寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

自己肯定感は上昇中!「高校生の心と体の健康に関する意識調査報告書」

独立行政法人国立青少年教育振興機構では、

高校生の心と体の健康の実態を把握するための調査を実施しています。

この調査は日本だけではなく、米国・中国・韓国との国際比較となっています。

 

「高校生の心と体の健康に関する意識調査報告書」

 

2017年の自己肯定感に関する調査結果を抜粋します。

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これらの質問の中で

「私は価値のある人間だと思う」と回答した高校生は、

日本が44.9%で、他の3か国の80.2~83.8%を大きく下回っています。

「私はいまの自分に満足している」と回答したのは、

日本が41.5%で、他の3か国は62.2~75.6%となっており、

日本の高校生の自己肯定感は他国と比較し、非常に低い結果となっています。

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因子分析のグラフからも日本の自己肯定感が他国と比べ低いことが読み取れます。

 

それでも2010年の調査結果と比較すると、日本人の高校生の自己肯定感は向上しています。

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2010年当時の36.1%から44.9%と8.8%上昇しています。

あと少しで半数以上というところまで来ています。

 

新学習指導要領では、

どの校種・どの教科などでも共通に、

(1)知識・技能(2)思考力・判断力・表現力等(3)学びに向かう力・人間性

の三つの柱で資質・能力を育成することにしています。

 

この3つの能力はこれからの社会で求められる能力とも一致するのではないでしょうか。

今後は学習や学校生活を通して、

子どもたちに成功体験を積み重ねさせることで、

自己肯定感を育んでいくことが今後ますます求められるでしょう。

 

(文責:長森)

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施設の長寿命化に向けた基本的な考え方の整理

学校法人にとっての課題の一つ、「施設整備」。

初期投資はもちろん、ランニングコストも含めると

その必要額は莫大です。

このたび、文科省では施設の長寿命化に関する基本的な考え方をまとめたそうです。

本日はこちらを見ていきましょう。

 

「国立大学法人等施設の長寿命化に向けた基本的な考え方の整理」の取りまとめについて:文部科学省

 

その概要はこんなスライドにまとめられています。

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報告書本体を見ると、「経年25年以上の改修を要する施設の面積は874万㎡(全体の約30%)あり、今後5年で経年50年以上の改修を要する施設の面積が現在より倍増する見込み」と、これから数年で老朽化がますます深刻になるとの記載があります。

これは国立大学法人等に限ったことではなく、

生徒急増期に建築された幼・小・中・高も同様でしょう。

 

そして、これからの少子化進展を見据えますと、

老朽化した施設を整備する際には、

将来投資の極小化がテーマにならざるを得ません。

すなわち、施設の長寿命化についても検討することが必須と言えます。

 

本レポートにこのような記載があります。

○施設整備や維持管理には多額の費用が必要であることから、大学の理念や特色・強み、施設の現状、財政状況等を踏まえ、将来にわたる施設整備や維持管理に係る費用等の見通しを立てることが必要である。
その上で、施設の用途や規模等も踏まえつつ、長期的に必要となる施設と将来的に不要となる施設を峻別する等、保有施設の総量の最適化を図り、真に必要性の高いものから重点的に施設整備や維持管理を行うことが必要である。

○老朽化した膨大な施設を限られた予算の中で効果的・効率的に整備していくためには、
・重点的な投資により教育研究等のニーズに対応して機能向上する施設
・主に施設の物理的な性能を維持する施設
・最小限の投資により安全性を確保する施設
に分類する等、施設整備や維持管理の範囲や内容等についてメリハリをつけることが重要である。

長寿命化を技術的に検討することはもちろん大切ですが、

その前に「計画化⇒優先順位付け」を行い、

学校施設全体として長期間にわたり活用できるものとする、

という考え方が重要なのですね。

 

本資料、施設整備の際には事前に目を通しておくといいでしょう。

投資の有効性を高めて、よりよい学校運営をお願いいたします。

 

(文責:吉田)

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弊社主催セミナーの開催のご案内

今年ももう5月…もうすぐで半年過ぎてしまうんですね。

年齢を重ねるとともに時間の流れを早く感じていますが、それにしてもあまりにも早すぎるな・・・、というのが本音です。

充実した毎日を過ごせているということなのか、何かに追われているような毎日を過ごしているということなのか・・・

いずれにせよ、様々な分野において日進月歩で進歩していますので、世間に置いていかれないように日々勉強に努めなければと思っております。

 

さて、今週の5月16日(水)に、今年度第2回目の弊社主催学校経営セミナーを開催いたします。

 

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  • セミナー名:学校における働き方改革と実践のポイント ~長時間労働を是正するための7つの段取力~
  • 開催日時 :2018年5月16日(水) 14時~17時
  • 参加費  :5,000円
  • 会場   :梅田パシフィックビル6階(東梅田駅から徒歩1分!)

