寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

大阪府毎月推計人口

皆さんご存知のとおり、急速な少子高齢化により日本は人口減少社会に突入しています。

都市部への人口の集中により、地方部では多くの自治体が消滅の可能性を指摘されるほどですが、都市部においても地域により人口減少スピードには大きな差が生じています。

そこで、本日は大阪府下の市町村の人口を確認してみます。

 

大阪府のホームページには「大阪府の毎月推計人口」が公表されており、大阪府下の各市町村の毎月の推計人口を確認することができますが、大阪府下でも人口増減には地域差が見られます。

 

大阪府/大阪府の毎月推計人口

 

まず、大阪府全体では、平成28年7月から平成29年6月までの1年間で5,535人減少しています。

ただし、大阪府下の地域別でみると、大阪市域は9,940人、北大阪地域は4,146人増加している一方で、東大阪地域は9,268人、南河内地域は3,862人、泉州地域は6,491人減少しており、地域により人口増減の傾向に差があることがわかります。

 

次に、市町村別の人口増減のベスト5、ワースト5は以下のとおりになっています。

 

◆ベスト5(人口増加)

  1. 大阪市    9,940人
  2. 箕面市    1,626人
  3. 吹田市    1,525人
  4. 豊中市       1,416人
  5. 茨木市       814人

◆ワースト5(人口減少)

  1. 堺市    △2,546人
  2. 東大阪市  △2,434人
  3. 寝屋川市  △1,775人
  4. 岸和田市  △1,125人
  5. 河内長野市 △1,091人

 

面積の狭い大阪府ですが、大阪市と北大阪は人口が流入し、南大阪は人口が流出していることがよくわかる結果となっています。

都市の魅力の違いなのか、行政の取り組みの差なのか、はっきりとした要因はわかりませんが、ここ数年、この傾向は変わっていません。

 

当然、急速な人口減少をこれまでに誰も経験したことはありませんから、どのような未来が待ち受けているかを正確に予測することは非常に困難なことです。

ただし、学校法人にとっては経営が非常に厳しくなることは間違いありません。

国立社会保障・人口問題研究所が将来推計人口を公表していますが、そのとおりに推移するとも限りませんので、自校のマーケットの人口動態は定期的に確認しておく必要がありそうです。

 

(文責:木村)

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共働き時代のPTAをつくる

お盆休みも明けて、学校はそろそろ2学期の準備…というところでしょうか。 

 

学校の話題は昨今、常にマスコミを賑わせていますが、

インターネットを含め、その声を多く目にするのがPTAの活動について、です。

 

先日の日本経済新聞にこんな記事が掲載されていました。

www.nikkei.com

(記事の全文を読むには会員登録が必要です。ご容赦ください)

 

この記事は「日本PTA全国協議会専務理事」が書かれたものです。

一部のみ抜粋します。

 活動が平日昼間に集中しているPTAも多いが、共働きが増えた今、日中の活動に無理なく参加できる保護者は少なくなっている。「働く保護者にとって負担が重い」という批判もつきまとう。一部地域では会合の時間帯を夜にしたり、インターネット上で意見や資料を交換したりと、保護者の多様な生活に合わせた運営改革が始まっている。

 

 役員構成についても再検討の必要があると考える。現在は役員の多くを男性が占めており、昨年度には女性を最低1人は役員として入れるよう規定を改定した。女性の視点が運営に反映されるようになることで改善も進むはずだ。

なるほど、活動の枠組を変える、組織を変える…必要なことと言えるでしょう。

 

ただ当然のことながら、PTA活動の議論はどうしても

「保護者」側からなされることが多いものです。

一方で、本ブログは学校経営に携わる方に向けて書かせていただいておりますので、

その観点からPTAについて考えてみますと…

 

現在、PTAに対して積極的な意義を見出している学校関係者はそう多くない、

というのが私の見立てです。

PTA活動を担当する教員(教頭先生であることが多いように感じますが)にとって、

学校とPTAの双方の調整を行ったり、

PTAが主催する形を採っている行事を手伝ったり、

PTAからの要望に対応したり…

といったことは、必ずしも気乗りすることばかりではありません。

 

一方で、PTA役員の皆さんは、その活動に負担を感じる方もいらっしゃいますが、

学校のことを思って活動して下さっている方が大半です。

学校とPTAの歯車がうまくかみ合えば、

その相乗効果で学校運営はより良くなっていくことでしょう。

 

