皆さんは睡眠時間、足りていますか。
ぜひとも意識したい調査結果が出ていました。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
日本の睡眠不足が国力をむしばんでいる。社員の睡眠時間の多寡で、企業の利益率に2ポイントの差が生じるという研究結果が出た。睡眠時間が米欧中など主要国平均より1時間近く短いことや、睡眠の「質」の低さがパワハラやミスの温床との指摘もある。睡眠不足を個人の問題と捉えず、欧米のように社会全体の課題として解決する必要がある。
まず上の文章を読まれてどう感じられますでしょうか。
一般企業の例にはなりますが、利益率で2ポイント、
というのはものすごく大きな差だと私自身は思います。
例えば営業利益率3%と5%のちがいというのは、
かなり大きな営業努力があって初めて生まれるほどの大差である、
と言ってもおそらく言い過ぎではないと思います。
そのくらいの差異が睡眠時間によって生まれるというのは、
睡眠時間と生産性の相関を示す強烈なエビデンスだと、
個人的には感じています。
下には記事に付されていた図表を転載させていただきました。
一番上の図を見る限り、日本は諸外国に比べて睡眠時間が極端に短く、
生産性もひどく劣っている(縦軸の1目盛りは「2万ドル」ですので…)
ことが一目で分かります。
各種調査からは、睡眠を軽んじる日本の姿が浮かび上がる。仏ヘルスケアスタートアップのウィジングスが自社の睡眠計測デバイスで各国ユーザーの睡眠時間について調査したところ、2020年の日本人の平均睡眠時間は6時間22分と14カ国中最下位。フィリップス(オランダ)の21年の調査でも日本で睡眠に満足している人の割合が29%と低く、13カ国の対象国で最下位だった。中国(57%)やインド(67%)を大幅に下回る。
学校現場で奮闘している教職員の皆さんも、おそらく、
睡眠時間を削って頑張っている…というケースが少なくないでしょう。
睡眠時間が慢性的に足りておらず、ミスを誘発する状態は
「睡眠負債」と呼ばれますが、日本では睡眠負債を抱えている人が
大勢いる、そして私学にも当然大勢いる、という気がしてなりません。
そして、日本の睡眠負債の悪影響は個人のレベルを超えている、
と記事は指摘しています。
先ほどの図表でご覧いただいた通り、2020年の日本の就業者1人あたりの
労働生産性は78,655ドルで、38カ国中28位、
主要7カ国(G7)で見れば最下位になっています。
働き方コンサルティングを手掛けるワーク・ライフバランスの
小室淑恵社長は、
「睡眠を削って頑張った結果が企業としての成果につながっていない」
「怒りの発生源も睡眠。睡眠不足の上司ほど侮辱的な言葉を使う。
とコメントされています。
体力面でも精神面でも悪いことづくめの睡眠不足。
何とかして、そうでない状況を作り出さないといけませんね。
まずは個人的な意識と行動を。記事に登場する医師は、
「夕方以降にスマホを見すぎてしまうと
ブルーライトをたくさん浴びてしまい、眠りの質を下げる」
と指摘されています。
寝る前に動画を見ていてついつい就寝が遅れた、
といったことがないように気を付けたいものです。
そして、組織としてのしくみづくりも。
すしチェーンの銚子丸は閉店時間を1時間早めるなどの取り組みを導入し、コロナ影響を除いた18年5月期と20年5月期の比較で、社員1人が生む1時間あたりの売上高は500円近く高くなった。石田満社長は「社員の体を楽にしてあげて、生涯現役でも働けるような環境を整備しないといけない」と強調する。
睡眠不足は確実に業務効率を下げます。
その意味でも、私学における働き方改革は喫緊の課題です。
ぜひとも、真正面からの取組をお願いいたします。
(文責:吉田)