本日は経済記事を2本ご紹介します。
どちらも日本経済新聞からです。
まず1つめがこちら。
パートの時給18.9円上昇 UAゼンセン、春季交渉中間集計 :日本経済新聞
外食を中心に、労働者不足が深刻な業界もいくつか見られる近時の労働市場ですが、その背景もあってか、時給労働者の単価がかなり上がっているようです。
この記事にあるUAゼンセンは、「繊維・衣料、医薬・化粧品、化学・エネルギー、窯業・建材、食品、流通、印刷、レジャー・サービス、福祉・医療産業、派遣業・業務請負業など、国民生活に関連する産業の労働者が結集して組織した産業別労働組合」で、「組織現勢は、1,518,300名、2,474組合(2014年9月現在)」であると、UAゼンセンHPには記載されています。
その組合がまとめた2015年春季労使交渉の中間結果では、パート組合員の時給引き上げ額(加重平均)は18.9円で、2000年以降で過去最高。前年比でも6.2円と大幅増です。
UAゼンセンの書記長は「正社員よりパート組合員の上昇率が高い。人手不足もあり経営側は上げざるを得ない状況だ」とコメントしています。
私学においても経営安定化のために非常勤教職員の活用を想定されているケースが多いように思いますが、これからしばらくは非常勤教職員の単価について注視が必要かもしれませんね。
もうひとつはこちら。
3年後の業況、中小の46%「良くなる」 日本公庫調査 :日本経済新聞
表題だけ見れば景気のいいニュースなのですが、中身を見るとそうは言い切れない要素もあります。
日本政策金融公庫がまとめた業況調査(2014年12月中旬実施、11,273社が回答)で、3年後の業況見通しが「良くなる」と回答した割合は以下の通りとなっています。
・従業員20人以上の中小企業:46.8%
・従業員20人未満の小企業:25.2%
ちなみに、同じ質問で「悪くなる」と回答したのは前者が17.7%、後者が38.6%となっています。
そして、業況がどんな要素で影響を受けるかという質問においては、
・中小企業:原材料価格の動向(53.9%)、雇用情勢、人材確保(42.1%)、消費税率の引き上げ(36.4%)
・小企業:消費税率の引き上げ(60.9%)、原材料価格の動向(50.8%)、人口減少、高齢化(42.3%)
となっています。
どちらも「ひと」「もの」「かね」の要素がきれいに並んだ結果となっています。
私学でもこの経営の3要素は今後を見通すうえで非常に重要な着眼点になると思いますので、今回の結果を参考に、事業計画の実現可能性を高めていただきたいと思います。
以上、本日は経済ニュースをお届けいたしました。