寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

ハロウィンは習俗的?

近年、10月31日といえばハロウィンということが定着してきているように個人的には感じます。

以前は日本には根付かないといわれていましたが、ここ数年、予想以上の盛り上がりを見せているのではないでしょうか。

日本記念日協会の推計では、ハロウィンは2016年時点においてバレンタインデー以上の市場規模に成長したとされるほど大きなイベントになっています。

私も仕事帰りの電車でゾンビのようなものに仮装した人に会ってビックリしたこともあります。

 

このように、国民的な行事になりつつあるハロウィンですが、少し気に留めておかなければならないことがある、との記事を見つけましたのでご案内いたします。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

ハロウィンの起源については諸説ありますが、一般的には2000年以上も前のケルト人の宗教的行事、「サウェン祭」が起源とのこと。2000年以上も前から続く神事とは、私も知りませんでした。仏教行事の盂蘭盆会に近いものなのかもしれませんね。

 

記事にもありますように、国公立学校では宗教教育や宗教活動が禁じられています。

憲法第20条第3項には、

国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

また、教育基本法第15条第2項には、

国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない。

とあります。

 

その一方で、宗教行事であっても、日常生活に溶け込み習俗化したものであれば行事として行っても良いとのことです。

もうすでに認めらているイベントとしては、正月や七夕やクリスマスなどがあります。

 

ではハロウィンはいったいどうなのでしょう…?

 

ハロウィンが憲法教育基本法に直ちに違反するとは考えられていませんが、習俗化したイベントなのか、宗教活動なのかという線引きはものすごく難しいですよね。

私学では特定の宗教を基礎としている例が数多くありますので、その中で当然認められる行事、ということになるかもしれませんが、公立学校においてはこのような微妙な判断が迫られることもあるのでしょう。

 

ただ、私立学校における指導においても、宗教的行事なのか習俗化したイベントなのかはさておき、実施している行事が自校にふさわしいイベントであるのか、ということについては、全校一致の結論を出すのは難しくとも、当然考えておくべき事柄であるようにも感じます。

例年実施している行事が教育的にどんな意味を持っているのか、この機会に改めて考察、検討されてみてはいかがでしょうか。

 

今日ではグローバル化が進み、海外との交換留学や移住といったことが珍しくなくなってきています。グローバル化を推進していくためにも、国際理解教育といった観点から、各地のさまざまな文化を正しく理解する必要があるのではないかと感じます。

いずれにせよ、全員が楽しめるようにイベントを実施する際には細心の注意を払い、行事の起源などを調べる必要がありそうですね。 

 

(文責:長森)

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学校経営情報2017年11月号発行のお知らせ

本日より11月に突入です。

気温も急に冷え込み、季節はすっかり秋模様ですね。

 

そんな季節に気を付けたいのが体調管理ですが、私はつい先日まで風邪をこじらせ数日間寝込んでおりました。

毎年この時期になると風邪をひいてしまうので気を付けてはいたのですが、今年もまたやられてしまいました・・・。

悲しいやら、情けないやら・・・。

 

みなさま、くれぐれもお体にご留意くださいませ。

 

さて、弊社の学校経営情報2017年11月号を発行いたしましたので、是非ご一読いただければと思います。

データはホームページよりダウンロードできるようになっております。

 

www.ysmc.co.jp

 

◆概要

①School Manegement Review

      挨拶できていますか?

②学校法人インタビュー 教えて、事務長先生!

      ~第4回 前編~

③コミュニケーションのツボ

      ~第8回 適切なフィードバックとは?~

 

 

今年度の連載企画「学校法人インタビュー 教えて、事務長先生!」が早くも第4回を迎えました。

11月号は神戸女学院中等部・高等学部事務長の門田様へのインタビューの前編を掲載しております。

事務長として日々心掛けておられることなどをお伺いしておりますので、御校の経営の一助になれば幸いです。

 

では、11月も素敵なひと月になりますように。

 

(文責:木村)

www.ysmc.co.jp

 

ティーチング・ポートフォリオ

2020年度の大学入試改革や2022年度の新しい指導要領の導入を控え、学校では授業内容の刷新が求められています。

働き方改革が待ったなしの状況で教員の方々にとっては非常に悩ましいこととは思いますが、大きな転換期に乗り遅れることはできません。

 

