このニュースはあちこちのメディアがこぞって採り上げますね。
今朝のテレビでもたくさん流れていましたが…
全国学力テスト、地域格差が縮小 学校別公表は一部 :日本経済新聞
全国学力調査、底上げ進む 学校別正答率の公表は一部か:朝日新聞デジタル
両者の記事の内容はほぼ同じです。
ポイントの一つは成績の「底上げ」が図られた、という点。
「最下位から3番目までの自治体の平均と全国平均との差をみると、中3の国語Bを除く全教科で昨年度より0.3~1.2ポイント縮まった」(日経新聞より)。
これを受けて、文科省のコメント「全国学力テストの結果を受け、下位の自治体で授業改善などの取り組みが進み、学力の地域間格差は縮小している」と紹介されています。
詳細なデータは確認できていませんが、おそらく平均値が近づいたのと同時に、最低点が上昇した、平均以下の標本分布が中心化した、といった現象も確認できたのではないでしょうか。平均値が上がっただけでは底上げが図られたとは言えないはずですので。
もう1点の注目点は、今回から学校別の平均正答率を教育委員会の判断で公表できるようになっている点ですが、こちらについては「正答率の数値自体を公表する教委は少なそうだ」(朝日新聞記事より)とのことです。
ちなみに、こんなのも載ってました。日経より。
秋田、福井が上位独占、都道府県別正答率の一覧 :日本経済新聞
朝のニュースでも、近畿の各自治体の順位が低いだの下がっただのというところがメインの話題だったような。
順位付けするとどうしてもこのような議論に終始してしまいますね。
…とぼやきつつ、自分の出身地や在住地の成績が気になってしまう私。
これも悲しい人間の性でしょうか。
という性質からすれば、やはり学校別の正答率を公表すればやはり同じように順位へのミーハーな興味が優先してしまいそうで非常に怖いものを感じます。
一方でこんな記事も。毎日新聞より。
全国学力テスト:「最下位脱出」作戦 過去問で対策、先生も研修会 「実力と言えるのか」 - 毎日新聞
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全国順位が著しく向上した沖縄と静岡の例を引きつつ、現場の声も紹介されています。
このテストで優秀な成績を獲得することが目的化してしまわないことを祈るばかりです。
私学とは一線を画するこのニュースですが、その根底は学歴偏重と軌を一にするような気がしており、このブログで採り上げた次第です。
子どもたちの学びと成長は何も国語と算数だけで測れるものではありません。
本当の意味での学校特色化とはいったい何なのか…進学実績に意識のほとんどが向いてしまっている昨今、もう一度問い直したいテーマです。