寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

公立学校週6日授業復活への実情

GW前半の祝日の朝。

普段の休みの日より1時間ほど早く目が覚めました。

この日はなぜか二度寝をせず、起きることに。

すると、テレビでこんな特集が放送されました。



『“土曜授業”復活でどう変わる?』


①東京(だと思います)のある家族に密着取材した映像です。

 小学生の男の子がいる家族です。

 男の子は、お父さんに連れられて土曜日に柔道教室に通っています。

 3月までは、柔道教室に行く土曜日に割と早く起きて、

 朝ご飯の時も妹とふざけ合ったりして元気だったのに、

 4月の学校がある土曜日に、

 柔道教室の日より起きる時間が早いこともあり、

 お母さんに起こされてもなかなか起きられず、

 無理矢理食卓に座らされる感じで、椅子に座っても寝ているような状態でした。


 お父さんはここぞとばかりに、趣味のスポーツをするのに朝早くから出掛け、

 4・5歳だったでしょうか、妹はまだ熟睡中。

 男の子をやっと学校に送りだしたお母さんは、

 ほっとしてゆっくりと家事をこなす。

 「ゆっくりできるから、助かります」というようなことを、

 お母さんは言っていました。


 お父さんも「平日6時間目まであると、子供達も長い時間だと疲れるので、

 土曜日の授業はいいと思う」というような意見でした。

 通学途中に男の子に質問すると、

 「面倒くさいから行きたくない」という意見。

 その表情が、本当に嫌そうな感じではなかったのが幸いです。


 男の子が通っている小学校にも取材に行き、

 どのような授業が行われているかや、子供達の意見が放送されました。

 「面倒くさいから嫌だ」

 「学校に来るぐらいなら塾に行きたい」

 というような意見が多かったですが、

 「嫌だけど、友達と遊べるからいい」という子もいました。

 

 この小学校では、土曜日の授業は通常の教科書を使ったものでした。



大阪市のある小学校では、これまで年20日の土曜日授業を行ってきました

 (確かこちらの小学校だったと思いますが、記憶違いがあるかもしれません)。

 どのような授業が行われているかというと、

 地域の皆さんと警察が協力して、「自転車運転の講習会」を行っていました。

 小学校の運動場で、自転車の運転の練習や、

 道路での運転の仕方(信号や車の確認など)を教わったりしていました。


 こちらの子供達の意見も同じく、

 「週1日しか休みないんやろー?ないわー!」(←女の子の意見)などと、

 聞いて笑ってしまいましたが、最初は否定的でした。

 でも、講習会の後は「面白かった」という意見が多かったです。

 そういった子供の意見しか放送しなかった可能性もありますが…。



「単に平日の授業を土曜日に回すのか、

 こういった地域とのふれあいや体験学習など、平日と違った授業を行うのか、

 土曜日の授業で何を行うかの工夫が必要では?」

と小倉さんは言っていました。(番組がわかりましたね!)

また、コメンテーターの方は、

「土曜日授業をやっていた時代があって、週5日授業の時代があって、

 それぞれのメリット・デメリットがわかっているのだから、

 うまくやっていくことはできないのか?」と、

もう一人の教育に詳しいコメンテーターの方に質問していました。

確かに、と私もそう思いました。



この特集を見ての率直な感想は、

「土曜日授業の復活は、

 親達は喜んでいるけど、子供達や先生は喜んでいない」でした。

土曜日授業を受けた経験がある親達は、それほど抵抗はなく、

むしろ、子供がいない時間が出来て他のことが出来るから、

という面でも喜んでいる印象を受けました。

“自分が体験したことに対する抵抗感のなさ”

“たとえその時はつらくても、あとで必ず身になる・結果が出る”

こういうところが体罰問題と似ているような気がします。

反対に、子供達は休みだった日がそうじゃなくなるのだから、

そりゃ抵抗感を持ちますよね。

でも、これもやっていくうちに慣れていくのだろうとも思います。


特集の最後で、

【土曜日授業⇒午後にその他の業務で残業

  ⇒振替休日を取っていいことになっているが、

   日々の業務に追われて結局休みは取れない】

という、土曜日授業復活により先生の負担が増えることも紹介していました。



公立学校で月1回の週5日授業が始まったのが、

今27歳の人が小学一年生だった平成4年(1992年)の2学期から、

月2回の週5日授業が始まったのがその3年後、

そして全面実施されたのは平成14年(2002年)です。

約20年かけて実施してきたものを、また数年数十年かけて元に戻すのでしょうか。

それとも、試行錯誤しながらまた別の方法を見つけるのか。



私達が子供の頃は、普通にお昼まで土曜日の授業がありました。

今と比べれば法律や制度や授業の中身など色々と“ゆるかった”でしょうけど、

単純に一クラスの生徒の数だけでも、今の倍以上でした。

学校以外の時間に、先生と生徒で集まったり、

先生の家に遊びに行ったこともありました。

そういう時間を先生が持てていたという事です。

どうやって週6日授業をしていたのか気になります。

コメンテーターの方がおっしゃっていたように、

それを振り返ってみると、何かヒントが見つかるような気がします。