寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

高等学校における研究活動

昨日のブログ、編集が少しおかしなことになってしまってすみません。

実は新幹線で移動中にスマホで書いたので、PCで書くのとはちょっと勝手が違いました。


そんな私、昨日は東京出張に出かけておりました。

理由は文科省で行われた情報交換会への出席。

テーマは『高等学校における「多様な学習成果の評価手法に関する調査研究」事業』。

多様な生徒たちの能力をいかにして評価するのか。

これまでのペーパーテストだけではその力を図るのが難しい技量や能力について、新たな評価の方法を生み出すための研究を各団体が実施する事業が本事業です。

全国各地からこの事業に手を挙げた団体が集まり、3カ年計画のうちの1年目を終えたところでの成果や課題について情報交換がなされました。

私は内容そのものに詳しいわけではありませんが、この会はその内容への理解を深めるためにとても役に立ちました。

そしてもうひとつ、とても大切な気付きを得ました。


それは「高等学校における研究活動」。

例えば、生徒たちに対してどのような教育を行えばより効果的なのか、という研究。

今回参加させていただいた情報交換会においては、成果をどう評価するかという前提として、成果をいかにして上げるのか、という点にも当然言及があり、この点について各団体ともいろいろと研究を進めておられる様子でした。

が、このブログで先程来「団体」という言葉を用いているのは、この事業が対象としているのは「高等学校」であるにもかかわらず、情報交換会に参加されている方の多くが高等学校の方ではなかったから。

その多くは大学の先生方で、企業やNPOの方も含め高等学校以外の方が半数以上を占めていました。

いただいた名簿を見ながら、

「高等学校の研究活動は不要なのだろうか」

と、強く疑問を抱きました。


大学においては、先生方は授業と研究が活動の柱になるものと思います。

私が思うに、授業というアウトプットをよりよくするためには、研究というインプットが欠かせないのではないか、と。

例えば私たちコンサルタント、あるいは税理士という士業もそうですが、継続した学習活動抜きに、資格を取った当時の知識の延長上で業務遂行している専門家を、怠慢だと感じる方はきっと少なくないでしょう。

実際のところ、どんなときにも最新の情報を得、また学習を続けている専門家とそうでない者との差は大きく開きます。

そこには「知識を蓄える」ことをさらに進めて、「よりよい知恵を生み出す」、つまり研究と呼ばれる活動をすることによるサービスの質の向上はそのサービスを受ける方々にしっかりと還元され、より大きな信頼を生み、ひいては社会への貢献にもなるのではないでしょうか。


翻って、高校においては「研究活動」はどの程度展開されているのでしょうか。

今回の情報交換会においても、「高校内でこの活動に積極的にご参加いただける先生を見出していくことの難しさ」に言及された団体は少なくありませんでした。

もちろん、この調査研究を進める上で、大学他の支援を受けることは必須でしょう。

が、研究を主体的に行うことは高校においてなすべきことなのではないでしょうか。

恥ずかしながら、私も「研究を行うのは大学、高校は研究機関ではない」という先入観がなかったわけではありません。

が今回なされた発表をお聞きして、決して多くはないものの、高校の先生自身がたゆまぬ研究を行っている事例をお聞きし、またその現場の強みによって研究活動が間をおかず生徒たちに効果をもたらすことを知るに至り、教育機関は同時に研究機関でもあるべきとの思いを強くしました。


日常で忙しく、これ以上のことは無理だと感じておられる先生方も多いでしょう。

が、忙しさの中で何をし、何をしないのかという業務の選択は、まさに業務の優先順位付けに他なりません。

研究に対する優先順位を高めること、そのための時間確保の重要性を肌で感じた1日でした。


(文責:吉田俊也)

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