そんな中、授業力刷新のため、高校の教員の間では「ティーチング・ポートフォリオ」という教育ツールに関心が集まっているようです。

 

www.nikkei.com

(全文をご覧いただくには会員登録が必要です。ご容赦下さい。)

 

この「ティーチング・ポートフォリオ」は、教師として大切にしたい理念を見つけ、その理念と実際の授業内容とのギャップを把握しながら指導のスキルを高め、知識一辺倒ではなく生徒自らが考え、課題を解決する力を養う教育に繋げることが狙いです。

 

文部科学省は「主体的・対話的で深い学び」「脱・詰め込み型教育」を目標としていますが、それを実現するためにどのような授業を展開するべきかは大きな課題です。

いくら制度が変わっても、肝心の教員の考え方や授業内容が何も変わらなければ、まさに絵に描いた餅になってしまいます。

 

改革に向けて試行錯誤が続くこととは思いますが、まずは教員の皆さんが自身の教え方や考え方を客観的に把握し、「主体的・対話的で深い学び」とのギャップを知ることが重要です。

そのギャップを埋めるためには大きな苦労もあるかと思いますが、将来の日本を背負う生徒達のためにも、全ての教員の皆さんが前向きに取り組んでいただくことを切願します。

 

(文責:木村)

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「当たり前」の尊さ

台風一過、とは言い切れない日本列島。

2週続けての台風に、あちこちで不安が広がったことと思います。

 

そして、今回は出入りさせていただいている学校さんでも

実際の被害を目にし、耳にしました。

 

仕事柄、現場に出かけて仕事をさせていただくことが多い私は、

その道中でも土砂崩れや電車の不通あるいは徐行など、

これほど続けて背筋が寒くなる光景を見ることはあまりない、

という1週間を過ごしました。

 

そんな先週の出来事です。

 

ある学校法人さんにお伺いし、予定通り、

経営管理職の皆さんが集う会議に参加させていただきました。

そして会議の冒頭、いつもの通り、Good&Newを行いました。

 

さて、Good&Newとはなんぞや??

 

と思われたでしょうか。

(弊社と何らかの関わりを持つ方はすでにご承知かもしれません)

 

Good&New、それは名前の通り

「よかったこと」「新たな気付き・発見」

を共有する、というだけのグループワークです。

「私はさっき、こんないいことがありました」

「昨日の夜、こんなふうに言われたのが嬉しかったです」

「今朝起きた時、こんなことに初めて気が付きました」

といったふうに。

ポイントは、

・どんな些細なことでも構わない

・全員が発表する

・発表を聞いたら拍手する

といったところでしょうか。

 

弊社では、セミナーや会議など、人が集う機会があれば、

その冒頭にこのGood&Newを実施することが多くあります。

先日お伺いしたその学校でも、それを実践したというわけです。

 

ちょうどその前週末に台風による被害を受けていたその学校では、

Good&Newのときに、普段とは少し違ったことが起こりました。

それは

「いいことがなかったんです。本当に」

との前置きが続出したこと。

そうかもしれませんよね、

台風被害でキャンパスが大変なことになっているわけですから。

 

ところが、もうひとつ興味深いことが起こりました。

それは、先ほどの言葉に続いたエピソード。

 

「被害の直後には使えなかった施設が今日復旧して使えるようになった」

「倒れた大木が今日運び出されて、普段通りの活動ができるようになった」

「ようやくぐっすり眠れた」

 

そんな言葉たちが次々と出てきました。

 

そして、私はそれらの言葉を聞きながら、こんな言葉が頭に浮かびました。

 

「当たり前こそ、尊いんだなあ」

 

施設が使えることも、普段の活動が行えることも、眠ったり笑ったりできることも。

それが当たり前の時には何にも気付かず、

おそらくGood&Newをやったとしても、

それがいいこととして共有されることはない、のかもしれません。

ところが、当たり前でなくなったとき、その有難みに気付きます。

言い古されてきたことではありますが、

その実感を伴うのはきっと自身が苦難に立たされた時なのでしょう。

私も、先のエピソードをお聞きしながら、

本当に良かったですね、と心から感じました。

 

皆さんの「良かったこと」は何ですか?

