寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

教育課程部会 小学校部会

今朝は冷えています、大阪市内。

本日のブログは中教審の部会に関する情報提供です。

文科省HPより。

 

教育課程部会 小学校部会(第1回) 配付資料:文部科学省

 

第1回、ということで新たに立ち上がった部会です。

この小学校部会、どんなことを話し合うのか、という点を押さえておきましょう。

上記リンクしたページの中に、「小学校部会における検討事項(案)」という資料が掲載されています。

これを抜粋してみましょう(注釈は省いております)。

1.「社会に開かれた教育課程」の視点に立った、小学校の教育課程の改善について

○これからの社会の在り方を見据えた、小学校教育の改善の方向性
○発達の段階(低学年・中学年・高学年)を踏まえた学習・指導の在り方
特別支援教育の在り方
○幼児教育、中学校教育との円滑な接続の在り方
○家庭、地域・社会との連携の在り方 など

2.小学校教育を通じて育成すべき資質・能力について

○児童を取り巻く現状や社会の変化を踏まえ、小学校教育を通じて育成すべき資質・能力の在り方について
○資質・能力の育成と、各教科等の充実の方向性について
○学習や生活を支える「言語」の役割を踏まえた、言語に関する能力の育成について

3.小学校における「カリキュラム・マネジメント」の在り方について

○カリキュラム・マネジメントの意義と、効果的な実施の在り方について
○短時間学習の実施など、効果的で柔軟なカリキュラム・マネジメントの在り方について

4.「アクティブ・ラーニング」の三つの視点を踏まえた、資質・能力の育成に向けた小学校の指導等の改善充実の在り方について

5.学習評価の在り方について

6.その他

これらの検討事項はすべて、『教育課程企画特別部会「論点整理」』に基づくものとなっています。

そちらもリンクを貼っておきましょう。

教育課程企画特別部会における論点整理について(報告):文部科学省

 

この報告書の扉の中に『「学校」の意義』という一節があり、次のような内容が記載されているのでそちらも抜粋しておきます。太字は筆者が付けたものです。

○ 子供たちに必要な資質・能力を育成していくため、今後の学校教育にはどのような役割が期待されるのだろうか。それを考えるためには、社会的変化を視野に入れつつ、教育の姿を総体的に描きながら、「学校」の意義についても今一度捉え直していく必要がある。
○ 学校とは、社会への準備段階であると同時に、学校そのものが、子供たちや教職員、保護者、地域の人々などから構成される一つの社会でもある。子供たちは、学校も含めた社会の中で、生まれ育った環境に関わらず、また、障害の有無に関わらず、様々な人と関わりながら学び、その学びを通じて、自分の存在が認められることや、自分の活動によって何かを変えたり、社会をよりよくしたりできることなどの実感を持つことができる。
○ そうした実感は、子供たちにとって、人間一人一人の活動が身近な地域や社会生活に影響を与えるという認識につながり、これを積み重ねることにより、地球規模の問題にも関わり、持続可能な社会づくりを担っていこうとする意欲を持つようになることが期待できる。学校はこのようにして、社会的意識や積極性を持った子供たちを育成する場なのである。
○ 子供たちが、身近な地域を含めた社会とのつながりの中で学び、自らの人生や社会をよりよく変えていくことができるという実感を持つことは、貧困などの目の前にある生活上の困難を乗り越え、貧困が貧困を生むというような負の連鎖を断ち切り未来に向けて進む希望と力を与えることにつながるものである。
○ このように考えると、子供たちに、新しい時代を切り拓いていくために必要な資質・能力を育むためには、学校が社会や世界と接点を持ちつつ、多様な人々とつながりを保ちながら学ぶことのできる、開かれた環境となることが不可欠である。
○ こうした社会とのつながりの中で学校教育を展開していくことは、我が国が社会的な課題を乗り越え、未来を切り拓いていくための大きな原動力ともなる。未曾有の大災害となった東日本大震災における困難を克服する中でも、子供たちが現実の課題と向き合いながら学び、国内外の多様な人々と協力し、被災地や日本の未来を考えていく姿が、復興に向けての大きな希望となった。人口減少下での様々な地域課題の解決に向けても、社会に開かれた学校での学びが、子供たち自身の生き方や地域貢献につながっていくとともに、地域が総がかりで子供の成長を応援し、そこで生まれる絆を地域活性化の基盤としていくという好循環をもたらすことになる。ユネスコが提唱する持続可能な開発のための教育(ESD)も、身近な課題について自分ができることを考え行動していくという学びが、地球規模の課題の解決の手掛かりとなるという理念に基づくものである。
○ このように、学校は、今を生きる子供たちにとって、現実の社会との関わりの中で、毎日の生活を築き上げていく場であるとともに、未来の社会に向けた準備段階としての場でもある。日々の豊かな生活を通して、未来の創造を目指す。そのための学校の在り方を探究し、新しい学校生活の姿と、求められる教育や授業の姿を描き、教科等の在り方を探究していく。この俯瞰的かつ総合的な視点を大切にしたいと考えている。

社会とのかかわりについて学ぶ場、それが学校、という捉え方ですね。

私学でいかにして多様性を学ぶのか。これは公立校よりも難題であることが多いようにも思います。

年齢のことも併せ考えれば、小学校が果たす役割は特に大きいようにも思います。

国策の行く末とともに、自校のあり方についても問い直す機会になればと願っています。