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寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

目標設定の手順

計画 経営体

時期が時期だけに、事業計画の立案に関するご相談が増えています。

事業計画は最高、最大の経営ツールであると考えている私。

ですが、その作り方は組織によってさまざまあり、決まった正解はないようにも思います。

 

ただ、私自身が勝手に考える「望ましい事業計画のつくり方」もあります。

本日はそのことについてブログに書かせていただきます。

 

事業計画の中で最も重要なのが「目標」設定。

その目標設定の方法を大きく2つに分けると、「問題解決型」と「理念追求型」の2つに分けられます。

 

「問題解決型」の目標設定とは、平たく言えば「今できていないことを、できるようにする」という目標の立て方です。

例えば、今年度の進学実績が振るわなかったので、来年度は某大学への合格者数を5名増やす、といったような目標設定の方法です。

一方、「理念追求型」の目標設定とは、「将来こうなりたいから、まずはこんなステップを踏もう」という思考に基づきます。

10年後には某大学への合格者数を30名にしたいので、来年度はそのための指導法を開発する、といった目標設定になるでしょうか。

 

この両者のうち、実例に多いのは私の経験上、圧倒的に前者です。

学校現場は特に目の前のこと、特に問題点に敏感ですから、それをいかに是正するかに意識が行きがちですし、また現実を急激に変えることが難しい業界ですから、現実を踏まえた目標設定となると前者が適している、と言えるからだと個人的にはその理由を分析しています。

 

しかしながら、2つを比べると私学において適切な目標設定は後者であることは間違いありません。

なぜなら、私学には建学の精神が必ずあり、教育理念が必ずあるわけですから、いくら時間がかかったとしても、それらの理想の実現に向かって進むことこそが何より重要で、そのためには中長期の将来像を描き、そちらに向かうための目標設定がなされて当然、のはずです。

 

では現実になぜそうならないかと言うと、先ほど申し上げた理由以上、理念追求型の目標設定や思考方法に慣れていない、ということが挙げられます。

子どもたちは突飛に思える夢を描くことも少なくない一方、私たち大人は常に現実を突きつけられ、そこから思考をスタートさせることに慣れ切っています。

そうなると、いざ目標設定しようと思っても、「現実のまずいところ」はたくさん思い浮かぶものの、「理想的な将来イメージ」を思い浮かべるのは至難の業です。

特に10年後、20年後となると、「自分はもうこの学校にはいないから」という管理職の方も多くいらっしゃいますので、「それを考えるのは自分の役割ではない」と、早々に諦めてしまう方も多いような気がします。

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もし「理念追求型」の目標設定が優れていると思っていただけるなら、それを実現する方法があります。

それは、建学の精神・教育理念を「要素」に分解すること、です。

理想像というのはとかく長文になりがち、総論になりがちです。

それをいくつもの要素に区切っていき、抽象を具体に言い換えていく、という作業をまずはやってみていただきたいのです。

もちろん、普遍的な内容であった建学の精神が、この作業を通じて少し変質することもあるでしょう。当初はそれでも構いません。「総論賛成、各論反対」が世の常ですから、意見がぶつかる程度のところまで具体化しないことには、未来志向の目標設定はできないのですから。

 

当初の素案段階では粗削りだったいくつかの要素が、議論を経て整ってくると、それが御校の「ビジョン」になり、ビジョンに向かう行動が「方針」となります。

ビジョンや方針は中期的な方向性をある程度具体的に表してくれますから、それが明示されると次年度の目標設定は何ら難しいことはありません。

ビジョンを目標化するために必要なことは「スケジューリング」。

いつ、何をするのかを明確にすることがすなわち目標設定と同義になるのです。

 

ちなみに、私自身が最善の目標設定だと考えているのは、「理念追求型」で目標設定した後、現状とその目標をすり合わせ、整合性とともに時間軸を考慮する、という手順です。

現状からあまりにギャップのある目標設定になっているのであれば、急激な変化を避けるために目標を修正する、あるいは達成時期を先に延ばす、といったことが必要でしょう。

 

理想と現実の隔たりを埋めるのは、理想を変えてしまうのではなく、現実を理想に近づけていくことによって達成されるべきです。

そのためには、理想を出発点とした目標設定を目指す必要があります。

次年度の目標設定に向け、その手順をもう一度見直し、御校の理想に近づくよう努めていただければと切に願う次第です。