寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

ストレスチェック制度が目指すもの

8月の弊社セミナーでも触れましたが、

ストレスチェック制度が従業員50人以上の事業所で

対応が必要になります。

 

詳しい内容は、以下のサイトをご覧ください。

 

www.mhlw.go.jp

 

誤解されている方もいらっしゃるみたいですので、

この制度が目指すものを改めて書いてみたいと思います。

 

まずは、「働き手自身が、現在のストレス状態を自覚してもらう」

ことが最重要です。

本人の性格にもよりますが、あまり自覚がなくても「高ストレス状態」に

あるかもしれませんし、「ストレスがかかっているな。」と考えている方が

いたとしても、客観的に判断できる機会がなかったため、そのままに放置し

知らず知らずのうちに体調を崩してしまう、といったことを防ぐことが

目的になっています。

 

そして、職場全体で(個人を特定せず)「高ストレス状態」にある方が

どれくらいいるのかを把握し、その上でメンタルヘルス対策を

打てるようにするのです。

 

ここで大事なのは

「職場の中で、誰が高ストレス状態」になっているのかを特定することは

目的ではありません。

 

ここでよくでる疑問が、

「誰が高ストレス状態」か分かった方が、個別対応できるのに・・・。

 

というものです。

一見個人を特定した方が、ケアしやすいようにも見えますが、

「高ストレス状態」の方が全て「メンタルヘルス不調」になるわけでもありません。

制度が危惧しているのは、

「高ストレス状態」にある人を特別扱いすることをなのです。

もっと具体的に言うと「排除する」ことを恐れているのです。

 

自分自身のために「チェックシートを記入」したのに、

その結果退職に追い込まれる危険性があるなら、

誰しも正直に記入しませんよね?

 

学校としては、生徒のメンタルケアも大事な仕事ではありますが、

教職員のメンタルケアも同じくらいに大事だと認識して欲しいのです。

 

仮に「高ストレス状態」にある教職員が一定数出たとしたら

その学校が持つ「組織風土に問題があるのかも?」と考えてください。

 

 

一般的にメンタルヘルス対策では、「セルフケア」と「ラインケア」が

重要だと言われています。

 

セルフケアは、自分のストレス状態を知り、ストレス解消法を学ぶことにより

ストレスをためにくい状態を作ることを主眼としています。

 

これに対し、ラインケアは職場全体で働いている方がストレスを感じにくい

環境づくりをすることに主眼を置いています。

 

ただ、いくらセルフケアを充実させても、職場が高ストレス状態にあれば

根本的な解決になりません。

 

簡単なことですが、

・教職員間のコミュニケーションがうまく機能しているか?

・セクハラやパワハラなどの行為が行われていないか?

・「いつもと違う」と感じたら、声をかけることができるか?

・何より周りのことを気にかける組織になっているか?

 

あたりの視点で、今の学校を見てください。

 

どこかに「?」マークがつくなら

そこから改善するようにしてください。

 

 

(文責:竹内)