ではなぜかみ合わないのか。私自身の観察によれば、

 学校とPTAの間にちょっとしたトラブルが起きる

  ⇒双方のコミュニケーションの頻度が減る(疎遠になる)

   ⇒お互いのことが分からなくなる、分かりにくくなる

    ⇒学校として関わりたくない存在になる

     ⇒余計にトラブルが起きやすくなる…

といった、負のスパイラルに陥ることが要因ではないか、と思います。

つまり、単純なコミュニケーション不足が引き金になっている、と。

このような関係悪化の構図は、人間関係の全てに言えることかもしれませんね。

そして、PTA役員側においても、必要な情報がもらえていないために

負担感も大きくなってしまっている、のかもしれません。

 

誤解を解くには充実したコミュニケーションが必須です。

そして、学校活性化のためにPTAの存在は決して小さくありません。

ぜひこの機会に、PTA役員の皆さんといろいろ話してみましょう。

学校運営のヒントがたくさん見つかることと思いますので。

 

(文責:吉田)

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子供の読書活動推進に関する有識者会議

昨今、「青少年の〇〇離れ」や「若者の〇〇離れ」という言葉をよく耳にします。

例えば、テレビや新聞、車などが話題になることが多いですが、読書も例外ではないようです。

そのような背景もあり、文部科学省に「子供の読書活動推進に関する有識者会議」が設置されました。

 

子供の読書活動推進に関する有識者会議:文部科学省

 

当該会議の設置の趣旨は以下のようになっています。

 「子どもの読書活動の推進に関する法律」(平成 13 年法律第 154 号)に基づき、政府として概ね5年に一度、「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」(以下、基本計画。)を策定している。
 近年、情報通信技術の普及による中高生のスマートフォン保有率の急増等、子供を取り巻く環境の変化が見受けられ、子供の読書については、高校生の不読率の上昇等が課題となっている。また今年度は、平成 25 年5月に行われた現行基本計画策定から5年目を迎え、次期基本計画の策定に向けて、検討を進めていく時期に来ている。
 次期の基本計画が、子供の読書活動の推進に一層意義のあるものとなるよう、各分野における有識者からの意見を継続的に伺う会議として「子供の読書活動推進に関する有識者会議」を設置することとする。

 

まず、「子どもの読書活動の推進に関する法律」が施行されていることを全く知りませんでした。世の中にはいろんな法律があるものですね・・・。

そして、引用文にあるように、やはり読書離れにはスマホの爆発的な普及が大きく影響しているようです。

特に、高校生の不読率の上昇が課題とされていますが、本を読まない理由として、主に2つが挙げられています。

  1. 中学生の時には本を読んでいたが、高校生になってから他の活動等で時間がなくなり本を読まなくなった。
  2. 中学生の時から本を読む習慣がなく、高校生になっても本は読まない。

1の「他の活動等」が何を指すのかは明記されていませんが、スマホや娯楽の多様化の影響だけでなく、受験勉強や部活動、アルバイト等で単純に本を読むゆとりがない子どもが多いのかもしれませんね。

2の場合はいわゆる読書嫌いですね。やはり幼い頃からの習慣づけは大切です。

 

ちなみに、国立青少年教育振興機構の調査によると、読書をすることが多い子供ほど、コミュニケーションスキルや礼儀・マナースキルが高い傾向にあるとの結果が出ています。

スマホと同様に、子ども達にとって本もなくてはならない身近な存在となるような取り組みを期待したいところです。

また、我々大人も子ども達の見本となるようにもっと読書を楽しまなければいけませんね。電車やカフェなどでは、ほとんどの大人がスマホを触っていますので・・・。

 

 

(文責:木村)

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労働時間の把握が義務化

以前、当ブログで文部科学省が公表した「教員勤務実態調査」について取り上げました。

内容は、教員の出退勤時刻を管理している学校は全体の2割強しかなかった、というもので、教員の長時間労働が大きな問題になっているにも関わらず、出退勤時刻を記録していない学校が多いことに大変驚いたものです。

 

長時間労働を是正するためには、まずは労働時間の実態を把握しなければ、どこに問題があるのかを掴むことはできません。

昨今の行政の動きから、今後は規制が強まるだろうと感じ、8月4日の弊社セミナー(学校経営を取り巻く課題の総点検)の中でもお伝えしたのですが、先日このような記事を目にしました。

