本日は文部科学省HPより、こんな記事をご紹介します。
これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について(中間まとめ):文部科学省
以前から注目してきたこの審議。
その中間まとめが発表されました。
上記リンクに飛んでいただくと、中間まとめの概要と中間まとめそのものが掲載されています。
まだ内容を十分読めたわけではありませんが、正直な感想を言えば、現時点でのまとめは「課題のまとめ」であり、何らかの具体的な方策が示されたとは思えません。
ただ、課題のまとめ自体は学校経営、教員育成に有用なものであるように感じます。
以下、その概要を抜粋します。(太字は筆者によるものです)
<全般>
○ 教員の養成・採用・研修の一体的改革のため、大学等と教育委員会の連携を図るべく、国、教育委員会、国公私を通じた教職大学院、大学、学校等の位置付けなどを明確化した具体的な制度的枠組みが必要。
○ この際、幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等の特徴や違いを踏まえ、制度設計を進めていくことが重要。
○ 新たな教育課題(アクティブ・ラーニングの充実、ICTを用いた指導法、道徳、英語、特別支援教育など)に対応した研修・養成が必要。<研修>
○ 教員研修の機会を確保するため、学校における業務の精選や効率化、教職員の役割分担の見直し、チームとしての学校の力の向上やそのための条件整備が必要。
○ 講義形式の研修からより主体的・協働的な学びの要素を含んだアクティブ・ラーニング型研修への転換。
○ 新たな教育課題に対応した研修プログラムの開発と全国的な普及、研修指導者の育成、教育センターや学校内での研修体制の充実が必要。
○ 初任者研修・十年経験者研修については、実施状況や教育委員会・学校現場のニーズを把握し、より効果的な研修となるよう制度や運用の見直しが必要。
○(独)教員研修センターの役割の在り方を検討することが必要。
<採用>
○ 採用時に求める教員像の明確化、選考方法の工夫が必要。
○ 多様で多面的な選考方法のためにも、各教育委員会が実施する採用選考試験への支援方策が必要。
○ 計画的採用による学校内における年齢構成の不均衡の是正が必要。
<養成>
○ 養成段階は「教員となる際に必要な最低限の基礎的・基盤的な学修」を行う段階との認識が必要。
○ 実践的指導力の基礎の育成、教職課程の学生が自らの教員としての適性を考える機会として、学校現場や教職に関する実際を体験させる機会の充実が必要。
○ 教職課程の質の保証・向上のため、事後評価の実施や全学的に教職課程を統括する組織整備の促進が必要。<免許>
○ 学校種横断的な免許状の創設等の必要性を指摘する意見がある一方、当該免許状の有効性への疑問や免許状制度の一層の複雑化、学生や大学への負担増加等の課題も指摘。
○ 義務教育学校制度の創設や学校現場における多様な人材の確保への対応としての免許制度の改善が必要。
公立校を前提にした内容ですので、私学単体では該当しない内容もありますが、太字部分は各私学においても教員育成の着眼点として重要なものであろうと考えます。
また、「教員の資質能力の向上」という大テーマの下に「研修」「採用」「養成」「免許」という4つのテーマを置いて、それぞれについて検討するという整理も私たちに役立つように思います。
「完成度の高い人材」を採用することを目指しつつ、私学ではその一方で「御校ならではの校風と方向性を理解する人材」を育てることが必須です。
この審議、もうしばらく注目していこうと思っています。