北海道ならでは、とも思えますが、
どこであってもこういうことができることを意識しておきたいですね。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
今回の記事は、北海道高等学校遠隔授業配信センター(愛称T-base)の
センター長、阿部穣氏からの寄稿です。
北海道は広大な面積に小規模の基礎自治体が数多くあり、
当然学校規模も小さくなることは皆様ご承知の通りでしょう。
学校規模が小さくなれば、配置される教員数も限られ、
結果として設置される科目数は必然的に少なくなります。
となれば、大学進学のためには高校進学時点で
「道内留学」する必要も出てきます。
その中で、授業の遠隔配信の先駆的存在となった同センターは、
「道内のどの地域でも生徒が資質・能力を最大限に伸ばせる
多様で質の高い高校教育を提供」していて、
2025年度入試では受信校の生徒が北海道大学に現役合格する実績も
残すことができた、と記事に書かれています。

この記事にある北海道内の小規模公立校と、
私立校が置かれている状況や環境には大きな差があるでしょう。
ただ、少数を対象にきめ細かい対応が必要になる、
ということは私学でも十分に可能性があるとも思います。
同センターが授業の配信にあたって留意されていることは
きっと私学にも参考になることがあるだろうと思います。
以下、少し整理してみます。
・授業中は受信校側にも教職員がいて、生徒の補助などに当たる
・合同授業(2校同時に授業を配信)を日常的に行っている
・協働的な学習ができるアプリケーションソフトのほか、
メタバースといった仮想空間も時に利用する
・配信拠点を集中し、ノウハウや人材を蓄積している
・教員同士が授業改善に向けた意見を自由に出せるよう、
フラットで良好な人間関係を大切にしている
・授業公開が日常的に行われ、多くの同僚と磨き合う環境がある
・大学や企業関係者を招いた研修会を頻繁に開くことで、
授業改善の知見や機材に関する知識の更新を図る
・センターの教員は受信校の担当者と日々連絡をとり、
生徒の状況把握に努めているほか、年に2回現地に赴いて対面授業も行い、
生徒や受信校の教員と授業の土台となる関係を築いている
・受信校の生徒一人一人に応じたオーダーメードの授業を展開している
いかがでしょうか。数多くの工夫によって、
配信される授業は質が高められていることが分かります。
そして、特に感服したのが以下の記述です。
「教育は人なり」といわれる。T-baseの教員は遠隔授業に携わることで自らの授業の内容が深まることはもとより、画面越しに行う自分の授業が生徒にどう映り、どう受け止められるのかをメタ認知する能力が格段に進歩する。様々な成長を経て数年後には対面の学校現場に戻り、新たな挑戦に臨む。
授業は前年の焼き直しであっていいはずがありません。
目の前の生徒たちにとって最善のものであるためには、
いかにブラッシュアップを続けていくか、
という観点こそが重要な気がしました。
(文責:吉田)