関与させていただいている学校法人さんでは、現在、
賃金制度・給与制度の改正に向けた動きが進んでいます。
2015年からプロジェクトでの検討を開始し、
足掛け3年、この夏に制度改正案の全容がまとまりました。
途中、情勢の変化を受けて軌道修正を図りながらの最終案でしたので、
あとは現場の理解を得て導入、という段まで進んできました。
ところがここが最大の難所。
人件費総額としてはそれほど変化のない改正案ながら、
年代や職種によって当然増減が発生します。
労働組合の方にその説明をしたところ…当然反発されました。
反発の理由も様々。
現時点では導入の見通しが立てられない、という状況です。
詳しいことはブログには書けませんが、
学校経営上、避けては通れないこの制度改正。
今後どのように状況を打開していくか、知恵を絞らねばなりません。
何とかして改正案を通さねば、という想いは、支援する私とて
先方の経営陣各位と同様、強く持っています。
一方で、このような案件に対して、正当に反論する労働組合の存在は、
むしろ必要なことであるとも思います。
何しろ教職員の処遇に影響を及ぼす制度改正なのですから、
労使がしっかりと議論をかみ合わせて、組織の経営状況はもちろん、
教職員個々の生活状況を踏まえながら、望ましい結論を得ていくことは
制度をよりよいするものにするため、納得度の高いものにするためには
とても重要なことです。
ですから私は、両者の相互理解を深めながら、
新制度導入に向けたご支援をよりいっそう頑張る必要があるわけです。
さて先日、労働組合に関する統計資料が発表になりました。
使用者側との労使関係の維持についての認識をみると、「安定的に維持されている」「おおむね安定的に維持されている」が前回調査よりも増加しています。
労使関係は安定的、という組織が圧倒的に多いようですね。
また、組合員数についても前回調査よりは増加度が上がっています。
その理由として「新卒・中途採用の正社員の組合加入」を挙げる割合も上昇。
ちなみに「正社員以外の労働者の組合加入」も率が上がっています。
労働組合の組織率は全体的には下がっているような印象を持っていますが、
直近の調査結果ではその傾向が少し弱まった感があります。
個人的感想の域を出ませんが、私学における労働組合は
まだまだ成熟途上にある、と感じることが多いです。
先ほど書かせていただいた「お互いの議論をかみ合わせて」というのが
大きなポイントであろう、と思います。
経営サイドも組合にきちんと情報提供を行い、
組合サイドも大局的に検討と判断を行い、
相手方の主張に耳を傾けながら、よりよい結論を得ていただきたいと願います。
(文責:吉田)