ちょっと気になる記事を見つけました。
不正がどうやって生まれるのか。
その本質に近いところがあるかもしれません。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
この記事を書いておられるのは弁護士さんです。
企業不正の当事者と接点を持つ中で、
「正しい目的」が不正を引き起こすことに気づかれたようです。
正しい企業目的とはすなわち、
業績を達成しよう、納期を守ろう、受注を拡大しよう、
そんな意志のことを指しておられます。
安全基準を満たさない製品を目の前にし、単にこのまま出荷してしまえと考える根っからの悪人はまれだ。同時に、お客様の納期を守らなければと思い悩み、納期厳守が優先されたときに不正は生じる。カルテル、粉飾決算などジャンルは変わっても状況は似通っている。
同僚を、組織を、時には家族を守る気持ちが勝ったときに不正は実行される。皮肉なことに、会社を思う人ほど、自己正当化プロセスが働きやすく、予防が難しい。
正しい目的だからこそ、ブレーキがかかりにくい。
不正を起こすのはむしろ真面目に考えているからなのだ、
と筆者は指摘しています。
確かにそうかもしれません。
ただ、そうだとすればそれをどう防ぐかは非常に難しい問題です。
効果的なのは当事者心理に触れてもらうコンプライアンス教育だ。題材は不正調査報告書でも裁判例でもよく、具体的な人物の発言や動きに着目したい。主任から係長とラインに沿って相談しても誰も問題行為を止めてくれない現実に悩む担当者、隠蔽のために資料破棄を指示する上長らの心理をできる限り生々しく話すと、聞き手の目の色が変わる。
残念なことではありますが、私学でも不正が後を絶ちません。
目立つニュースになったものもありますが、
そうでないものも加えるとより数多く発生しているのではないでしょうか。
法人内のコンプライアンスはますます重要性が高まっていると感じます。
そのためにも、コンプライアンス教育は欠かせません。
「ヒヤリハット」の感覚を呼び起こし、万一当事者になったときに対応を誤らせないようにすることが目的だ。押し付け型ではない、自律を軸にした教育は若い世代にも響きやすい。自分だって不正を正当化するかもしれない、絶対に不正に手を染めないとは断言できない。こうした自覚をコンプラ教育の第一歩とすることを提案したい。
最近は公的機関でも文書の破棄が流行っているようですが(苦笑)、
自分で考えて行動できる力を身につけることは大切です。
ぜひこの機会に考えてみたいですね。
(文責:吉田)