Good&Newの実践を通じて、

当たり前の尊さを改めて感じていただければと思います。

 

こんな記事も見つけました。

ご参考までにどうぞ。

www.wam.go.jp

 

(文責:吉田)

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都道府県別「留学生割合」ランキング

隔年で実施している文部科学省の取りまとめ、

平成27年度高等学校等における国際交流等の状況について」によると、

 

3カ月未満の研修旅行を含む高校生留学者数は2013年度は4万2,049人でしたが、

最新の2015年の調査では海外の社会情勢などの影響を受けて減少し、3万5,842人でした。

また、3カ月以上の留学、長期留学者は4,197人との結果が出ています。

 

 

文部科学省では、「トビタテ!留学JAPAN」を2013年から開始し、

高校生の留学者数を3万人から、2020年までに6万人に倍増する目標を掲げていますが、高校生全体に占める留学者数の最も高い県でも全体の2%しか留学できていない状況です。

以下、ランキング表です。

resemom.jp

 

実際に留学をする高校生の生徒数は伸び悩んでいますが、留学したいと考えている生徒は5割以上、留学したいと考えている高校生を応援するという保護者の割合は9割を超えるとの調査結果が出ています。

留学に関する意識調査 (※PDFデータです)

 

以前、私の働いていた勤務先でも、中学3年生の生徒さんの留学に携わることがありました。

トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムの国際ボランティアコースに応募し、見事選考を勝ち抜き参加となりました。

 

行く前は、「向こうで読まなくなった本を寄贈する。」であるとか「日本の文房具を使って勉強を教える。」などと意気込んでいましたが、

行ってみると日本との違いに愕然とし、これまでの考えや経験は全く生きなかったそうです。

まず、両親の農作業の手伝いが中心で学校に行っていない小学生が多数であるとか、文房具を使っていないであるとか、そもそも両親も学校に行っていなかったであるとか…。

制度自体もあるようでないような国でどのように勉強の重要性を伝えるか、そして貧困を解消するためにいかに勉強が有益か、貧困を解消するための最善策は本当に教育なのだろうか、色々と考え伝えようとするもうまく伝えられず、すごく悩み、考えさせられてそうです。

そして帰ってきて言った一言が

「将来はユニセフで働いて、現地に合った制度を作ること」でした。

留学に行く前よりも一回りも二回りも大きくなっていました。

そんなトビタテ!留学JAPANの第4期募集がもう始まっています。

 

www.tobitate.mext.go.jp

治安や社会情勢など、先生方や、保護者のみなさまの不安も多いと思いますが、

社会に出るまでに一度は日本から飛び出して、広い世界を肌で感じ、外から自分自身や日本を見つめ直し、先を見通すことが難しいこれからの時代を生き抜く力を身に付けていくことが、20年後、30年後、100年後の日本の未来に繋がるように感じます。

応募は2018年2月1日までです。 

 

 (文責:長森)

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校長「引っ張る」系、教員は長時間労働に

リーダーシップとは?

マネジメントとは?

 

そんな問いが生まれそうな記事を見つけました。

朝日新聞より。

 

www.asahi.com

(全文読むには会員登録が必要です。ご容赦ください)

 

この記事はこう始まります。

校長が自ら教職員を引っ張るタイプだと、教員の勤務時間が長くなる――。こんな傾向が、早稲田大学菊地栄治教授(教育社会学)の調査で明らかになった。文部科学省は校長のマネジメント能力の大切さを強調してきたが、「トップダウンの学校運営が、教員を疲れさせる一因になっているのでは」と菊地教授は見る

ふむふむ。

もうちょっと読み進めてみましょうか。

 校長が「自ら教職員を引っ張っていくタイプかどうか」という質問について、校長自身に「とてもあてはまる」「ややあてはまる」「あまりあてはまらない」「まったくあてはまらない」の4択で聞いたところ、「とても」「やや」の合計は60%で、これらの学校では教員の平日の平均勤務時間が11時間30分だった。一方、「あまり」「まったく」と答えた校長の学校は11時間11分で、19分短かった。「あてはまる」学校の方が、1週間に換算すると勤務時間が1時間30分余、1カ月で6時間以上長くなる計算になる

さらに、記事の末尾付近もご覧いただきましょう。

「校長のリーダーシップ発揮は、教育改革で進められてきた方向だ。文科省は教員の働き方改革に取り組んでいるが、教育改革の方向も検討する必要がある」と菊地教授は話す。

 

このニュース、ご覧になった皆様の印象はいかがでしょうか。

学校にマネジメントはむしろ有害である、

という結論にたどり着きそうな書かれ方ですが、

果たしてそうでしょうか。

 

まず、リーダーシップとは「引っ張っていくこと」なのでしょうか?

