先日の日経新聞で、数回の連載がなされた、その名も
「やっぱり変だよ、日本の教育」。
本日と明日のブログで記事を採り上げてみようと思います。
まずは民間出身者の登用についてです。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
記事に登場するのは、私立福岡雙葉高校で英語を教える長村裕教諭、41歳。
教員免許がなくても教壇に立てる「特別免許」制度を利用して、
7年前に民間から転身されたそうです。
教育のデジタル化が今ほど注目される前から、
タブレット端末や電子黒板を駆使する長村先生。
福岡県飯塚市立中で教えた学年は、県学力テストの英語の平均点を
10点超上回ったとのこと。
「フットワークが軽く、色々なことに挑戦できるのが民間出身の強み」
と長村先生ご自身が語っておられます。
活躍が期待されるこういった特別免許の教員ですが、
1988年に創設されて以降、特別免許の授与件数は2020年度時点で
全国でたったの237件。一般の教員免許の0.1%にすぎません。
本当に教員不足なの?と言いたくなるような実情です。
背景には採用を担う教育委員会の消極姿勢がある。21年の文部科学省の調査では特別免許の認定基準をウェブサイトで公表する都道府県教委は6つだけだった。
元小学校校長の70代女性は「学校は前例踏襲になりがちな組織。新風を入れるより教育現場をよく知る人の方が無難という思いは、教委にも教職員にも強い」と語る。言葉の裏に、閉じた安定が崩れるのを恐れるムラ社会の警戒心がにじむ。
もし上の引用文が現実を示しているのであれば、
そこに子どもたちのよりよい育ちという観点が
完全に抜け落ちているのは明らかです。
教職員側の理屈で子どもたちの機会を奪うことがあってはなりません。
公立校が槍玉に挙がっていますが、貴校園ではどうなのか、
今一度確認しておいていただければと思います。
ちなみに、この記事によれば、2000年に制度化された
「民間人校長」についても、2018年4月時点の民間出身の公立学校の校長は
全国に64人。ピークだった2015年(109人)から42%減っています。
しかも文科省は2019年以降、人数の集計そのものをやめてしまいました。
一方で、茨城県教委は2019年から県立中高一貫校で経験不問の校長公募を再開。
2021年度は5人の募集に1673人の応募がありました。
民間人の教育機関へ関心はとても高いものがあることが立証された、
と言えるのではないでしょうか。
(文責:吉田)