 

昨今、長時間労働は社会問題としてクローズアップされています。

今や長時間労働は企業の問題としてだけではなく、

学校においても避けては通れない問題となっています。

学校を取り巻く環境も日々変化しています。

2018年3月にはスポーツ庁より、運動部活動の在り方に関するガイドラインも公表され、働き方改革は課外授業にまで及ぶことが想定されます。

この機会にぜひ、弊社主催のセミナーにご参加いただき、

御校の働き方改革の一助にして頂けましたら幸いです。

 

上記リンクから、またはお電話(06-6484-7513)でお申込みいただけます。

定員まで若干の余裕がございますので、この機会にぜひご参加下さい。

 

 

(文責:長森)

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自宅が9割以上!「小中学生の“遊び”に関する意識調査」

5月の大型連休も過ぎると連休中の夜更かしや昼寝で

生活習慣が乱れた子どもも多いのではないでしょうか。

今週は特に「五月病」や体調不良に注意して過ごしてほしいですね。

 

さて、本日はそんな子どもの“遊び”に関する意識調査がバンダイより発表されました。

 

「小中学生の“遊び”に関する意識調査」 結果

小学 1 年生から中学 3 年生の子どもを持つ親(子どもと一緒に回答できる方)900 人を対象に2018年3月23日から25日の期間に行われました。

 

この調査によると、

遊具遊びや鬼ごっこ・かくれんぼといった外遊びをしている小学生は半数以上に上りますが、学年が上がるにつれ外遊びの率がどんどん下がっています。

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小学校の高学年においては家庭用ゲーム機のみならず、スマートフォンタブレット端末まで使っている結果となっています。

時代の変化を感じる調査結果ですね。

 

また、遊び場所については次のような結果になっています。

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今どきは遊び場所がショッピングモールなんですね。

昔から自宅で遊ぶ子どもが多い中、ショッピングモールを遊び場にするなんてひと昔前では想像できない場所ですが、今や学校の運動場以上の遊び場となっています。

 

最後に、学校の授業以外の過ごし方について、

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スマートフォンタブレット端末の普及も影響しているのか、

テレビ以外での動画視聴、

いわゆるYou Tubeなどは小学生にとっても一般的になりつつあるということでしょう。

 

このような調査結果を知ると、

子どもの将来の夢にYou Tuberがランクインしたことも納得です。

 

このように、子どもの世界も大きく変化しているように、

ここ10年ほどで社会も大きく変化しています。

ひと昔前、mixiが流行ったときは事件・事故に巻き込まれる可能性があると

利用を禁止する学校もありましたが、

現在では、FacebookをはじめとするSNSを利用していない学校は

もはや少数派にすらなったのではないでしょうか。

また、最近ではYou Tubeに代表される動画視聴・配信サービスを利用される学校も増えています。

紙からデジタルへ、という世間の流れは止まりそうもありません。

 

全てがダメというわけではなく、必要であれば運用とルールを柔軟に見直していく。

そのような姿勢が学校経営にも求められているのかもしれませんね。

 

(文責:長森)

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学校における働き方改革

働き方改革」というキーワードは日本社会にすっかり定着したようですね。

新聞記事にも「働き方改革」に関連する内容は

毎日のように登場しています。

 

そこにはいろいろな内容が含まれますが、

私学においてもこの「働き方改革」は重要なテーマになりつつあります。

 

ひとつの切り口が「部活動」。

今年3月にはこんなガイドラインが発表になっています。

運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン:スポーツ庁

 

部活動については、教育活動の在り方と方法論を改めて考察することが先決ですが、

休養日の設定や外部指導員との役割分担など、

学校における労務管理上の課題も深く関連しています。

 

また、部活動を含めた働き方全般に関する対応策について、

昨年末にこんな「緊急対策」も発表されています。

学校における働き方改革に関する緊急対策

 

さて、御校での働き方に課題はありますか?

