植松努さん、という方をご存知でしょうか。
職業及び肩書は「株式会社植松電機・専務取締役」。
実は私も先日知ったばかりなのですが、ちょっとした有名人でいらっしゃいます。
大規模な世界的講演会を主催している非営利団体TEDが主催している講演会=TED Conferenceでは、様々な分野の人がプレゼンテーションを行っていて、植松さんもそのプレゼンテーションを行われたお一人です。
もしご興味とお時間があるようでしたら、こちらをご覧ください。私が紹介してもらった映像がここにあります。
何しろ驚いたのは、「普通のおじさん」にも思える植松さんのプレゼンテーションが、びしびしと伝わってきたこと。
奇をてらった演出もなく、話し方は朴訥とした印象で、私が思っていた「話の上手い人」とは全く異なる印象なのに、その話は衝撃を覚えるほど、自分の中に入ってくるのを感じました。
あまり種明かしをしてしまうのももったいないので、私が特に印象に残った3つのフレーズだけをこのブログではご紹介しましょう。
【教育とは死に至らない失敗を安全にやらせるためのもの】
植松さんは、小さい頃、学校の先生に夢を奪われそうになった体験を持っていらっしゃいます。
その経験を踏まえて、教育をこんなふうに定義されています。
失敗をさせない、のではなく、むしろ失敗させること、それが教育だと。
ただし、致命的な失敗が許されないだけだと、私はそう受け取りました。
私自身も、無意識に失敗を避けようとしている自分を時折感じます。
それを自らが受けた教育のせいだと思ったことはないのですが、せっかくの教育の機会は「失敗できる環境」であればと願う気持ちは植松さんと同じだと感じました。
【思いは招く】
植松さんのお母さんの言葉(だったと記憶しています)。
やりたい、という思いはその実現につながっている。
そもそも、思わなければ叶うはずがない。
短い言葉ですが、いろんな意味が含まれている、とても深い言葉だと思います。
【「どうせむり」→「だったらこうしてみたら」で夢は叶う】
すべての夢を打ち砕く言葉。すべてのやる気をなくさせる言葉。それが「どうせむり」。
一見、難しいことであっても、それをできないと決めつけてはならない、ましてやそんなことを第三者にされるのは大問題です。
こういうことをやってみたい、と語る人に対して、「そんなのできっこない」と応じるのか、それとも「それならこんな方法はどう?それがだめならこれは?」と応じるのか。
私は「できない理由を言うのではなく、できる方法を探すんだ」ということをモットーに生きていますが、植松さんの言葉にとても力強い応援をいただけたような気がしています。
この植松さんのお話、内容にも深い感銘を受けた私ですが、プレゼンテーションの技術についても大いに勉強になりました。
伝わる話ができる人というのは天賦の才能があるわけではなく、徹底的な準備が情報伝達力を確実に高めてくれるんだ、ということがよく分かりました。
学校の先生方にも、「伝え方」の教材としてぜひお勧めいただければと思います。