中央教育審議会大学分科会では、「将来構想部会」という名称の会議が
継続的に開催されています。
そして、先月25日に開催された会議の資料が以下にアップされておりました。
この中にはこんな資料がありました。
大学の数が多すぎる、という意見が一方にあるわけですが、
アメリカの大学数や大学生数は、人口規模との比較においては
群を抜いて多いように見えます。
(パートタイムの学生を含む、とある点に留意が必要です)
日本も人口との比較では大学数は多めですが、
在学者数という基準で見れば、国際的に多いというわけではなさそうです。
そしてこの資料に続けてこんな資料も掲載されていました。
ほう、私立の割合が高い、と。
これは何を言いたい資料なんでしょうかね…?
各国における学校制度は成り立ちがさまざまです。
よって国公私立のバランスは相当留意して国際比較を行うべきであろう、
とも思います。
今回の資料には私学の役割について過去に議論された内容も記載されているのですが、
そこにはこんなことが書かれています。
平成 17 年 1 月 28 日 中央教育審議会
「我が国の高等教育の将来像 (答申)」(抜粋)
私立大学については、(中略)各大学の建学の精神を生かした独自の校風による教育・研究の実施は、多様性に富んだ個性豊かな人材の育成や、多様な知的価値の創造等を通して、我が国のあらゆる面での発展を支えてきている。
(中略)各大学が、未来社会の創造に向けての様々な要請にこたえつつ、活力ある多様な人材の育成、基礎から応用にわたる多様な先端的・独創的研究、地域社会から国際社会にわたる未来社会の発展に資する多様な活動等の諸機能の強化に努める中で、例えば、世界的研究・教育拠点の形成や高度専門職業人の養成に力点を置くもの、総合的教養教育や芸術・体育等の専門的分野に軸足を置くもの、地域貢献や国際交流等に力を注ぐものなど、全体として多様な発展を遂げていくことが重要である。
平成 10 年 10 月 26 日 大学審議会
「21 世紀の大学像と今後の改革方策について~競争的環境の中で個性が輝く大学~(答申)」(抜粋)
私立大学は、(中略)各私立大学における建学の精神を生かした独自の校風による教育研究の実施は、多様性に富んだ個性豊かな優れた人材を育成し、我が国のあらゆる面における発展を支えている。また、近年、国際化・情報化・社会の成熟化などが進む中で、社会や国民の多様化・高度化する要請に応じた特色ある教育研究の展開が強く求められているが、この点においても、それぞれの建学の精神に基づく個性豊かな教育研究活動を積極的に展開している私立大学の果たす役割は大きなものとなっている。
税収に限りがある以上、学校数の議論は避けて通れないでしょう。
ただ、学校数の議論は各学校の役割や教育内容とともに議論されるべきものです。
未来に向けた適切な規模と学校数の議論が成熟していくことを望みます。
(文責:吉田)