寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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新規学卒者の離職状況

連休後の火曜日。いかがお迎えでしょうか。

ちょっと気が重くなりそうなニュースで恐縮ですが、本日は新卒の離職に関する情報をお伝えしようと思います。

厚生労働省HPより。

 

新規学卒者の離職状況(平成24年3月卒業者の状況) |報道発表資料|厚生労働省

 

まずはHPに掲載されているデータを引用しておきましょう。

なお、( )内は前年比増減を示しています。

【新規学卒者の卒業後3年以内離職率
○ 大学   32.3%(▲0.1ポイント) 
○ 短大等 41.5%(+0.3ポイント) 
○ 高校   40.0%(+0.4ポイント) 
○ 中学   65.3%(+0.5ポイント)

事業所規模別卒業後3年以内離職率】大学/ 高校の順に掲載
・1,000人以上 22.8% (前年同)/ 21.6% (+1.6P)
・500~999人 29.3% (+0.6P)/ 29.5% (+1.3P)
・100~499人 32.2% (+0.1P)/ 37.0% (+0.2P)
・30~99人 39.0% (▲0.6P)/ 47.3% (+0.1P)
・5~29人 51.5% (+0.1P)/ 57.8% (▲0.4P)
・5人未満 59.6% (▲0.8P)/ 68.4% (+0.8P)

【産業別卒業後3年以内離職率のうち離職率の高い上位5産業】大学/ 高校の順に掲載
・宿泊業・飲食サービス業  53.2% (+0.9P)…大学1位/ 66.2% (▲0.7P)…高校1位
・生活関連サービス業・娯楽業  48.2% (▲0.4P)…大学2位/ 61.1% (▲1.5P)…高校2位
・教育・学習支援業  47.6% (▲0.9P)…大学3位/ 59.8% (▲5.9P)…高校3位
・サービス業(他に分類されないもの)  39.1% (+0.9P)…大学4位

・小売業  38.5% (▲0.9P)…大学5位/ 51.9% (▲1.4P)…高校4位

・建設業 50.0% (+1.5P)…高校5位

企業規模が大きくなるほど離職率は低くなっていますが、前年との比較では企業規模が大きくてもその割合が増加しているケースもありますね。

そしてもっと細かいデータを見ていくと、業種によってかなり大きな差があることも分かります。 

宿泊・飲食は半数以上が3年以内に辞めてしまうというデータになっていますので、かなり深刻な状況です。

 

また、掲載された資料の中に、こんな記述がありました。

内定率が低い時に卒業した者の3年以内離職率は高くなる傾向がある。

確かに、グラフを見ると内定率と離職率はちょうど逆の動きをしているのがよく分かります。

内定率が低い、ということは厳しい就職環境だったということで、その中をかいくぐったのだから離職はむしろしないのではないか、とも思ってしまうのですが、希望通りの就職ができなかったために早めに見限ってしまうという現象がこの傾向に現れているのかもしれませんね。

 

自分自身の経験も踏まえると、これだけ離職が多く発生する理由のひとつに、職業に就く前と就いた後のイメージに開きがありすぎる、ということがあるように思います。

その意味では、学校が実施している進路指導の役割は決して小さくないでしょう。

ただ一方で、学校教員の多くは教師としての経験しかなく、実社会でどのように仕事が進められているのかをご存知ないことも多くあるでしょう。

学校が子どもたちの可能性を開く場であるためには、このへんを何とかする必要があるのかもしれませんね。