日本経済新聞社がまとめた2018年夏のボーナス調査(最終集計、6月29日時点)で全産業の平均支給額は前年比4.2%増の83万755円だった。企業業績の拡大を受けて6年連続で増加し、支給額はリーマン・ショック前の08年(83万1896円)に迫った。製造業が4.62%増と2年ぶりにプラスに転じ、全体を押し上げた。

83万円!すごい!

…と思われましたか?それとも、「そのくらいだろうな」と思われましたか?

 

一方、大阪シティ信用金庫さんが調査した中小企業の賞与水準はこうなっています。

 

中小企業の夏季ボーナス支給状況

ボーナスを「支給する」と回答した企業(全体の59.6%)に対し、1 人当たりの支給額(税込み)を聞いた結果は、全体でみると、1 人当たりの平均支給額は昨年に比べ1,814 円多い 26 万 2,570 円である。支給額が増加するのは 7 年連続となり、リーマン・ショック前の水準にほぼ回復した。

 

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従業員数50人以上のみでも約34万円と、

先ほどの日経新聞の数値の半分に満たない水準です。

 

大企業と中小企業はこのように、賃金水準で比較すると埋めがたい差が生じています。

 

さて、学校法人はどうでしょうか。

教職員数は100名程度であっても、賞与水準は大企業並み、

という学校法人さんは珍しくないように感じます。

この好待遇が採用や人材育成にもつながればと願うばかりです。

 

(文責:吉田)

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中小の賃上げ率、20年ぶり高水準

デジャブ?と思われた方、そうではありません。

昨日の記事と酷似しているように見えますが、

昨日は大企業、本日は中小企業の統計です。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご容赦ください)

 

連合が6日発表した2018年春季労使交渉の最終集計によると、定期昇給とベースアップ(ベア)を合わせた賃上げ率は平均2.07%で前年を0.09ポイント上回った。直近のピークだった15年の伸び率には及ばなかったが、企業業績の伸びや人手不足を受けて待遇を改善する動きは裾野が広がっている。中小企業の賃上げ率は20年ぶりの高水準になった。

 

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新規採用、そして離職防止。

規模の小さい企業、知名度で大企業に劣る企業にとっては

より切実な状況であることが推測されます。

 

ものづくり産業労働組合(JAM)が6月にまとめた集計でも、組合員100人未満の企業のベアは平均で月1704円と、1000人以上の1644円を上回った。「小さい企業ほど人材流出の防止に必死だ」(JAM)。東京商工リサーチが18年度に賃上げをした中小企業に複数回答で理由を尋ねたところ「従業員引き留め」が52.1%で最多だった。 

 

学校法人にとっても教職員の確保は喫緊の課題です。

一般的には、他業種に比べて賃金単価が高めであるのが業界の特徴ではありますが、

それはあくまで一般論です。

自校園の状況を踏まえた賃金施策を検討、実施いただきたいと思います。

 

(文責:吉田)

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大企業の人件費、16年ぶり高水準

ここのところ、賃金関連のニュースが新聞紙上に続けて掲載されていますので、

本ブログでも今週は賃金関連を続けて採り上げてみましょう。

本日は日経新聞のこのニュースから。

 

www.nikkei.com

(全文読むには会員登録が必要です。ご容赦ください)

 

 大企業の人件費が増えている。財務省の法人企業統計調査によると、2018年1~3月は13兆3800億円と、02年1~3月以来16年ぶりの高水準となった。企業は長く非正規雇用の拡大で人件費を抑えてきたが、人手不足をうけてパートタイム労働者らの時給が上昇。企業収益の改善の恩恵がじわりと家計にも及んでいる。

 資本金10億円以上の企業の人件費を調べた。季節性をならすため過去4四半期の移動平均をとった。直近の底だった13年7~9月から8.3%増えたが、特に最近1年で6.6%も伸びた。

(赤文字は筆者による加工です)

 

記事によれば、非正規雇用者の時給増が人件費増に強く影響しているようです。

人材確保のためのコストがこれまでよりも大きくなっているのは

学校に限らず、どの業界、どの企業規模においても同様、

なのかもしれませんね。

 

一方でこの記事は、最後にこんなふうに締められています。

過去最高を更新する企業収益と比べると、人件費の伸びは見劣りする。企業の利益のうち労働者の取り分を示す労働分配率(すべての規模の企業)は59%台で低迷している。60%を割り込むのは、1990年前後のバブル経済期以来だ。SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは「日本企業は将来へ向けた人的投資になお消極的だ」と指摘している。

さて自校園の労働分配率(=人件費比率)はどうでしょうか。

経年での推移をご確認いただければ幸いです。

 

(文責:吉田)

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幼児教育の実践の質向上に関する検討会

文科省HPより。

 

幼児教育の実践の質向上に関する検討会(第2回) 配付資料:文部科学省

 

以下、掲載資料より一部抜粋します。

 

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幼児期の保育教育機関は幼稚園、認定こども園保育所と分かれています。

そして、それぞれについて管轄の役所も分かれています。

対象は完全に重なっているのに…

これはいかにも非効率な気がします。

今回掲載されている資料の中には、高知県の取組みが紹介されていますが、

そんな縦割りの解消を意図した仕組みが不可能ではないことを示してくれていますね。

 

さて、自校園でも役割や役職による縦割りや非効率はないでしょうか。

そして、職務ステージに応じた育成はなされているでしょうか。

 

行政に対して感じる苛立ちが、自分たちの組織の中にも存在しないとは限りません。

ぜひ一度チェックしてみましょう。

 

(文責:吉田)

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学校給食栄養報告

文科省HPより。

平成29年度学校給食栄養報告ー調査結果の概要:文部科学省

 

