待機児童が問題になっている都市部等では、
企業型保育所の設置も積極的になされているように思いますが、
その活用度が低水準であるとの調査結果が出ました。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
会計検査院は(4月)23日、国の助成を受けて運営されている「企業主導型保育所」の利用状況をサンプル調査した結果を明らかにした。全体の約4割が定員に対する児童数の割合(充足率)が5割未満だった。検査院は「助成の効果が十分に表れていない」として所管する内閣府に改善を求めた。同保育所をめぐっては各地で定員割れや休園などの事態が相次いでいる。
従業員や地域の子供を受け入れる存在として、
国は2016年度以降に新設された施設に認可保育所並みの助成を実施しています。
ところが今回の調査では、月平均の充足率が1年以上にわたり
50%を下回ったのが調査対象の41%もあり、さらには
充足率が20%に満たないのは施設も15%あった、とのことです。
この原因として記事でいくつかのことが指摘されています。
まずは定員設定の緩さ。
17年4月にオープンした東京都杉並区の施設(定員30人)は、18年10月時点で利用する児童が4人しかいなかった。運営会社は従業員の需要を確かめないまま定員を決めていたという。
そして施設整備の緩さ。
サンプルとして選んだ213施設のうち、17施設が予定された時期に開設されなかった。うち9施設(助成総額6億9198万円)は、国が定める設備の基準に合うか確認しないまま整備を進めた結果、設計を変える必要などが生じて開設が遅れた。
どうも見切り発車の印象がぬぐえませんね。
保育所は今や社会や各家庭において必須の存在です。
が、だからといって何もかもがなし崩しで設置されるのは、
保育所が本来備えるべき機能を失わせてしまう、危険な選択です。
経営において「市場のニーズ」は非常に重要な要素ですが、
一方で「プロとしてのサービス提供」を実現することも重要です。
学校、幼稚園、保育所などは特に社会性の高い存在ですから、
両者の一致するところに事業が展開されることを強く願っております。
(文責:吉田)