寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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保育事故、最多2772件

ポジティブに受け取るか、ネガティブに受け取るか、

おそらくそのどちらの要素も含んでいるのだろうと思います。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

こども家庭庁は2023年に全国の保育所や幼稚園、放課後児童クラブ(学童保育)などで、子どもが骨折などの大けがをした事故が2772件あったと発表した。22年比13%増えて、過去最多となった。死亡は9件で前年から4件増えた。

 

最初に、今回の統計の対象等を明らかにしておきましょう。

記事には書かれていないようでしたので、

子ども家庭庁の資料から抜粋しておきます。

教育・保育施設等(※)において発生した死亡事故、治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故(意識不明(人工呼吸器を付ける、ICU に入る等)の事故を含む。)で、令和5年1月1日から令和5年12月31日までの期間内に第1報があったものを集計した。

※ 以下の施設・事業をいう。
認定こども園(幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型)
・幼稚園 ・認可保育所
・小規模保育事業 ・家庭的保育事業
・居宅訪問型保育事業 ・事業所内保育事業(認可)
・一時預かり事業 ・病児保育事業
・子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)
・子育て短期支援事業(ショートステイ、トワイライトステイ)
・放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)
・認可外保育施設(企業主導型保育施設、地方単独保育施設、その他の認可外保育施設)
・認可外の居宅訪問型保育事業 

 

 

まずは、本件に対するこども家庭庁の担当者のコメントから。

件数増加の背景について、

「報告義務の浸透に加え、学童の利用児童数が増えているため」

とされているようです。ポジティブな分析ですね。

確かに利用者数の増加という要因は無視できないと思いますし、

報告義務が浸透してきたことはむしろ望ましいことです。

 

ただ、気になるのは死亡事故も増えている、ということ。

死亡事故がどこで起こったかを見てみますと、

学童保育と認可外保育施設でそれぞれ3件、

認可保育所認定こども園、小規模保育事業で各1件。

年齢別では0歳が4件、1歳と2歳がそれぞれ1件、小学生が3件です。

発生時の状況では、睡眠中が4件で最多となっている他、

プール活動・水遊び、食事中、食事直後、室内活動中、公園等での活動中が各1件。

特定できた死因は窒息、病死、溺死、急性硬膜下血腫が各1件となっています。

 

こども家庭庁からは、

・子どもたちが遊ぶ十分なスペースの確保

・全体を見渡せる職員配置

に努めるよう、全国自治体に通知がなされています。

 

貴校園でも基本的な安全対策にご留意いただいていることと思いますが、

日常活動がルーティン化していく中で、

気持ちや行動が緩んでしまう瞬間もあるかもしれませんので、

ぜひとも定期的な活動の点検をしていただければと思います。

そして、万一事故が起きた時にはしかるべき報告や公表を含め、

二度と同じことが起きないように徹底した対応をお願いいたします。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp