丸一日、ブログを放っておいて大変失礼いたしました。
気になったアンケートがあったので、記事だけアップしたまま翌日になってしまいました。
少しですがコメントを付そうと思います。
大阪市HPより。
大阪市市民の方へ 「学校選択制実施区における保護者アンケート」(平成27年4月実施)の結果をお知らせします
その名の通りのアンケートです。
調査対象は、平成27年度入学者にかかる学校選択制実施区における市立小中学校の1年生の児童生徒の保護者全員。
小、中それぞれ17千~18千程度のアンケート配布に対して、回収率は約50%となっています。
まずは調査結果の概要を引用します。下線は私が付けています。
○学校を選択した理由の上位5位は、小・中学校とも「自宅から近い」「校区の学校だから」「兄姉が通学している」「友達と同じ学校だから」「通学上の安全」であるが、学校選択制により校区外の学校に通学している回答者では、小学校は「自宅から近い」「学校の校内環境(校風・伝統、雰囲気等)」「友達と同じ学校だから」「通学上の安全」や「教育方針や教育内容」が、中学校では「学校の校内環境」「教育方針や教育内容」「部活動」が、それぞれ上位となっている。校区外の学校に就学している回答者の方が、より学校の教育内容等を重視していることが窺える。
○学校の情報収集を行った保護者は約8割となっている。情報収集の方法としては、「学校公開・学校説明会」(42%)「学校案内」(39%)「友人・知人に聞いた」(28%)が多くなっている。それぞれの情報について「参考になった」と回答した保護者は、「学校公開・学校説明会」は9割、「学校案内」は8割を超えている。ただし、学校のホームページを閲覧した保護者は約15%という状況であり、引き続き、学校のホームページの認知度を高めていく必要がある。
上記結果の概要の文言、当然と言えばそうなのですが、 その当然のことを改めて思い知らされます。
すなわち、選ぶためにはその中身を詳しく知ろうとする、ということ。
そして、中身を知るためには間接よりも直接的な体験、つまり足を運ぶのが最善である、ということ。
学校側からこのことを捉えると、
・学校案内やHPといった広報ツールの充実は「知らない人に知ってもらう」という目的において重要ではあるが、「すでに知っている、あるいは気持ちがやや向いている」という人に対してはむしろ学校を体験してもらうことが重要。
ということが言えるように思います。
その他、いくつか気になる結果を引用しておきましょう。
問5 どのような理由で学校を選びましたか。(複数回答)
(小学校のベスト3:全体/校区外の学校に通う人のみ)
1 自宅から近い 76.9%/1 自宅から近い 50.2%
5 校区の学校 62.4%/10 学校の校内環境 34.6%
3 兄姉が通学 37.0%/4 友達が同じ学校へ行く 30.1%(中学校のベスト5)
1 自宅から近い 73.8%/11 学校の校内環境が良い 41.6%
5 校区の学校 65.8%/6 教育方針や教育内容 35.4%
4 友達が同じ学校へ行く 55.6%/13 やりたい部活動 33.8%
上記概要で示した結果となっています。
個人的には、「友達」という要素の大きさが想像以上でした。
問7 どのような方法で学校の情報を得ましたか。(複数回答)
(小学校:校区の学校に通う人/校区外の学校に通う人)
1 「学校案内」冊子を見た 39.7%/59.0%
2 学校公開に参加した 7.5%/25.6%
3 学校説明会に出席した 34.9%/42.4%
4 学校のホームページを閲覧した 18.7%/33.0%
5 友人・知人に聞いた 30.2%/48.6%
6 上記以外の方法 5.3%/9.0%
7 特に情報を得なかった 22.0%/7.0%
(中学校:校区の学校に通う人/校区外の学校に通う人)
1 「学校案内」冊子を見た 36.6%/61.0%
2 学校公開に参加した 5.0%/23.6%
3 学校説明会に出席した 33.8%/47.9%
4 学校のホームページを閲覧した 12.0%/39.3%
5 友人・知人に聞いた 27.8%/36.1%
6 上記以外の方法 4.9%/3.3%
7 特に情報を得なかった 22.9%/6.9%
口コミ(友人知人に聞いた)の割合が思ったより低く、学校説明会がそれを上回っています。
保護者にとって口コミは重要だけれども、最終的には自らの目で確認する、ということなのでしょうね。
問9 「学校案内」の各学校のページについて、どの情報が役に立ちましたか。(複数回答)
【選択肢:1 学校基本情報(所在地、児童生徒数・学級数、学校案内図、校舎や運動場の面積等)/2 沿革/3 教育目標、教育方針、めざすこども(生徒)像/5 「全国学力・学習状況調査」・「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果等/6 学校の特色ある取組/7 学校行事の内容/8 部活動の状況/9 卒業後の主な進路/10 標準服の有無/11 その他】
小学校ベスト5…1(75.0%)、5(35.2%)、3(32.1%)、7(27.1%)、6(21.3%)
中学校ベスト5…1(65.2%)、8(44.4%)、5(31.2%)、7(26.1%)、3(23.5%)
中学校生活における部活動のインパクトの大きさが分かります。
そして、課外や特活といった特色ある取組については、小学校の方が関心が高いことが見て取れます。
私学においても、設置する学校種ごとに、これらのマーケティングがなされているか、確認することが重要だと感じました。
以上、公立校、しかも大阪市の事例ですが、御校の経営にもお役に立てることを願っています。