 

www.msn.com

 

過労死を防ぐため、厚生労働省は、労働安全衛生法(安衛法)施行規則を改正し、従業員の労働時間を適切に把握することを企業などの義務として明記する方針を固めた。

 政府は、時間外労働の上限規制を含む「働き方改革関連法案」を秋の臨時国会に提出する予定。関連法施行までに安衛法施行規則を改正する。

 安衛法は働く人の健康を守るための法律。時間外労働が月100時間を超えた人が申し出た場合、医師の面接指導を事業者に義務づけるなど、労働時間の把握を前提とした仕組みを定めている。ただ、取り組みが不十分な企業もあるという。

 そこで、安衛法施行規則に、労働時間の把握について「客観的で適切な方法で行わなければならない」などの文言を盛り込む。パソコンの使用時間やIC(集積回路)カードによる出退勤時間の記録を想定する。管理監督者を含めた全ての労働者を対象にする。

 

今年の1月に、厚生労働省が「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を策定し、その中で、使用者は従業員の労働日ごとの始業・終業時刻を記録することが定められていますが、そこからさらに踏み込んで、労働安全衛生法施行規則に従業員の労働時間の把握を義務付けることを明記するとのことです。

 

まだ、厚生労働省が義務化の方針を固めたとの報道がされた段階ですが、避けては通れない問題ですので、教職員の出退勤時刻を記録していない学校は早急な対応が求められます。

ただ、法令が改正されるから仕方なく対応するのではなく、実態を正しく把握し問題があれば直ちに是正することを目的としての対応が必要です。

 

教員の出退勤時刻の記録については、教員という職業の特性上馴染まないという意見も依然として多いようですが、この法改正により「学校の常識」が変わるきっかけになることを願います。

 

(文責:木村)

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平成29年度学校基本調査速報

先日、文部科学省から発信された統計情報です。

 

平成29年度学校基本調査速報の公表について:文部科学省

 

現段階では速報値であり、確報は年末ごろになるとのことです。

今回は各学校種に属する子供の数の変化について見ておきましょう。

概要は次の通りです。

 

・幼稚園…127万2千人(前年度より6万8千人減)
・幼保連携型認定こども園…50万6千人(同10万8千人

・小学校…644万9千人(同3万5千人減、過去最低を更新)

・中学校…333万3千人(同7万3千人減、過去最低を更新)

・義務教育学校…2万2千人(同1万人

・高等学校…328万人(同2万9千人減)

中等教育学校…3万3千人(同ほぼ同数)

・特別支援学校…14万2千人(同2千人過去最高を更新)

・専門学校(専修学校(専門課程))…58万9千人(同ほぼ同数)

各種学校…12万2千人(同1千人

 

市場が縮小する中で、「増加」しているカテゴリがあるのにお気づきになるでしょう。

認定こども園保育所と幼稚園の双方からの政策的誘導がありますので増加傾向に。

義務教育学校も近時新しくできた形態であり、中高一貫同様、少子化の中では増加していくことが見込まれます。

子どもたちの多様化が要因になっているのか、各種学校も増加していますね。

 

さらに「過去最高」を記録しているカテゴリもあります。それは特別支援学校です。

特別支援学校については私自身、多くの知識を有していませんが、

今回調べてみたところ、私立の特別支援学校は非常に数少ないものの、

しっかりと存在して下さっています。

数が少ない理由は経営上の理由ではないかと、

公表されている計算書類を覗いてみたのですが、

やはり収入の多くを補助金に頼らざるを得ない現実が垣間見えました。

しかしながら、これからも増えていくことが予想される、

特別支援学校に通わざるを得ない子供たちのために、

本来は私学が私学らしくその教育内容を提供できるのでは、との想いを禁じ得ません。

学校という枠組みが広がりつつある中で、

このようなことにも目を向ける私学がいらっしゃることを願いつつ…

 

さてこのように、学校においてもマーケットを考えることが不可欠、

という世の中になってきました。

先ほどご紹介した資料中には、上記数値はもちろん、

マーケットの増減がグラフで分かりやすく表示されています。

グラフで見ると、マーケットが縮小してきていることはなおのこと明らかです。

まだ早い、と思われるかもしれませんが、次年度以降の御校の活動について、

考え始めるきっかけにしていただければと思います。

 

(文責:吉田)

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「新しすぎる学校」の輪

まずは夏季休暇のお知らせを。

弊社は明日8月11日(金)~16日(水)まで休暇とさせていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

さて先日の日経新聞に、面白い表題の記事が掲載されていました。

 

www.nikkei.com

(この記事は会員限定記事となっているため、全文読むには会員登録が必要です。ご容赦ください)

 

新しすぎる学校…?

