寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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平成24年度学校における教育の情報化の実施等に関する調査結果

今日は文部科学省HPより、「教育の情報化」に関する調査結果を採り上げます。


平成24年度学校における教育の情報化の実施等に関する調査結果


ちなみに、調査結果そのものはこちらに掲載されています。

平成24年度学校における教育の情報化に関する調査結果

サマリーが掲載されているのかと思ったら、それはどうやらないようですので、こちらで独自にまとめてみました。

なお、調査対象は公立校になっていますので、その点ご留意いただければと思います。


この調査は大項目として「学校におけるICT環境の整備状況の推移」「教員のICT活用指導力」の2本立てになっています。

そして、それぞれにいくつかの調査項目が設けられているのですが、以下その要旨のみをピックアップしてみます。


【学校におけるICT環境の整備状況】

○ 学校におけるICT環境の整備状況の推移

 ①教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数…1台当たり6.5人。前年調査よりちょっとだけ改善。

 ②教員の校務用コンピュータの整備率…108.1%。前年より5.3ポイント上昇。

 ③普通教室の校内LAN整備率…84.4%。前年より0.8ポイント上昇。

 ④超高速インターネット接続率…75.4%。前年より4.1ポイント上昇。

 ⑤電子黒板の整備状況…約72千台。前年比約8千台増加。

 ⑥実物投影機の整備状況…約141千台。前年比約15千台増加。

都道府県別のICT環境の整備状況

 ①教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数…鹿児島県が4.5人/台と最高。近畿では和歌山県が最高で、奈良県が低迷。

 ②教員の校務用コンピュータ整備率…島根県が最高。奈良県は66.4%と全国最低。

 ③普通教室の校内LAN整備率…岐阜県が最高。近畿では大阪・兵庫が高く、奈良・和歌山が低くなっています。

 ④超高速インターネット接続率…京都府が全国最高で、近畿圏は軒並み全国平均を大きく上回っています。

 ⑤電子黒板のある学校の割合…佐賀が一気に数字を伸ばし全国最高に。近畿は奈良を除き全国平均を上回っています。

 ⑥デジタル教科書の整備状況…福井県が59.9%で全国最高。全国平均は32.5%。

 ⑦校務支援システムのある学校の割合…前年度は全国最低レベルだった大阪と奈良がその率を大きく伸ばしました。


【教員のICT活用指導力】

○ 教員のICT活用指導力の推移

 …5つの能力が併記されているのですが、いずれも前年比1~2ポイント程度上昇しています。

○ 研修の受講状況(全校種)

 …ICT関連研修の受講実績としては、受講した割合が約28%となっています。都道府県別に見れば佐賀県が98.2%と突出しており、近畿では大阪府滋賀県が高くなっています。

以上が大まかな結果になっています。


総じて、公立校のICT環境は改善してきており、特に電子黒板やデジタル教科書などの普及は進んできているように感じました。

そして、肝心のソフト面である教員各位の能力アップについても着実に進んでいる印象です。

以前電子黒板の授業を拝見したことがあるのですが、やはり生徒さんの食いつき方は通常の黒板とは違うように感じました。

単なるツールですので使い方によるとは思いますが、早めにこれらの道具に慣れておくことは大切なことなのかもしれません。


ちなみに今回ご紹介した報告書には、参考資料として「教員のICT活用指導力チェックリスト」というものが付いていました。こちらの資料の末尾にありますので、ご興味のある方はどうぞご覧ください。


(文責:吉田)