先日、人口統計で東京への偏在を採り上げました。
その後、中高一貫校の存在が東京一極集中という傾向をさらに強めてしまうのでは、
という興味深い記事が掲載されましたので、
弊社夏季休業前、最後のブログとして採り上げたいと思います。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
夏休みにかけて中学生向けの高校説明会が本格化する中、首都圏で高校受験の選択肢が狭まりつつある。東京都立の中高一貫校のうち高校から入れる両国高校など5校が応募が少ないとして2~3年後に高校募集をやめる。「十五の春は泣かせない」と公立高校の門戸を広げた蜷川虎三京都府知事の母校は今の両国高校。様変わりする高校入試をどうみるだろうか。
東京都立の中高一貫校が高校からの募集を停止することは
以前のこのブログでも採り上げました。
この傾向は都内の私学でも同様であり、
他地域では少々信じがたい「中学受験の活性化」が
現実のものになりつつあるようです。
この中高一貫校が東京一極集中を加速させる一因との見方が政府内にある。東京から地方への移動で減っているのが子どもたちと若い女性だ。親が地方に転勤しても子どもが小学生だと中学受験に備えてついてこない。共働きの妻には仕事があり、子育て環境の改善で乳幼児も東京に残せる。
なるほど、子どもが小学生のうちなら転居もOK、
と考えていた各家庭がそうでなくなる、という意味では
記事が指摘するような可能性はあるのかもしれませんね。
ただ、親の転勤そのものも減少していくのでは、
という見方もありますので、
東京一極集中に対する中高一貫校のあり方を考えることは
優先順位が高いことなのかどうか、慎重に考えねばならないように思います。
一方で、地方での教育環境を求めて移住や転居を検討するご家庭も
出てきているのが現状です。
都内では地方公立高校が募集行事を展開されているそうで、
その様子が記事にも書かれています。
都内での地方公立高校の募集行事は盛況だ。鹿児島の奄美大島から参加した古仁屋高校の福壽恵子教諭は「島で過ごしてみたいという中学生は予想以上に多い。親の説得材料を求める子もいる」とたくましさに目を細める。多様な価値観に触れることを大切に考える子どもたちが増えているのは心強い。
国内でもボーダーレスが進んでいくのでしょうか。
せめて心の中のボーダーは消えていきますように、と願いつつ…
それでは皆様、よいお盆休みをお過ごしください。
(文責:吉田)