教育は成果が出るまで時間がかかるもの、という典型例かもしれません。
日経新聞より。
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小中高校で英語を教える外国人、外国語指導助手(ALT)が地域のグローバル人材育成に貢献している。福井県は60年以上前に英語教育研究の自主組織を発足させて、ALTと二人三脚で学生の英語力向上に取り組む。早い時期から本場の英語に触れさせ、海外とのコミュニケーション力に秀でた人材を地域ぐるみで育てるのが狙いだ。
ALT、という言葉はすっかり定着した感がありますが、
一方で、以前に比べると耳にすることが減った気もしていました。
が、下のグラフを見ても、その数は右肩上がりなのですね。
定着したからこそ、特段の話題に上らなくなっているのかもしれません。
記事によりますと、人口10万人あたりのALTの人数を
都道府県別でみると、2021年度時点で最多が福井県(33.95人)。
全国で唯一30人を上回っています。
福井県独自の英語教育の歴史は長い。県内の中学・高校のほぼ全ての英語教員が加入する自主組織「福井県英語研究会」が生まれたのは半世紀以上前の1959年。掲げた目標は「英文和訳偏重の打破」だ。文法や英単語暗記を主軸にした当時の英語教育から、「使える英語」を習得させることにシフトした。
1960年に福井県は全国で初めて高校入試にリスニングテストを導入。独自で作成している中学・高校のリスニング教材の音声はALTが吹き込む。研究会の副会長を務める越前市万葉中学校の尾形俊弘校長は「英語教員のスキルアップなど地域全体の人材育成につながるとの認識が共有された」と語る。これが福井流の英語教育が「脈々と続いた要因だ」(尾形氏)。
実際、福井県の学生の英語力は高く、
2021年度の文科省実施「英語教育実施状況調査」では、
英検準2級相当以上の英語力を持つ県内高校生は60%弱と全国1位。
中学生も英検3級相当以上は85%超となっています。
また記事では、神戸市が2022年9月から、
小学校のすべての英語の授業でALTとの協同授業を開始したことにも触れています。
小学1・2年生にはあいさつや数字といった簡単な英語を教える時間を
年5時間ほど設け、小学5・6年生にはALTと一対一の会話テストも実施。
同市のALTの配置も充実させているようです。
ちなみに、日経新聞の首都圏版には下記関連ニュースも掲載されていました。
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外国語指導助手(ALT)は関東・山梨の小中高校でも活用が進む。10万人あたりのALTの人数が最も多かったのは山梨県の26.46人で、全国でも3位。次いで栃木県が22.85人、茨城県が21.46人だった。海外で活躍できる人材を育成するため、小学生からの英語教育が必須となり、ALTは児童生徒の学びを充実させつつ、現場の教職員の負担も軽減している。
さて、貴校園ではALTを配置されていますでしょうか。
あるいはもっと進んだ取り組みをされているかもしれませんね。
少子化が進む中で、学びの環境を整えていくことは
簡単ではないと思いますが、周囲の様子も参考にしながら、
よりよい学びがなされる場であり続けていただきたいと思います。
(文責:吉田)