寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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中1生の英語学習に関する調査より

中学、高校、大学で英語を勉強し続けてきたにも関わらず、私は英語をほとんど話すことができません。

学校の教え方が悪かったのか、私の学ぶ姿勢が悪かったのか。残念ながら後者の可能性が高いという自覚は十分にありますが・・・。

 

次期学習指導要領での小学校での英語の教科化・早期化を前に、ベネッセ教育総合研究所が全国の中学1年生1,170名を対象に「中1生の英語学習に関する調査」を実施しました。

 

berd.benesse.jp

 

この調査の目的は、中1生の英語学習や小中接続の実態・課題を把握することとのことですが、調査結果の主な内容は以下のようになっています。

 

1.「小学校英語は中学校で役立つ」という小6生の時の期待に対し、中1生では半数が「役に立たない」。
小学校英語に対する子どもの評価について、同一の子どもの小 6 生から中 1 生への意識の変化を見た。小 6 生の時には、82.6%が「小学校の英語の勉強は中学校で役に立つと思う」と肯定していた(「とても+まああてはまる」の%)が、中 1 生の終わりの時点で、実際に「小学校での英語の勉強は中学校で役に立っている」と肯定している比率は 53.9%と、小 6 生の時よりも大きく減少している。


2.「英語を勉強する上で大切だと思うこと」のうち、「発音」「たくさん会話すること」が小6から中1で減少。
・英語を勉強する上で大切だと思うことについて、小 6 生から中 1 生への意識の変化を見た。「発音をきれいにする」「英語でたくさん会話をする」といった「話す」ことに関連する項目が減少している。一方で、「問題をたくさん解く」「英語をたくさん聞く」「英語をたくさん読む」が増加している。


3.小学校英語に役立ちを感じている中1生は、中学校の授業で「話す」活動を多くしている。


小学校英語に役立ちを感じている中 1 生は、役立ちを感じていない中 1 生よりも、学校の授業で英語を使った活動を多く行っている。特に、「自分の気持ちや考えをその場で考えて英語で話す」(役立ちを感じている中 1 生 52.4%>役立ちを感じていない中 1 生 35.8%、「よく+ときどきする」の%、以下同)、「自分や家族や身近な人について英語で紹介する」(59.8%>46.0%)といった「話す」活動で差が大きい。


4.小学校英語に役立ちを感じている中1生は、「わかろうとする」「伝え合おうとする」意欲が高い。


小学校英語の役立ち感の有無で、コミュニケーションに対する意欲に違いが見られた「英語で話している人の気持ちや考えを理解しようとする」「聞いた内容がわからないときは、聞き返したり質問したりする」「お互いの気持ちや考えを伝え合おうとする」といったコミュニケーションに対する意欲は、小学校英語に役立ちを感じている中 1 生の方が、役立ちを感じていない中 1 生よりも高い。

 

どうやら、中学に入学した途端に英語の勉強で挫折している生徒が多いようですね。

小学校では「会話」を中心として楽しみながら勉強できていたにも関わらず、中学になると急に受験対策といった意味合いが強くなってしまい、楽しさを感じなくなってしまう生徒が多いのではないでしょうか。

 

なお、結果からの考察として、以下のようにまとめられています。

 これまでの調査から、中高の英語教育では音声練習・文法指導が中心で、「話す」活動が少ない傾向が見られます。しかし、今回の調査で、「わかろうとする」「伝え合おうとする」活動としての「聞く」「話す」活動が、コミュニケーションや学習に対する意欲を高める上でも重要な役割を担っていることがわかりました。音声や文法などの知識・技能面の指導ももちろん大切ですが、「聞く」「話す」活動をより充実させることも必要でしょう。このことは、今後、5・6 年生で行われる教科としての「英語」でも、3・4 年生の「外国語活動」でも、「聞く」「話す」活動を充実させる必要があることを改めて示唆していると考えられます。

 

確かに、私の学生時代の英語の勉強といえば、単語や構文を必死で覚えるばかりで、英語を「話す」ことなどほとんどなかったように記憶しています。

いわゆる高校受験、大学受験対策としての英語だったので、私には「英語=つまらない、難しい」といった印象が完全に刷り込まれてしまっています。でも、そんな大人は結構多いのではないでしょうか。

 

「何のために英語を勉強するのか」という目的を教える側も教わる側もまずは明確にしておかなければいけませんが、せっかく小学校から英語を勉強する訳ですから、「受験対策だけのための使えない英語」ではなく、「社会で実践的に使える英語」を身に付けることができるような楽しい授業を中学校や高校でも展開していただきたいと思います。

 

私のような英語嫌いを生み出さないためにも・・・ 

 

(文責:木村)

www.ysmc.co.jp