デジタル教科書を正式な教科書とする方向が固まりました。
貴校園ではその準備は進んでいますか。日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
この記事は、教育分野ではよくお名前を拝見する、
中丸氏は、デジタル教科書活用について
「重要なのは授業全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めること」
と冒頭で述べられています。
中央教育審議会の作業部会は先般、
デジタルを正式な教科書とする中間まとめを出しました。
ご承知の通り、すでにデジタル教科書の提供は始まっているのですが、
これが正式な教科書になれば、デジタルベースで設計し、
音声や動画、図形の操作や問題の自動採点といった
紙にない機能をフル活用して、各教科の内容を伝えられます。
当然、小中学校などでは無償提供の対象にもなります。
目新しいのはハイブリッドだ。一つの教科書を紙とデジタルで構成する。中間まとめは英語なら長文は紙部分、単語や文の発音練習はデジタル部分に納めるといった例を示した。紙・デジタルそれぞれの長所を生かす発想は分かるが、ならばデジタル教科書と紙の副教材(あるいは逆)の併用でよい気もする。分かりやすい見本を示してほしい。
今後、そのスピードこそ予測が難しいものの、
デジタル教科書の普及は進んでいくことでしょう。
その中で必要なことは授業全体のDXである、との筆者の指摘と
現状にはやや隔たりがあるようで、記事にはこう書かれています。
英語はデジタル教科書の活用が期待される教科の一つだが、現状は心もとない。神田外語大の田中真紀子教授(英語教育学)は「小学校ではデジタル教材の音声を流すだけで終わってしまう問題が起きている」と話す。
(中略)
元小学校長で学校のデジタル化に詳しい倉沢昭・放送大学客員准教授も「現場は学習端末の日常的な活用ができていない。個別最適で協働的な学びが少ない」と言う。
(中略)
24年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果では「子ども同士がやりとりをする場面」でほぼ毎日、端末を使っている学校は小中とも2割足らず。「自分の理解度などに合わせて課題に取り組む場面」でも同様だ。ここでも教員の能力開発がカギになる。
紙とデジタル、どちらが優れているのか、
という論争もやや激しくなってきている感もあります。
諸外国の対応も分かれています。
そのような中で、日本は、そして日本の私学は、
どのような選択をすべきなのでしょうか。
検討するにあたり、中丸氏の次のコメントは私も共感するところです。
そして、国の政策としてだけでなく、
各私学が考えるべきポイントもそこにあるのではないかと感じます。
子どものデジタルネーティブ化は進んでいる。教科書を含むデジタル学習ツールも進歩していく。動的な環境の中では「証拠が足りない」と立ちすくむのではなく、学力の動向や発達への影響を慎重に検証しながら責任あるPDCA(計画・実行・評価・改善)を回していくのが教育政策の一つのあり方ではないか。
(中略)
紙文化の衰退は顕著で、読書指導の強化が要る。国語は紙の教科書を使う判断もあってよいだろう。読み書きを紙でするのとデジタルでするのは異なる学習プロセスだという見方もある。成長にはおそらく、その両方が必要だ。
各校園には、子どもたちの教育環境の最善を目指す、
という姿勢を大切にしていただきたいと思います。
その視座から、活用する教材が絞り込まれていくことを願ってもいます。
(文責:吉田)