寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

「国際バカロレア」認定校は

今朝もすでに暑い、ここ大阪。

汗だくの出勤がしばらく続きそうです。


さて今日は以前から気になっていた「国際バカロレア」について採り上げます。


「国際バカロレア」認定校は:上 海外進学の力、培う

「国際バカロレア」認定校は:下 カギ握る教師養成

(いずれも全文読むには会員登録が必要です。ご容赦下さい)


まず私自身の覚書を。不勉強をお許しいただきつつ。


国際バカロレア(略称:IB)は「世界共通の大学入試資格」。

種類としては

○プライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP/3~12歳向け)

○ミドル・イヤーズ・プログラム(MYP/11~16歳向け)

○ディプロマ・プログラム(DP/16~19歳向け)

の3種類があって、日本で数値目標(200校)が定められているのは

「DP」。つまり高校生が主たる対象になります。

実務的な流れとしては、

・プログラムを採り入れた学校を国際バカロレア機構が認定

・認定校で授業や試験を受けると、共通の評価基準で点数が与えられる

・DPで一定の成績をとれば、多くの国の大学入学資格と同等の

 「国際バカロレア資格」を持つと認められる

・米ハーバード大、イエール大、コロンビア大、英オックスフォード大、

 ケンブリッジ大などでは、入学合否判定の審査資料にも使われている

と、記事に記載されています。


そしてこの国際バカロレア、世界の認定校はグローバル化の波とともに

増加し、2013年7月11日現在、世界各国で2451校存在。

うち日本の認定校は18校。

関西のインターナショナルスクール以外では立命館宇治高校(京都府)が

唯一となっているようです。


これまで認定校が増えなかった理由のひとつが言葉の問題。

DPの基本言語は英語、フランス語、スペイン語であるため、

本の学校で実践する場合には、ほとんどの教科を

英語で授業する必要がありました。

それが2015年からは、多くの教科を日本語で授業する

「日本語DP」も認定することを文科省国際バカロレア機構が合意。

認定校が急増する兆しがある、と記事には指摘されています。

実際に記事に登場する中等教育学校も、これまでDPは

授業も最終試験も英語で実施する必要があり採用に踏み切れずにいたが、

今回の日本語プログラムの導入を受け認定申請を出す意向、

と紹介されています。

今後この動きは一定程度加速しそうですね。


一方で今後に向けた課題も指摘されています。

以下、記事に掲載されていたものを羅列しますと、

1.生徒の学習の負担

 ・日本語DPであっても3分の1の科目群の授業は英語

 ・学習指導要領の内容とともにDPを学ばなければならない

2.教師の養成

 ・物理、数学、芸術は英語で授業をできる教師が必要

3.学校の(財政)負担

 ・DP認定校は国際バカロレア機構に年約1万ドルの支払いが必要

 ・少人数での授業が前提で、教師の増員も求められる

4.国内の大学の姿勢

 ・海外では、DP資格を取得すると、多くの大学に入れる

 ・日本では岡山大、玉川大が少ない実例で、全国には広がっていない

の4つが挙げられています。


新たなことをやろうとすれば当然課題は発生しますが、

何事もそこを乗り越える覚悟と行動で解決していくしかないのでしょうね。

さて御校は国際バカロレア、いかがなさいますか。


(文責:吉田)