 

確かに、文科省が勧めているリーダーシップは

いわゆるトップダウン型のものであるとも捉えられますが、

実際に学校でリーダーシップを発揮しようとする場合、

必ずしもトップダウン型を志向するのではなく、

いわゆる「サーバントリーダーシップ」、すなわち

下から支えるリーダーシップという形がしっくりくると私は感じます。

近時、経営課題が多様化する中では、

支配型のリーダーシップが功を奏することはむしろ少なく、

一般企業においてもサーバントリーダーシップが有効であるとの

議論が有力になってきています。

 

そして、管理職によるマネジメントについても、

ほぼ同様のことが言えます。

 

つまり、マネジメントと聞いて「がんじがらめの管理」を想定すると

それは望ましくないものとなりがちですが、

マネジメントとはむしろ「現場に活力を与えるもの」であり、

職務環境を整えるためになされることであるはずです。

 

学校経営にリーダーシップが不要だとは思えません。

当然、マネジメントも必要です。

ただ、その理想形は学校ごとにしっかりと考える必要があります。

リーダーシップのあるべき姿について、

マネジメントのあるべき姿について、

御校なりの答えが見つかることを祈っております。

 

(文責:吉田)

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現役教師の嘆き

少し前になりますが、生徒が教師に対して暴行する動画がSNSを通じて流出した事件は非常に衝撃を受けました。

実際にその動画を見ましたが、教師に対する暴行を見てクラス中の生徒が笑い、SNSに投稿することには、怒りだけではなく怖さを覚えました。

若気の至りなのかもしれませんが、傷害容疑で逮捕された当該生徒だけでなく、何らかの形で加担した生徒についても、あまりにも度が過ぎた非常識すぎる行動です。

とはいえ、まだまだ将来のある高校生ですので、何とか更生してほしいものです。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

そんな事件を受けて、ある公立高校の現役教員が以下のようなコメントを残しています。

「こんなのは氷山の一角にすぎませんよ。やっと表面化したか、というのが本音です」

「教師は子どもの頃からの夢であり、憧れの職業でした。でも努力して教員になった結果がコレか…と思うと、切ない。こういったニュースを見る度にやるせない思いになります」

「教師と生徒は、もはや“友達”のような気安い関係になってしまった」

「基本みんなタメ語で、変なあだ名をつけて呼んでくる。僕ら教師もそのほうが生徒を扱いやすいし、厳しくすると何かと面倒なので、いちいちそんなことで怒らない。正直、ナメられてるな~と思うことは多いですね(笑)。だから、今回の暴行事件だって何も違和感ない。暴行を受けた教員はまだ若かったし、右も左もわからないような状態だったんじゃないかな。生徒にとって、もう僕たちは“先生”と敬うような存在じゃなくなりつつあるんです」

 

これが本当に現役の教員が発したコメントだとすると、何とも情けなく寂しい気持ちになってしまいます。

事なかれを貫く結果、自分で自分の首を絞めているように感じます。

 

また、この現役教員は次のようなコメントも残しています。

僕の学校には50代前半で教師歴も長いのに、生徒とまともにコミュニケーションすらとれない人がいる。生徒からも『○○先生は、何を言っているのかわからない』『質問しても的確な答えが返ってこない』と言われる始末。論点のずれたところで激怒したりするので、しょっちゅう生徒とトラブルを起こしている。端から見ていても、明らかに先生のほうにも問題があると思いますね

社会経験がないせいか、異常にコミュニケーション能力が低かったり、人との距離感が掴めなかったり、急に攻撃的な言葉を放つ教師っているんですよね。それでいて、いまだに年功序列だから何か大きな問題を起こさない限り、高額な給与をもらって居座り続ける

 

年齢や経験年数を問わず、教師は生徒の模範であるべきはずが、このような実態もあるのですね・・・。

ごく一部の教師のことだと信じたいですが、このような一部の教師の身勝手で視野の狭い言動が全体の足を引っ張ってしまうのは事実であり、非常に残念なことです。

これが生徒にナメられてしまう原因のひとつになっているのかもしれませんね。

 

学校という独特な組織構造にも問題があるのかもしれませんが、教師の方々には環境に流されることなく、現状をただ嘆くだけでもなく、常に生徒に尊敬される存在であってほしいと切願します。

このような残念な事件が二度と起きないためにも・・・

 

(文責:木村)

www.ysmc.co.jp