本日は学校の情報化に関する実態調査の結果をお届けします。
昨年度もご報告したかもしれませんね。
文科省HPより。
平成27年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果:文部科学省
まずは調査の概要をチェックしておきましょう。
主な調査項目は「学校におけるICT環境の整備状況」「教員のICT活用指導力」。
調査対象は全国の全公立学校(小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校)。私学は対象に含まれていません。
そして調査基準日は平成28年3月1日現在。昨年度末ごろの状況ということですね。
では調査結果のポイントを見ていきましょう。
結果の速報値を私なりにまとめて記載することとします。
まずはICT環境の整備状況について。
○ 教育用コンピュータの設置が進展
・特にタブレット型コンピュータ台数はこの2年で3.5倍に
○ 普通教室にもLAN環境がほぼ整備された
・超高速インターネット接続率も約84%に
○ 電子黒板も徐々に増加しているが、普通教室における整備率は約22%とまだ低い
○ 校務用コンピュータも整備が進んでいる
・校務支援システムも整備が進んでいるが統合型は4割程度、クラウドコンピューティングも4割弱
校務支援システムをクラウド型にされているケースがすでに4割あるのですね。
今や学校においてICT環境は完全に「原則」的な存在へと変わったと言えそうです。
ただ一方で都道府県ごとの格差は大きくなっています。
佐賀県が突出している状況には変わりありませんが、整備率が低くとどまっている自治体がそれほど伸びていないことにも何か理由があるのかもしれません。
御校が所在する自治体の整備状況について、ぜひチェックしてみてください。
続いて教員のICT活用指導力について。
○ ここ10年間でICT活用指導力は項目ごとに10~18ポイント程度伸びた。
(以下、各項目で「わりにできる」「ややできる」と回答した割合)
・「教材研究等にICTを活用する能力」…69.4%→83.2%(5項目中最高)
・「授業中にICTを活用して指導する能力」…52.6%→73.5%
・「児童のICT活用を指導する能力」…56.3%→66.2%(5項目中最低、伸び最小)
・「情報モラルなどを指導する能力」…62.7%→78.9%
・「校務にICTを活用する能力」…61.8%→79.4%(伸び最大)
○ ICT活用指導力に関する研修を平成27年度中に受講した割合は約4割
ICTはいくら環境整備が進んでも、それを使いこなさなければその意味が半減あるいはなくなってしまいます。
先ほどの調査結果同様、都道府県ごとのばらつきも無視できません。
やはり力の入れ方には相当の差があるとみるべきなのでしょうか。
さて翻って私学、御校の場合。
ICTの環境整備、そして教員がそれを使いこなす技術はいかがでしょうか。
公立校がそうであるように、いやそれ以上に、私学ごとには差があるのかもしれません。
もちろん、これらへの注力度は御校におけるICT活用の優先度、重要度に直結しています。
時流に乗ることばかりでなく、御校なりにICTとどう向き合うかということについてしっかりと考察していただき、あくまでも子供たちの学習環境の観点から、望ましい方策を実行していただければと思います。
(文責:吉田)