寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

来春賃上げ、3割「慎重」

本日は給与関連のニュースをいくつかご紹介します。


まずは、毎日新聞がまとめた主要企業アンケートの結果から。

主要企業アンケート:来春賃上げ、3割「慎重」 政府主導に反対、2割超す

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主な結果を以下に記載しておきましょう。

○今期60.0%(72社)がベースアップ(ベア)相当の賃金改善を実施したと回答

○ベア相当の賃金改善を実施した理由について

・従業員のモチベーションを高める

・日本全体の『経済の好循環』に貢献する

・消費増税などによる社員の負担増を考慮

・世間の動向を勘案した上で総合的に決定 など

○年間一時金は「増える」=45.8%(55社)、「変わらない」=7.5%(9社)、「減る」=0.8%(1社)

○仮に業績が前年度と同水準だった場合に…

・さらなる賃上げを「前向きに検討する」=5.0%(6社)

・業績を反映するのは一時金が基本なので「検討しない」=27.5%(33社)

・「大幅に改善すれば検討するが、同程度なら検討しない」=5.8%(7社)

・「未定」=47.5%(57社)

○政府による異例の賃上げ要請については…

・「政府がやらなければ賃上げの流れができなかったので、高く評価している」=8.3%(10社)

・「賃金決定は労使自治が原則なので介入すべきではない」=20.0%(24社)

・「政府が音頭をとっても良いが、今回はやり過ぎ」=5.0%(6社)

○パート、アルバイトなどの非正規社員について

・時給アップなどの賃金改善を「実施した」=32.5%(39社)

・「実施していない」=50.8%(61社)

いつも統計をご紹介する際には注意喚起させていただいておりますが、この統計も「主要企業」、つまり大企業の中でも特に著名な企業を中心とした調査になります。

私の感覚からすると、中小企業ではとてもここまでの賃金改善はできていません。

この点、学校関係者各位にもぜひご留意いただきたいと思います。


続いて一時金のことについて、日経より。

年間一時金7.6%増、リーマン前に迫る 本社調査

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日本経済新聞社がまとめた2014年の賃金動向調査によると、主要企業の年間一時金の支給額は前年比7.69%増で、調査開始の04年以降で最も高い伸び率だったとのことです(これも前述の通り、調査対象が「大企業」である点にくれぐれもご留意くださいね)。

ちなみに税込支給額は6年ぶりに170万円台。これはリーマン・ショック前(175万円)に迫る水準だそうです。

もう一つ参考までに、年間一時金の支給額でトップだったトヨタ自動車の金額は244万円(前年比19.02%増)。なかなか魅力的な金額ですね。

ただこうやって見てみると、教職員の年間一時金(賞与、期末手当)の水準はやはり高いケースが多いように感じます。ぜひ御校内の平均額もこの統計に照らし合わせてみていただければと思います。


最後にリセマムより、新入社員の初任給の話題を。

2014年度新入社員の初任給、大卒20万6,258円…0.3%上昇

この調査は東証第1部上場企業1,696社+生命保険、新聞、出版でこれに匹敵する大手企業11社を加えた合計1,707社のうち、回答のあった237社を集計したもの。

これによれば2014年度新入社員の初任給は、大学卒で206,258円、高校卒で161,687円。

いずれも同一企業で見た前年度比は0.3%程度の上昇になっているようです。

ただし、2014年度の初任給を前年度と同額に据え置いた企業は75.5%と圧倒的多数。

産業区分別では、製造業は33.8%、非製造業は8.2%が初任給を引き上げたとのことです。

それにしても初任給はいまだに学歴によることが多いのですね。個人的には残念な気もします。


以上、3つのニュースをお届けしました。

しかしこうやって見てきますと、世間のニュースで取り上げられている統計のほとんどは大企業が対象のものになっていることに気づかされます。

自校と比較する際、さらにはマーケットを推測する際にはぜひとも注意していただきたいと思います。


(文責:吉田俊也)