寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

学校へのクレーム、対応マニュアル作成

3月に入ったのに寒い日が続いています。

昨日の昼間もここ大阪市内で雪が舞っていました。

春はもうすぐそこまで、なのでしょうが、そのもうすぐが待ち遠しい今日この頃です。


さて今日は興味深い記事を見つけました。

YOMIURI ONLINEより。


学校へのクレーム、対応マニュアル作成…広島


ニュースとして掲載されたのはほんの数日前なのですが、ニュースソースをたどったところこのようなマニュアルができたのは昨年の12月。すでに四半期が経過していました。

ちなみにマニュアル本体はこちらです↓

保護者,地域と学校の協力のために【保護者等対応事例集】


このマニュアル、解説編と事例編に分かれています。

まず解説編はこのような目次になっています。

1 保護者や地域の方への適切な対応について

(1)基本的な考え方

(2)対応に苦慮する意見や要望,苦情のタイプについて

2 保護者等への対応の流れ

(1)初期対応から報告,その後の対応への流れ

(2)初期対応について

(3)面談について

(4)対応が難しい場面

中身をぱらぱらとめくっていくと、私たちがコミュニケーションに関する人材育成研修を行う際に出てくるような話がたくさん登場して、なかなか興味深いものがあります。

そして、具体的な対応方法として

「傾聴」「訴えの内容把握」「記録」

など、必要な方法論が記されていて、まさにテキストとして学内研修などで使えそうなものに仕上がっています。

分量もそれほど多くないので、さっと読んでおけばいざというときの参考になるように思います。


そして事例編。目次はこんな感じです。

ケース1 生徒の交通マナーへの苦情

ケース2 学校諸費会計に対する苦情

ケース3 たびたびトラブルを起こす児童の保護者からの訴え

ケース4 出席時間数が不足する生徒の保護者からの苦情

ケース5 運動会の練習での放送音への苦情

ケース6 頭髪指導に対する保護者からの苦情

ケース7 いじめに対する指導への不満

ケース8 携帯電話への指導方針を理解しない保護者への対応

ケース9 成績への問合わせ

ケース10 保護者からの席替えの要求

ケース11 保護者から「担任を代えてほしい」との要求

ケース12 「娘をなぜ試合に出さないのか」と部活動の顧問に詰問

ケース13 発熱して一人で帰宅させた生徒の保護者からの訴え

ケース14 盗難にあった生徒の保護者からの要求

おそらく実際にあったクレームをもとに、対応事例集を作られたのでしょう。

私自身もしばしば耳にするクレームが並んでいます。


保護者対応マニュアルを作成しなくてはいけない時代になったのか、とお嘆きの方もいらっしゃると思いますが、確かにそのような角度から見ると寂しい現実かもしれません。

が別の考え方をすれば、学校が組織的に活動するためのツールが整備されつつある、という前向きな捉え方もできるような気がします。


ともすると先生方の個人的対応力に頼り切る形になりがちな学校という職場。

ですが、学校はあくまでもひとつの共通目的を持った組織です。

クレーム対応はひとつの事例にすぎませんので、いろいろな場面で「個」の力を超えた「組織力」が生きることを願っています。


ちなみに、広島県教育委員会のHPには「人材育成・能力開発」というページが用意されていて、人事考課をはじめいろいろな資料が掲載されています。

ご興味がある方はぜひご覧ください。


(文責:吉田)