寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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認定こども園:補助金引き上げを決定 減収回避へ

1月も最終週になりました。本当に早いものです。

本日は認定こども園の話題をお届けします。

毎日新聞より。

 

認定こども園:補助金引き上げを決定 減収回避へ - 毎日新聞

 

子ども子育て新制度に関しては、消費税増税のタイミングが延期されたことを理由に、国からの補助水準が当初の目論見よりも低くなるのでは、との懸念がなされていました。

ですが、すでに新制度に向け、経営の枠組みを変更してしまった幼稚園(あるいは保育所)も少なくないわけで、新たな単価設定がどうなるのか、気を揉んでおられた関係者は多くいらっしゃったことでしょう。

今回の報道によれば、以下の点について認定こども園への補助が手厚くなる見通しとのことです。

・既存の園で幼稚園部分と保育所部分それぞれに施設長がいる場合、経過措置として現行通り2人分の人件費を補助(ただし5年が限度)

・配置基準より多い保育士や教諭を配置した場合、定員規模に応じて最大6人分まで加算

また、上記以外に保育士の処遇改善策も実施される見通しで、民間保育所に勤める保育士の今年度の給与を、国家公務員給与改定に準じて2%加算するとしています。

保育士さんの給与水準は決して高いとは言えませんので、これが少しでも打開されるといいですね。

 

報道では概ねこのような内容になっていますが、基になっている「子ども・子育て会議(第21回)、子ども・子育て会議基準検討部会(第25回)合同会議」の資料を読んでみると、いくつか大切なことがかかれているのでそちらも以下ご紹介します。

 

ひとつは「処遇改善加算」の具体的内容。

上記の通り、保育士の給与はこれまでよりも2%加算されることに加え、会議での配布資料には以下のような内容が書かれています。

○ 教育・保育の提供に携わる人材の確保及び資質の向上を図り、質の高い教育・保育を安定的に供給していくために、「長く働くことができる」職場を構築する必要がある。その構築のため、職員の平均勤続年数や、賃金改善・キャリアアップの取組に応じた人件費の加算を行うもの。
➀ 基本分は、職員1人当たり平均勤続年数に応じて加算率を設定。
➁ 賃金改善要件分は、賃金改善計画・実績報告を要件とした上で、賃金改善(基準年度からの改善)に確実に充てることが要件。
キャリアパス要件分は、役職や職務内容等に応じた賃金体系の設定、資質向上のための計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修機会の確保等が要件。

 (下線は筆者による)

 つまり、賃金改善と研修に関する計画を立て、それを実施することによって多くの加算がもらえるという制度設計になっています。

この点はぜひ意識しておきたいところです。

 

もうひとつは「公定価格に係る調整課題について」という資料に書かれていた、「当面の対応の基本方針」の中の項目。

「本年5月末に示された公定価格の仮単価提示を受けて、下記事項の検討ないし対応について、最大限努力する」として、こんな1文が入っています。

「各都道府県等の地方自治体独自の助成内容に係る検討及び方針の早期公表等の要請(9月4日要請、10月1日付事務連絡で改めて要請済)」

(下線は筆者による) 

自治体によってはその方針が後手に回っているところもあるように聞いています。

園の枠組みを左右することですので、自らの自治体における子育て制度のあるべき姿についてしっかりと議論し、その方針を一刻も早く自治体内に周知していただきたいと願っております。

 

資料の原典はこちらにあります。ご参考になさってください。

子ども・子育て会議(第21回)、子ども・子育て会議基準検討部会(第25回)合同会議 - 子ども・子育て支援新制度:政策統括官(共生社会政策担当) - 内閣府