人材という経営資源に着眼する大切さを感じます。
日経新聞より。
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この記事の筆者・佐々木聡さんはパーソル総合研究所の上席主任研究員で、
まさに人事のプロと言える方であろう、と捉えました。
佐々木さん曰く、以前の人事部は会社の中枢のエリート集団であったが、
昨今は弱体化し、採用や配置、育成等の機能が現場に移行しつつある、
と指摘したうえで、以下のように述べておられます。
昨今では「戦略人事」という概念が注目されている。人事部が経営への関与を高めたり、事業部門との連携を強めたりして、自社の持続的な成長を支えるのである。パーソル総合研究所が2021年に実施した「人事部大研究」調査によれば、戦略人事が実現できている企業は人事部の企業成長への貢献度が高く、売上高や利益率の成長率も高い。
戦略人事が実現できている、というのは具体的にどういう状態なのか。
このことについて、経営者・人事部に問うた結果が載っており、
回答が多かった順に並べたのが以下の6項目です。
①次世代人材の発掘・育成
②事業部の人的資源の調整・配分
③経営戦略に基づいた人事戦略の策定
④緊密な社内連携
⑤従業員の支援
⑥人事ポリシーの明確化
さて、私学において人事部をお持ちの法人はどのくらいあるでしょうか。
人事委員会という機関をお持ちの法人はあると思いますが、
上記6項目が実現できているケースは稀ではないでしょうか。
学校において教職員は屋台骨の存在ですから、
人事施策は相当程度重視する必要があるのですが…
そしてこの記事には、少々唐突ながら以下のようなことも書かれています。
人的資本経営は海外で先行し、日本でも政府が今夏に人的資本の開示指針をつくる方針。モノやカネといった有形資産にとどまらず、ヒトという無形資産にどれだけの投資をしているのか。開示に前向きな企業に資金が集まる仕組みをつくり、企業競争力の底上げにつなげる狙いだ。
人件費は「費用」という意味合いよりも「投資」という意味合いが
強い支出だと、私は考えています。
その意味で、ヒトという無形資産にどれだけの投資をしているのか、
という上記の指摘はとても大切だと感じます。
貴校園の人件費の中で、投資に当たるお金の使い方は見当たりますか。
それはどのくらいのボリュームでしょうか。
そのような観点で人件費を捉えてみることも大切なのではないでしょうか。
(文責:吉田)