この記事では、既存の枠組みにとらわれない、

独自性の高い学校を指しているようです。

 

記事に登場する学校は、

①事前サマースクールで3歳~小4生に「○○すぎる○○」というテーマでの探究課題を与えた幼小中一貫校「軽井沢風越学園」(2020年開学予定)

②異年齢で学級編成する「イエナプラン教育」を導入する日本初の私立小学校(2019年開校予定)

③豊かな自然環境を生かして保育や教育に取り組む保育所や幼稚園を県が認定する「信州やまほいく」

国際バカロレア資格にも対応する、瀬戸内海の島の全寮制・中高一貫校「グローバルリーダー育成校」(仮称)(2019年開校予定)

の4つ。

うち前三者はいずれも長野県、最後が広島県の事例です。

 

この記事は、単に新たな枠組みを推奨する、あるいは紹介するという

意図ではないようです。

記事の最後に、上記①の設立当事者の言葉として、

こんなことが書かれています。

 

「地方の学校が魅力的になることこそ重要。充実して楽しい子ども時代をすごせれば、地元への思い入れがある大人が増える」

 

先日の弊社主催セミナーでも統計資料をご紹介しましたが、

人口減の日本社会においては、まんべんなく人口が減っているわけではなく、

「偏在が極端になってきている」

のが現実です。

大阪圏でも子育て世帯の人口減が発生していますが、

減少した世帯の行く先は東京圏、ということを統計は示してくれています。

東京の魅力は維持、発展させつつ、一方で地方の魅力を高め、

人口流出を防ぎ、できれば流入者を増やしたい…

それが当該地域の皆様の想い、かもしれません。

 

島根県海士町が島全体のブランディングに成功し、

都会からのIターン組に人気を博す土地になっている、

ということを聞いたことがあります。

www.huffingtonpost.jp

 

兵庫県明石市は近年人口増に転じ、それが続いているとのこと。

www.sankei.com

 

これらの実例を見て思うのは、

好循環の中心に「教育機関」の存在がある、ということです。

子どもたちが豊かに育つ場、それが魅力的な土地なのではないか、と。

 

突飛な取組は実施した瞬間、目立ちはしますが、

それこそが求められているわけではないでしょう。

地域に根差した、継続可能な取組こそが、その地域、

そして学校自身を活性化してくれるのではないでしょうか。

学校が生きるのは、立地する地域とともに、であるはずです。

 

(文責:吉田)

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弊社セミナー(9/8)のご案内

本日は9月に開催いたします弊社セミナーのご案内です。

 

◆セミナー名:保護者・地域から信頼される

       教員・職員のための接遇・マナー研修

◆日   程:2017年9月8日(金) 14:00~17:00

◆参 加 費:2,000円

 

(詳細およびお申込みは下のリンクをご覧ください。)

www.ysmc.co.jp

 

実はこのセミナー、今年の4月にも開催したのですが、多数の方にご参加いただき、大変ご好評をいただきましたので、再実施を決定いたしました!

 

ちなみに、4月のセミナーでは以下のようなご感想をいただきました。

  • 名刺交換は習ったことがなく苦手としていたので、改めて知る事ができてよかった。
  • できている、わかっていると思いつつも、受講して改めて見直すところがあるように思い、勉強になりました。
  • ユーモアを交えて教えて下さり、明るい雰囲気の中で楽しく学べました。
  • 時間の経過を感じることがなく、素直に学ぶことができました。

 

新任の教職員の方はもちろん、中堅以上の方にとっても知識の再確認といって点でお役に立てていただくことができる内容となっております。

 

これからの学校や幼稚園のブランディングにおいて、教職員の接遇レベルの向上は必須です。

楽しみながら、実践を交えながら、接遇に関する知識を身に付けていただくことができますので、お時間に余裕がございましたら、ぜひご参加下さい!

 

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※4月開催時の様子です。(みんなでお辞儀の練習中です<(_ _)>)

 

(文責:木村)

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