働き方改革で課題となることの多い、部活動。
公立校では外部委託も進んで行きそうな気配です。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
すでに私学関係各位は何度も目にされているであろう、
こんな表が記事に付いておりました。再確認いただけれと思います。
課外活動指導の時間があまりに長すぎる。
そして、全体として長時間勤務になってしまっている。
授業に対する時間が十分確保できていない。
これまでに何度も指摘されてきていることです。
この状況を踏まえて今回の記事が始まっています。
名古屋市が小学校の部活動の運営を全て民間に委託する。昨年から約半数の学校で民間による運営を始め、9月から全校に広げる。教員の働き方改革を旗印に部活の外部移管の模索は各地で続く。
この記事では名古屋市内の公立小学校の様子が紹介されています。
午後3時半に始まった部活のソフトボールと野球、
どちらも教員はおらず、それぞれ2人の指導者は外部人材です。
部活が終了する午後5時まで、教員が関わる場面は一切ありません。
記事に登場している外部人材は、新たに設けられた
「なごや部活動人材バンク」に登録し派遣されているとのこと。
時給は1500円前後だそうです。
名古屋は小学校の部活が盛んな自治体のようで、
これまでは教員の約4割2800人が顧問を務め、
その多くが週6時間程度を部活に充てていた、と記事にあります。
これを2017年度から段階的に民間委託に切り替えていき、
この9月からは全校で民間への委託で実施されるそうです。
部活の外部移管は十分な資質を備えた人材の確保がカギだ。事故やトラブル(体罰、ハラスメントなど)を未然に防ぐ仕組みも欠かせない。
名古屋市の民間委託で必要になる指導者は約2000人に上る。市教育委員会は子ども向けスポーツ教室運営大手のリーフラス(東京・渋谷)に指導者の募集・研修を含む運営全体を委託した。
(中略)
指導者は1つの種目に2人以上配置。メインの主任指導者は34時間(経験者は一部免除)の研修を受け、緊急時の対応や指導の実技を学ぶ。
チェック体制は重層的だ。市教委の職員とリーフラスの社員がそれぞれ複数の学校を受け持ち巡回する。同社幹部は「気を付けているのは第1に安全、第2に言葉遣い。たとえ経験者でも、乱暴な言葉を使う人は採用しない」と強調する。
私学でも教員以外に部活指導を依頼するケースは多いと思います。
今は働き方改革の一環として捉えられることの多い事象ですが、
本来は「学校がなすべき本分は何か」を整理し、そのうえで
「発生する業務をどのように分担するのが望ましいのか」を考える、
すなわち組織づくりの一側面としてしっかり検討すべきテーマだと感じます。
今回の記事はこう締められています。さて貴校園はどうお考えになりますか。
教員は「授業のプロ」としての覚悟が問われる。管理職層には民間人材をコーディネートする力も求められる。現状ではどちらも不十分だろう。
子どもと関わる有力な手段の一つである部活を手放すことのマイナス面はきちんと認識すべきだ。放課後までの授業中心の時間の中で子どもの課題をつかんだり、意欲を引き出したりする工夫が必要になる。
学校の働き方改革が目指すのは単なる労働時間の削減ではなく、子どもと向き合う時間の充実であってほしい。
(文責:吉田)