本日は勤労統計をご紹介します。
厚労省HPより。
細かい数値を追いかける必要はないと思いますが、大きなトレンドは押さえておいて損はないでしょう。
「概況」と題した資料をご覧いただくとそのあたりは理解が進むものと思います。
以下、概要を私なりにまとめてみました。
【賃金】(事業所規模5人以上)
○平成27年の一人平均月間現金給与総額…前年比0.1%増(313,856円)
・うち「きまって支給する給与」…0.2%増(259,298円)
・うち「所定内給与」…0.3%増(239,712円)
・うち「所定外給与」…0.4%増(19,586円)
・うち「特別に支払われた給与」…0.8%減(54,558円)
⇒実質賃金:0.9%減
○就業形態別 現金給与総額
・一般労働者…0.4%増(408,416円)
・パートタイム労働者…0.5%増(97,818円)
【労働時間】(事業所規模5人以上)
○平成27年の一人平均月間総実労働時間…前年比0.3%減(144.5時間)
・うち「所定内労働時間」…0.3%減(133.5時間)
・うち「所定外労働時間」…1.0%減(11.0時間)
⇒月間の時間数を12倍して年換算すると、
・総実労働時間:1,734時間(前年1,741時間)
・所定内労働時間:1,602時間(同1,609時間)
○就業形態別 総実労働時間
・一般労働者…0.1%増(168.8時間)
・パートタイム労働者…1.0%減(89.0時間)
【雇用】(事業所規模5人以上)
○平成27年の常用雇用…前年比2.1%増
・一般労働者…1.2%増
・パートタイム労働者…4.2%増
○産業別…製造業0.4%増、卸売業,小売業1.0%増、医療,福祉3.2%増
これが全体像です。
では、「教育・学習支援業」について見てみましょう。
【賃金】(事業所規模5人以上)
○平成27年の一人平均月間現金給与総額…前年比0.7%増(380,461円)
・うち「きまって支給する給与」…1.5%増(296,799円)
・うち「所定内給与」…1.3%増(291,087円)
・うち「所定外給与」…7.8%増(5,712円)
・うち「特別に支払われた給与」…1.4%減(83,662円)
【労働時間】(事業所規模5人以上)
○平成27年の一人平均月間総実労働時間…前年比0.3%減(126.2時間)
・うち「所定内労働時間」…0.5%減(118.3時間)
・うち「所定外労働時間」…5.4%増(7.9時間)
【雇用】(事業所規模5人以上)
○平成27年の常用雇用…前年比3.4%増
・一般労働者…1.4%増
・パートタイム労働者…8.5%増
こうやって比較すると、一般事業と教育産業の差が分かりやすいですね。
賃金水準は高め。
労働時間は短め。
雇用は急増。
これが教育産業の現状、ということになります。
労働時間が短め、という点に驚かれる方も多いと思いますが、他の事業をご経験の方にはそれほど違和感はないかもしれません。
学校現場は確かに忙しいですが、他事業に比べて突出しているわけではなく、個人的には「時間管理の不徹底=時間を意識することに慣れていない」ことが、一部の学校の労働時間を伸ばしてしまっているように感じます。
あとは夏休みや春休みといった長期休業期間があるのも特徴ですよね。
学校の特質を把握しながら、一方では他の産業の情報も入れつつ、学校運営のあるべき姿を模索していきたいものです。