寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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時間割の工夫

東京都江東区は5日、区立小学校4年生の担任教諭の男性(35)が、昨年度実施した副教材のテスト72回(国語、算数、社会、理科)のうち、49回分を児童に返却していなかったと発表した。うち41回分は採点もしていなかった。教諭は「忙しくて採点を後回しにした」と話しているという。

 テストは保護者が費用を負担して購入したワークテスト。区教育委員会は、テストの成績が通知表に適切に反映されていなかったとして、児童や保護者に謝罪することを決め、新たに通知表を渡すという。

 

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小学校で起こった非常に残念なニュースですが、当該教諭の「忙しくて・・・」という証言を信用するならば、やはり教員には相当な負担が掛かっているということが言えそうです。

 

そんな残念なニュースがある一方、福岡県の小学校では時間割を工夫することで少しでも教員の労働にゆとりを増やす試みが行われています。

 

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午前中の授業を4時限から5時限に増やす小学校が増えている。福岡市では2016年度までに約2割が実施しており、新学期から少なくとも4校が導入。福岡県うきは市でも取り入れる学校がある。各時限の合間の休み時間を一部ゼロにし、登校時刻も前倒しして児童と教員に放課後のゆとりを生み出す。2020年度の新学習指導要領に伴う授業時間増にも備える。

「先生たちの働き方改革なんです」。本年度から午前中5時限にする愛宕浜小(福岡市西区)。森宏介校長(59)は打ち明ける。

 小学校は1時限(1こま)が45分間。毎朝午前8時半から読書などに充てていた「朝タイム」を「朝の会」に改め、10分前倒し。合間の休み時間(昼休みなどを除く)も0~5分にする。「実際はトイレ休憩や体育の着替えの時間を随時取ることになる」(森校長)見通しだが、6時限まである日の下校時刻は25分早まる計算だ。

 授業自体は勤務時間内に終えても、その準備や保護者対応で残業が常態化している教員たち。森校長は「わずかでも勤務時間内に教材に目を通す時間を増やしたかった」と狙いを語る。

 

教員の長時間労働は大きな問題になっており、改善は待ったなしの状況です。そのような状況の中で、時間割の組み方を工夫することにより少しでも状況が改善されるのであればとても素晴らしいことだと思います。

 

長年放置(黙認)され続けてきた問題の改善に着手する場合、「そんなのどうせ改善できないに決まってるよ・・・」とか「もし失敗して状況がより酷くなったり混乱したらどうするんだ」という意見が出がちですが、やってみないことには結果はわかりません。また、たとえ想定していたような良い結果に繋がらなかったとしても、何もせずに状況が変わらないことに比べればよっぽど得るものは大きいのではないかと思います。

 

教員の長時間労働の改善に向けて、福岡県の小学校の取り組みが良い結果に繋がることを願うのはもちろんですが、これまでの学校の慣例や常識にとらわれないような改善策がどんどん現場から生まれてくることを強く願っております。

 

(文責:木村)

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