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食育は個人的に強い興味を持っている分野です。

今回の調査結果では、地場産品がそれほど使われていないという結果に。

各地域の方とお話しする機会も多い私ですが、地場産の野菜等を使うとどうしても価格が合わなくなってしまう…という声をよく耳にします。

本件は公立校対象の調査ではありますが、今後、私学での食育の取組みが進むことを願っております。

 

(文責:吉田)

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働き方改革推進法成立

先日の国会で本法律案が成立したとの報道がなされましたね。

日経新聞の記事がこちら。

www.nikkei.com

 

そして、新聞記事にはこんなまとめも。

 

ちなみに、厚労省HPにはこんな資料も掲載されていました。

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今回の改正の柱は3つ。

 

1つは残業時間に上限が設けられたこと。

月45時間が原則、臨時的には100時間まで、となっています。

勤務の間に一定のインターバルを設ける制度も努力義務ながら入っております。

 

2つめに、同一労働同一賃金が規定されたこと。

不合理な待遇差は認められない、ということですので、

何が不合理にあたり、何が合理的なのか、

しっかりと区分しておくことが必要ですね。

 

3つめに、多様な働き方を認める枠組が広がったこと。

一定以上の年収、かつ一定の職業の方からは時間規制が外れる形になりました。

賛否両論真っ二つのこの制度については、今後の運用を見守る必要がありそうです。

 

法令の規定に従うことも重要ですが、

自らの組織に合った働き方を模索することもまた重要です。

勤務環境が厳しくなりがちな学校、幼稚園業界。

法令の枠内でどのような工夫ができるのか、

この機会にいろいろと考えてみていただければと思います。

 

(文責:吉田)

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小学校プログラミング教育に関する取組状況

小学校での教育内容が大きく変わろうとしています。

まずは英語の必修化。

そしてプログラミング教育。

公私問わず、小学校の現場ではいろいろな模索がなされていることと思います。

 

先日、プログラミング教育に関する手引きが文科省から公表されました。

 

小学校プログラミング教育の手引(第一版):文部科学省

 

ちらっ、としか読んでいませんが、

プログラミングは論理的思考力を高めることがやはり重要なようですね。

 

プログラミング教育の内容についてはこのくらいにして、

現在の小学校における取組状況についての調査結果も

文科省HPに掲載されていましたのでそちらもご紹介します。

 

教育委員会等における小学校プログラミング教育に関する取組状況等:文部科学省

 

この調査は、上記の手引を公表する以前である、

2018年2月時点の取組状況等についてアンケートしたものです。

ちなみに、調査対象は各自治体の教育委員会となっておりますので、

公立校の現状を知ることができる、というわけです。

 

結果の概要を確認しておきましょう。

教育委員会へのアンケート調査結果の概要

・2020 年度の小学校プログラミング教育の全面実施に向けた取組状況に関する質問については、回答者のうち「プログラミング教育の情報を収集している。もしくは特に取組はしていない」という回答が最も多い(69%)が、文部科学省が手引を公表する以前の時点においても、43%の教育委員会が何らかの取組や検討を行っている。

・地域の取組状況を以下の4つのステージに分類したところ、その割合は、ステージ0は57%、ステージ1は 13%、ステージ2は 13%、ステージ3は 16%、その他 1%となっている。
ステージ0:特に取組をしていない。
ステージ1:担当を決めて検討中。
ステージ2:研究会や研修を行っている。
ステージ3:授業を実施している。

・検討や研究会などを行っているとした教育委員会が、どのような教科等について検討や研究をしているのかという質問については、「新学習指導要領の総合的な学習の時間において実施するもの」という回答が多い(55%)。

・2020 年度までの取組予定に関する質問については、2018 年度では「教育委員会主導で研究会を行う」及び「所管の小学校教員に対して、プログラミング教育の研修を行う」という回答が多い(それぞれ 48%、47%)。また、2019 年度については、「所管の小学校教員に対して、プログラミング教育の研修を行う」という回答が多い(60%)。

・小学校教員へのプログラミング教育の研修内容に関する質問については、全体としてプログラミング言語や、教育向けプログラミングロボットなどの研修を行っている」という回答が多い(84%)。

・プログラミング教育の実施に向けた取組をしていない理由については、全体として「プログラミング教育の趣旨、目的、基本的な考え方などの情報が不足している」という回答が多い(60%)。

・プログラミング教育を実施するにあたって困難と感じていることについては、全体として「機器や教材等を確保するための予算確保について困難と感じている」という回答が多い(60%)。

・取組をしていない理由についてステージ別に見ると、ステージ0の教育委員会は、情報不足を挙げる割合が最も高いが、ステージ1、2、3となるにつれて、情報不足を理由として挙げる割合は下がり、かわりに予算不足を理由として挙げる割合が増える傾向が見られる。

・小学校のプログラミング教育を進めるにあたり、企業、団体、大学・高専等から受けている支援については、全体として「教員の研修に関して、研修講師を受け入れている」という回答が多い(10%)。また、高いステージであるほど、外部人材の受け入れや教材等の提供などの支援を受け入れている傾向が見られる

・小学校のプログラミング教育を進めるにあたり、企業、団体、大学・高専等に期待することについては、授業を進めるための具体的な取組事例や教員研修、分かりやすい教材の提供等が挙げられている。

現時点ですでに2割弱の教育委員会でプログラミング教育の授業が

展開されていることに少し驚きました。

今後の課題としては、教育内容に関する情報流通、そして予算確保、

といったところなのでしょう。

 

各私学におかれましても準備を進められているでしょうか。

個人的にはまだまだ情報不足であることが否めない感覚を持っていますが、

先進的な取組をされている公立校や私学からの情報収集を含め、

自校のスタンスと教育内容について早めに固めておかれるのがよいかもしれませんね。

 

(文責:吉田)

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