いろいろな壁があると思いますが、その一つがお金のこと。
日経新聞より。
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中学校の部活動の運営を学校から地域へ移行する準備が各地で進んでいる。休日は2023年度から3年間で移行し、その後は平日にも拡大を目指す方針が示されている。はたしてスムーズに進むだろうか。
この記事では、部活動の地域移行の課題を
(1) 財源
(2) 受け皿組織
(3) 指導人材
の3つの確保としています。
地域や学校などによって事情は個別に異なりますし、
特に都市部と地方では対応のしかたは当然変わってくるだろう、
とも思います。
その中で、この記事は名古屋市の例を採り上げています。
名古屋市では小学校の部活動というのがあるそうで、
これをスポーツ教室運営大手の業者・リーフラスに委託しています。
市内の262の小学校の4年生以上が対象。スポーツだけでなく合唱や器楽などにも取り組める。指導人材約2000人はリーフラスと市が協力して作った人材バンクの登録者が研修後に派遣される。学生や競技経験のあるシニア、主婦が中心。時給はコンビニのバイトより高いそうで、休日なら会社員の手軽な副業にもなる。
(中略)
10億円を超える経費は名古屋市が負担。リーフラスは中学校の部活動でも各地で政府が予算を用意するモデル事業などの委託を受けている。伊藤清隆社長は「大都市などでは(中学校の部活動も)自治体の予算で地域への移行を進めるケースがかなりあるでしょう」と、民間事業として成り立つ手ごたえを感じている。
公立校の部活動については自治体の予算が重要になることは間違いないでしょう。
一方で、私学はどうでしょうか。
もし独自に何らかのことをするとなれば、
私学自身が財源の確保をせねばならないことも十分考えられます。
ただこれまでも、教員や部活動指導員に対する支出があった私学においては、
その支出先を変えることで、
地域への移行をスムーズに進めることができるのかもしれません。
しかしそれでも、これまで学校が相当程度の負担をしながら、
部活動を守ってきたことも大きな事実だと感じます。
一定の受益者負担も必要となることは不可避なのではないでしょうか。
一番必要なことは、こういった議論を早めに開始し、
実現に向けた道筋を付けることです。
が、私学の中には部活動こそ自校園の魅力、となっているケースも多く、
地域移行の足並みはなかなかそろいません。
まずは貴校園として、今後の部活動をどう組み立てるのか、
そしてそれを実現していく体制をどうするのか、
といったことを内部でしっかりと議論する必要があるでしょう。
将来を見据え、持続可能な部活動となることを願っております。
(文責:吉田)