寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

大学施設、自治体が活用を

学校という場所に焦点を当てて、少し見方を変えてみると、

そこには「施設」がある、という特徴がありますよね。

世の中にはそんな「施設」の活用ができれば…

と願う人たちもたくさんいるわけで、

お互いが強みを生かして連携できるといいですよね。

というわけで、こんな記事をご紹介します。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

 

この記事は西日本工業大学の理事長からの提言です。

この大学は北九州市に立地しているそうなのですが、

キャンパスそのものが駅近にあることをはじめ、

大学施設の隣に室内温水プールが整備されているなど、

充実した施設が展開されています。

 

現在の私学、特に地方では運営資金が大きな経営課題になっているケースが

多いわけですが、先ほどの充実した施設との兼ね合いから、

理事長はこんなふうに提案されています。

 

本学に限らず、大学施設が本来の講義や実習で使われるのは前後期各15週である。行事等を入れても年間稼働日数はせいぜい200日程度にすぎない。夜間の利用も民間ビルに比べればほとんど無きに等しい。いくら私立学校は土地や建物の固定資産税が非課税といっても、これでは余りに無駄が多い。有効な資産活用策が必要である。

 (中略)

人口減少社会の到来を前に、全国の自治体が抱える公共施設の維持更新経費は膨大な額に上る。人口95万人の北九州市でも、今後40年間で必要な費用は約1兆2千億円に上ると試算され、市民会館や図書館、スポーツ施設の更新はほぼ不可能といっていい。市民の理解を得つつ施設の廃止や統合を推進し、民間施設や民間のノウハウの活用を図る公共施設マネジメントの視点での計画の見直しが急務である。

しかしながら、自治体の計画には直接所管する小中学校の統廃合や施設利用計画はあっても、民間施設たる学校法人(私立学校)所有の資産への関心は皆無で、活用しようという発想もない。公共施設命名権の民間売却(ネーミングライツ)で維持経費を稼ぐ手法にしても、地方の市民球場や市民会館では年間収入は数十万円から数百万円がせいぜいであり、数十億円の建設費の減価償却費には焼け石に水である。

それならば、逆転の発想で既存の民間施設を公共施設として活用する施策こそがより現実的ではないか。図書館やスポーツ施設、生涯学習施設などに大学施設を有効活用すればかなりの経費を節減できるであろう。

 

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私学は公立校に比べるとどうしても地域との連携が薄くなりがちです。

が、このような施設活用を含め、地域と私学がより深く結びつけられれば

いろいろな相乗効果が期待できるのではないか、と思います。 

まずはこのような施設活用が進むように、

私学が自治体に働き掛けてみてもいいのかもしれませんね。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp