寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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私立高校の学費滞納生、3か月以上の滞納「いる」78%

最近よく耳にする話題、「滞納」。

私が訪問する学校でも以前よりよく話題に上るようになってきたような気がします。

本日はそんな滞納に関する統計をご紹介します。

リセマムより。

 

私立高校の学費滞納生、3か月以上の滞納「いる」78%…最多は兵庫 | リセマム

 

学費を滞納している私立高校生が、わずかながら増えている、と記事は指摘しています。

データを見ると、2009年度以降、年々減少してきていた滞納率が今回上昇に転じていることが分かります。

2010年度は就学支援金制度の施行や都道府県による減免制度拡充があった年であり、その効果もあって滞納率が下がっていたようなのですが…

 

ちなみに、都道府県別データはもっとショッキングで、全国平均と比較して非常に高い数値になっている地域がいくつかあります。

原始資料には過去3カ年の推移が掲載されているのですが、今回数値が高かった自治体でも、昨年や一昨年は非常に低かったケースもあるようで、西日本では京都や岡山が急増していることに驚きを禁じ得ません。

 

また、私立中学における滞納事例も若干増加。

比較的裕福な家庭においても、様々な事情で滞納が発生し、それが経済的理由による中退につながるという例が出ているようです。

 

全国私教連の分析によると、学費納入の困難さを生んだ要因は、「家計収入の影響なども考えられるが、北海道や東北地方の各自治体の制度は、施設設備費などを含めた学費(学納金)補助制度ではなく授業料補助制度であり、生徒の実情に合っていないことなどが考えられる」とのこと。

制度の改善が期待されるところです。

原始資料は以下をご覧ください。

2015年9月末経済的理由による学費滞納・退学調査のまとめ(2015年11月24日記者発表)

 

滞納事例そのものはここ数年で減少傾向である一方、滞納の事案が私の耳にも届いているというのは、それだけ各校が滞納に敏感になった、ということなのかもしれません。

そのこと自体は、経営上決してマイナスではないと私は思います。

 

一般企業の場合、「支払遅延はひとつのクレーム」だと捉えることがあります。

支払いたくても支払えない、という家計の状況はもちろん原因の大きな部分ではありますが、金額に見合った価値を感じてもらえているかどうかを測るバロメーターとしても、滞納という事象を考察してみてもいいのかもしれませんね。