大学入試制度改革に関する記事が目白押しの昨今。
ここ数日でもいくつか出ておりましたので、今日はその中から3本をご紹介しましょう。
まずは日本経済新聞より。
(会員限定記事となっております。ご容赦ください)
大学入試を一発勝負にしないための方策として実施されるこの「高等学校基礎学力テスト」は、2019年度から導入予定になっています。
高校段階の基礎学力の定着度を測るこのテストの骨格が固まりつつあるようです。
概要は以下の通り。
・対象教科:国語・数学・英語(「国語総合」「数学1」「コミュニケーション英語1」)
・受験対象者:高校2・3年が、生徒の希望または学校単位で参加
・受験頻度:夏と秋(年2回)
・結果の活用:高校での指導改善に生かすほか、高3時の結果を参考資料として推薦入試などの際の調査書に記載
・成績評価:10段階以上で表示
・検定料:1回当たり数千円。低所得層向けの支援策も
なお、上記は現段階ではすべて未確定ですので、ご注意くださいね。
大学入試改革の具体策を議論する「高大接続システム改革会議」は今夏に中間まとめを出し、年内に最終報告をまとめる予定となっています。
教育内容を左右する可能性があるだけに、各校とも目を離せないところでしょう。
次は朝日新聞の記事。
大学新入試の記述式拡充、コンピューターによる採点も:朝日新聞デジタル
(こちらも会員限定記事となっております。ご容赦ください)
記述式の試験をコンピューターが採点するという、個人的には結構驚いた記事です。
2020年度実施予定の新たな大学入試で、記述式問題についてコンピューターによる採点支援が検討されている、というこのニュース。
記述式には採点に時間がかかるため、新制度では採点の手間がひとつの懸念材料に挙がっていたのは事実です。
文科省によると、例えば正解に必要な単語の有無をコンピューターが判断する、という方法が模索されているそうですが、本当に大丈夫なのかな、と個人的には不安も感じてしまいます。
ですがこの記事の末尾に書かれた文章を読んで妙に納得。以下、引用しておきます。
そもそも、人が採点する場合でも、点数の付け方が異なるという心配はある。文科省は統一的な採点基準づくりや、採点者が研修を受けられるような態勢整備などに取り組むとともに、こうした懸念に早めに応えていく必要がある。
本日最後の記事はリセマムより。
【AO入試の基礎1】今や「一般入試」よりも多いAO入試と推薦入試 | リセマム
こちらは一般保護者あるいは受験生向けの記事になっているのですが、AO入試についてまとめてくれているので引いてみました。
2015年の文科省「国公私立大学入学者選抜実施状況調査」によれば、「一般入試」を受験して入学した学生は、大学入学者全体の5割強(56.6%)に過ぎない(国立大学で84.4%、公立大学73.2%、私立大学49.6%)とのこと。
逆に、近時多くの学生が利用するようになった入試がAO入試や推薦入試。
いずれかによる大学入学者は、全体で42.9%(国立大学14.8%、公立大学26.1%、私立大学49.9%)にのぼるとのデータが示されています。
そしてAO入試をはじめとする、一般入試以外の入試制度について定義が書かれていますので、以下引用させていただきます。
・ AO入試:書類と面接などにより、成績、適正、意欲、興味・関心などを総合的に判断し、合否を決定する入試
・ 指定校推薦:大学が指定した高校ごとに割り振られている推薦枠で、高校によって推薦された生徒はほとんどの場合、合格することができる。
・ 公募制推薦:大学ごとに一定の条件(評定や特別活動での顕著な実績など)を満たした生徒が受験できる制度。条件を満たせば受験はできるが、さまざまな選抜があり、確実に合格できるわけではない。
・ 自己推薦:公募制の推薦と比べると応募のハードルが低く、かなり多くの生徒が受験できる制度。実質的にはAO入試とそう変わらず、書類と面接などによって合否が決まる。受験時期はAOの方が早い。
学校関係者の皆さんはすでにご存じのことかもしれませんが、私の覚書ということも含めてここに記載しておきます。
以上、本日は大学入試関連の記事をまとめてお届けしました。