この週末は大雪に見舞われた地方もたくさんあったようです。
私の住む大阪市内はほとんど影響なく過ごせたのですが、特に東京は20cmを超える雪が積もったとか。
普段なら「ほんの少しの雪でそんなに騒がなくても…」と思ってしまう雪国出身の私ですが、1日で20cmというのは雪国においても結構な量です。お住まいの方はさぞご苦労なさったことでしょう。
さてそんな週末、朝日新聞のこの記事に目を奪われました。
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私は中国や韓国の制度をほとんど知らないので、日本のことに限っての話になってしまうことをご容赦いただきつつ。
一発入試に照準を合わせてカリキュラムが進んでいくのが原則的な日本の授業の形。
そして、入試という「本番」に限らず、日々の学習もまるで定期テストがゴール地点であるかのようになされていくのが普通の姿、といっていいのだろうと思います。
ところが本来、テストは実力を確かめるためのもの。
PDCAというサイクルで言えば、テストは「C」ですよね。
そしてその「C」が何のためにあるのかと言えば、「D」をよりよくするために存在する、というのが本来の形ではないでしょうか。
これが逆転してしまっている…その形に、私は違和感を少なからず感じています。
では入試やテストを無視してカリキュラムを組めばそれでいいのか。
もちろん、それでもいいのでしょうが、やはり何らかの「C=進捗確認」がないと甘えてしまう、あるいは自分の現在地を見失ってしまう、というのが人間の性だとすれば、それを完全に無視するのもどうか、と思ってしまいます。
Dをよりよくするために、P(計画を立てるということ)もCもAも、必要不可欠なものであると私は思っています。
私は教師ではありませんので、教育そのものについては素人考えであることは間違いありません。
が、少なくとも事業体を経営するにおいては、このような循環が成立することが最重要です。
とすれば、経営においてもそうであるように、あくまでもPDCAサイクルがきちんと回ることが、学習においても大切なのでは…と、そう感じる次第です。
以前、関わっているある私学の部長さんからこんなお話を耳にしました。
「有名大学への進学実績を上げることと、生徒に自ら考えさせる学習をさせることを、二者択一で論じる人があまりにも多い。本来は後者を追求することで前者を達成できるのに」
テストに出るから、ではなく、自らを高めるために学習する。
そしてその成長度をテストで測る。
足りないところを発見し、学習計画を練り直す。
その計画に従って、さらなる成長意欲を持ち学習を進める…
理想論のようなことですが、これが学校で実現するなら、きっとその学校の進学実績は飛躍的に上昇することでしょう。
そしてよりよいことに、生徒たちは自らの進路を進んで考え、その実現に向けて勝手に頑張るようになるでしょう。
現実と理想には大きなギャップがあります。
が、理想を追い求めなければ、そのギャップはいつまでたっても埋まりません。
それどころか、現状を追認すればいつまでも現状のまま、むしろ理想との距離は隔たっていくことでしょう。
理想を追い求めること、勇気を持ってチャレンジしていただきたいですね。
(文責:吉田)