そろそろ年度末。
進学率や就職率が気になる時期ですね。
というわけで、本日は就職率の話題をお届けします。
まずは高卒予定者の内定状況について、文科省HPより。
平成29年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況(平成28年12月末現在)に関する調査について:文部科学省
国立、公立、私立の高等学校(全日制・定時制)を対象としたこの調査。
リンク先ページに記された「調査結果の概要」を見ておきましょう。
(1)就職内定率(全体)
就職内定率(就職希望者に対する就職内定者の割合)は、90.9%で、前年同期から0.9ポイント上昇。
※12月末時点における就職内定率としては、7年連続で前年同期を上回った。(2)男女別
男子:92.0%(前年同期比 0.5ポイント増)
女子:89.2%(前年同期比 1.4ポイント増)(3)学科別
就職内定率の高い順に、「工業」96.6%、「情報」94.4%、「商業」94.1%、「農業」93.3%、「福祉」92.8%、 「水産」91.6%、「家庭」90.3%、「総合学科」89.9%、「看護」89.0%、「普通」84.7%
※「その他」の学科は除く。また、「看護」に関する学科は看護師5年一貫課程が主となるため、5年課程5年次 の就職内定率を示している。(4)都道府県別
内定率の高い県:富山県 97.2%、福井県 96.0%、秋田県 95.8%、岩手県 95.6%、島根県 95.5%
内定率の低い県:沖縄県 67.0%、東京都 82.9%、神奈川県 83.8%、大阪府 84.9%、高知県 85.9%(5)被災3県の就職内定率
岩手県 95.6%(前年同期比 0.2ポイント増)
宮城県 92.4%(前年同期比 1.4ポイント増)
福島県 95.4%(前年同期比 0.4ポイント減)
より詳細なPDFデータも同じページに付いているのですが、ここのところの就職率の上昇はグラフで見るとなおのこと明らかです。
ただそれでも、都道府県別にみると下落している地域もあります。
ちなみにわがふるさと富山県は、内定率の高い県として上記にも登場していますが、前年同期比ではその率は下がっています。
そして、就職先が県内・県外の別も掲載されていますが、例えば東京では圧倒的多数が県内就職であるのに対し、宮崎県では両者の数字は似通っているなど、就職環境の違いも見て取れます。
全員が希望の就職を果たせることを願いたいと思います。
もうひとつ文科省より、こちらも学校関係者には大いに気になる記事でしょう。
国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)の平成28年3月卒業者の就職状況等に係る報道発表資料の訂正について:文部科学省
訂正記事ですが、ここには調査結果自体も掲載されています。
教員就職率は定義上、2種類があるようですが、以下の通り、いずれの率も下がっています。
・教員就職率(卒業者から進学者及び保育士を除く)67.4%(前年比1.3ポイント減少)
・教員就職率(卒業者のうち教員就職者)58.9%(前年比1.6ポイント減少)
実は教員養成大学の卒業生自体は前年より165人増加しています。
その中で教員就職率が減っているということは…
そうです、他に流れているのです。
大学院進学者が93人増加しているのはさておいたとしても、教員や保育士以外の就職は147人増。率にすると6.7%も増えています。
教員就職者数は73人の減少ですから、看過できない状況です。
昨日の日経新聞には、各大学が若手研究者の育成に励みだしたという記事が掲載されていました。
教育機関は、教員なしには成立しません。
教員そのものの育成に本腰を入れるべき時がやってきたのではないでしょうか。
(文責:吉田)