人手不足が賃金上昇につながっているのか、
あるいは意外とそうでもないのか。
先日来、後者に類する統計が出てきています。
日経新聞より。
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パートタイム労働者の賃金が頭打ちになっている。厚生労働省が(2月)7日に発表した毎月勤労統計(速報)によると、パートタイムの2019年の現金給与総額(名目賃金)は月平均で9万9758円で前年比横ばいだった。時給は2.7%増の1167円と過去最高だったが、税金や社会保険料の負担を避けるために就労調整する人が依然として多かったとみられる。
時給は上がったけれど、就業時間が伸びず、
結果的に給与収入は横ばいのまま。
果たしてこれでいいのか、と思ってしまいます。
2019年のパートタイム比率は31.53%で、前年比0.65ポイント増です。
やはり人手不足を短時間労働者あるいは非常勤スタッフで
補おうとした例は多かったようですね。
ここに最低賃金の引き上げも伴って、
賃金単価は上昇基調になったものと考えられます。
ところが給与総額としては横ばいです。
未だに「103万円」(所得税)「106万円」(社会保険)を壁と捉え、
就労調整をする例が私の身の回りにも数多く存在しています。
結果、総労働時間は2.7%減(83.1時間)となりました。
所得税の壁は実際にはそれほど高くありませんので、
より大きな問題は社会保険の加入要件だと私は考えています。
この制度設計を改めないと、就労調整はなくならないでしょう。
同時に、各事業者が定めている扶養手当の要件にも
これらの壁と同様の基準を設定している例が多くあります。
これも再検討の必要アリです。
貴校園ではいかがでしょうか。
回りまわって自分たちの首を絞めることがないように、
本当の意味で公平な制度設計を目指したいものです。
(文責:吉田)