 

ない、と言い切れる私学は少ないのではないでしょうか。

 

忙しすぎる。

長時間労働を改善したい。

勤怠管理が十分でない。

効率の良い仕事の進め方を実践したい。

 

といったように、

「働き方を変えたいが、その具体的な方法が分からない…」

という皆様のために、弊社では以前、小冊子を作成しました。

その名も「学校における働き方改革」。

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本小冊子は昨年11月の発刊でしたが、

想定以上の?ご好評をいただいております。

(お申込みはinfo@ysmc.co.jpへご連絡下さい)

 

そこで今回、学校経営セミナーの1コンテンツとして、

セミナー開催をさせていただきます。

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小冊子記載の内容に加え、世間の動きを含めた実例もご紹介しながら、

各校に合った働き方改革のヒントを見つけていただくことを目的としています。

 

気が付けば本番まであと1週間です。

残席ございますので、ご興味のある方はぜひお越しください。

 

(文責:吉田)

教育無償 要件厳格化

少し前の記事になりますが、教育無償化についての新聞記事を紹介します。

 

mainichi.jp

 

政府は昨年の12月に、2019年10月に延期した消費税増税による増収分の使い道として

「新しい経済政策パッケージ」を定めました。

 

新しい経済政策パッケージ : 経済財政政策 - 内閣府

 

この中で、強く叫ばれているのが「人づくり革命」についてです。

この資料中の第2章人づくり革命の目次は以下の通りです。

  1. 幼児教育の無償化
  2. 待機児童の解消
  3. 高等教育の無償化
  4. 私立高等学校の授業料の実質無償化
  5. 介護人材の処遇改善
  6. これらの施策を実現するための安定財源
  7. 財政健全化との関連
  8. 来年夏に向けての検討継続事項
  9. 規制制度改革等

と、教育の無償化にかかわる施策が4項目続いています。

 

1.の幼児教育の無償化について、政府は平成26年度以降段階的に取り組み、

生活保護世帯や第3子以降の保育料の無償化など無償化の範囲を拡大してきました。

そして、2020年度4月から3~5歳までの子供たちの幼稚園、保育所認定こども園の費用を無償化すると公表しました。

また、待機児童解消のために2022年度末までに実施予定であった32万人分の保育の受け皿を整備する「子育て安心プラン」を前倒し、2020年度末までに32万人分の受け皿整備を行うと公表しました。

 

低所得者層に限定される高等教育の無償化や私立高等学校の授業料の実質無償化の継続などを含めたこれらの施策実施には2兆円規模の財源が必要です。

そのため、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校において行われる高等教育の無償化については、支援対象の要件を厳しく定める必要があると指摘されています。

この指摘は6月に策定される政府の経済財政運営の指針「骨太の方針」などに反映される予定です。

 

今回の審議会では高等学校の支援対象の要件に関して言及されていませんが、

今後、高等教育の無償化と同じく、一定水準の成績を達成させるための

成績管理や第三者による客観的な評価の導入などの必要性が生じるかもしれません。

もし、そうなると補助金支給にも大きな影響が出てしまいかねません。

そのような事態を招かないためにも、成績管理や講義計画の策定、

三者による客観的な評価による教育の質の担保など、

組織や制度に関する整備を検討することも必要ではないでしょうか。

 

(文責:長森)

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「英語教育実施状況調査」の結果について

公表から時間が経っておりますがご容赦ください。

英語教育実施状況調査の結果がまとまっております。

文科省HPより。

 

平成29年度「英語教育実施状況調査」の結果について:文部科学省

 

本調査は公立校が対象です。さて、英語力はどう変化しているでしょうか。

まずは教員から。

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高校はすごく上がっているように見えますが、グラフのマジックに要注意。

1目盛りの高さが大きいので、わずかな上昇でもぐっと上がったように見えますね。

ただ、直近2年はそれまでよりも上昇率が大きくなってはいます。

 

では生徒はどうでしょうか。

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こちらも上がってきていますね。

英語力の向上が目標設定されたことによる効果とも言えるでしょう。

 

ちなみに、本資料には英語力向上のための取組例も掲載されています。

例えば教員の英語力向上に関する取組例としては、

・すべての中学校及び高校の英語担当教師が参加する自主研究組織における、テストの作成や授業参観等を通した授業改善

・教師の指導力向上だけでなく、英語力の向上に向けた集中研修講座の実施

 といったところが参考になりそうです。

また生徒のそれについては、

・ふるさとを英語で紹介する授業を取り入れ、修学旅行先で出会った外国人を相手にその成果を確かめたりするなどの活動を実施 

という取組が載っていて、興味深く感じました。

 

公私の特色差がどんどん縮まってきている昨今。

御校での英語教育の状況、そして成果はいかがでしょうか。

目に見える成果ばかりを追い求めることは疑問ですが、

一方で目の前に成果を見せつけられることの分かりやすさは

他の要素を凌駕してしまうことがあります。

短期と中長期の視点をうまく組み合わせながら、

教育活動を展開していくことが重要なのかもしれませんね。

 

(文責:吉田)

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