教員不足の流れが止まりません。
その背景に今一度、目を向ける必要があります。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
小中学校の教員不足が深刻化している。大量採用の世代が定年を迎え、新たな担い手も足りていない。3割の自治体が足元で「悪化している」と見る。国は採用前倒しで対策を促すが、効果は薄い。不人気の理由の根幹は就業環境だ。仕事時間は主要国平均の1.5倍と長く、残業に歯止めがかからない働き方が問題視される。
全国的な教員不足が広く明らかになったのは、2022年1月公表の
文科省レポート「『教師不足』に関する実態調査」。
この調査結果では、2021年度始業日時点で、
全国の公立小中高校・特別支援学校の教員定数836,079人に対する
実際の配置は834,014人で、2,558人の欠員が生じていました。
その後も状況はあまり改善が見られず、2023年度始業日時点では、
68教育委員会のうち教員不足が前年より「悪化」したとの回答が
42.6%を占めています。2024年度当初も「悪化」が32.4%。
「改善」の2倍以上の比率を占め続けています。

やはりこの背景にあるのは長時間労働のようです。
「早く帰宅するよう指導すると『そもそも定額働かせ放題が
問題なのではないか』と怒り出す先生もいる」と話し、
同県内の小学校長は
「状況を伝えることで、職場がブラックと見られて
成り手が減少する悪循環に陥っている」とコメントしています。
経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本の小中学校教員の1週間の仕事時間は対象48カ国・地域で最長だった。中学校教員の場合、56.0時間と参加国平均(38.3時間)の1.5倍で、課外活動や事務業務の時間は2〜4倍長かった。一方で、自らの指導技術を高めるための職能開発の時間は半分以下だった。
この先、記事は給特法の改正に関する内容へと進んでいくのですが、
それは公立校の話ですので、ここでいったん記事から離れます。
ご容赦ください。
私学でも、実際の時間外労働に対する対価が支払われているケースは
まだまだ多くない、というのが私の実感です。
まずはこの是正がなされることで、長時間労働抑止への意識は
これまでよりも高まることは間違いないでしょう。
ただ、それだけで問題が解決する、とは全く思えません。
なぜなら、現時点ですでに、少なくとも私が関わりを持っている
多くの私学経営者さんは、労働時間の短縮に積極的だからです。
ですが、実態としては労働時間はなかなか短くなりません。
その大きな一因が部活動の存在です。
内田良先生が書かれた「部活動の社会学」に詳しい分析結果が
掲載されていますが、一定の属性にある教員を中心に、
部活動をめいっぱいやることが定着してしまっていて、
このために学校全体の労働時間が減らない、
ということが起こっているように思われます。
各私学におかれましては、今一度、
自校園の「本来業務」が何であるか、そして
複数の業務に対してどのくらいの時間配分が行われていて、
それが適切な時間配分なのかどうかを検証してみていただければと思います。
貴校園に通う子どもたちにとっての最善の時間配分こそが、
教職員にとっての最適な時間配分であるはずです。
(文責:吉田)