今朝もうす雲は広がっているものの晴れ空の大阪市内。
梅雨入り宣言、早すぎたのでは…?などと、余計なことを考えてしまいますが。
秋の収穫を想像しつつ、空梅雨にだけはならないでほしいと願う今日この頃です。
さて、学校事務の繁忙期を超えた感のあるこの6月は、精力的にいろいろな学校関係者にお会いしています。
先日もある学校を初訪問。当社セミナーに出席され、ご縁をいただいた事務のご担当者さんです。
学校到着後、正門をくぐり、守衛さんにご挨拶を済ませ、校舎に入ってすぐの事務室でもご挨拶。
するとにこやかな事務職員さんが、事務室横の応接室に通して下さいました。
そしてアポイントを取っていたご担当者さんと小1時間の面談。
和やかな時間を過ごさせていただきました。
どの学校を訪れても思うのですが、事務室というのは学校の顔に近い存在。
最初に応対して下さった方、あるいは訪問せずとも電話を取って下さった職員さんの印象というのは、
無意識レベルに自分の胸にインプットされてしまいます。
このときの印象を高めることで、その学校さんそのもののファンが増えることは間違いない、
とすら思ってしまいます。
この点、先日訪れた学校さんはとても気持ち良かったです。
接遇の大切さを改めて感じました。
そして肝心の当日のお話は…と言えば、その内容すべてをオープンにできるわけではないのですが、
気になったことのひとつに
「事務室の組織をいかにつくるか」
という点が挙げられます。
実はこの課題、ちょうど時期を同じくして、別の学校さんでもご相談をいただいている内容なのです。
先日訪れた学校さんも含め、どの私学でも、専任の事務職員さんの数は学校規模を考えると
とても少ない状態で回していらっしゃるという印象を受けます。
最近は特に就学支援制度の事務処理がかなり煩雑なので、
4月あたりは仕事が回らないという学校さんのお話もよく聞きます。
学校事務というのはなかなか幅が広く、例えば経理処理・会計処理だけを採り上げても、
一般企業、特に中小企業であれば「自社」というひとつの括りで済ませられることが、
校種別の会計処理が必要ですし、PTA会計という別枠会計もあり、それだけで煩雑です。
ちなみにPTA会計は厳密に言うと学校事務ではないはず…と思うのですが、実際のところ、
学校事務職員さんが処理することが通例になっています。
その一方で、学校のコストの多くを教員人件費に充てることがひとつの常識になってしまっているため、
事務職員さんの数というのはどうしても限られてしまい、少人数で多くの事務をこなす必要があるのです。
こうなると、万一人員が欠けた場合に、大きなリスクが発生する可能性が出てきます。
現行の労働法の制度においては、退職以外にも人員が欠けるケースが多く想定されています。
例えば産前・産後休暇、育児休暇、介護休暇…
これらは、雇用する側と雇用される側の双方に大いなるメリットのある制度ながら、
一時的には業務オペレーションをひどく難しくしてしまう危険性を持つ制度でもあります。
学校の場合、人員が欠けるリスクはとかく教育現場において語られがちですが、
事務職員はそれ以上に厳しい状況を強いられる可能性があることを、
あちこちの学校を訪れるたびに感じさせられます。
私自身はこの状況を打破するために、単に「人員を増やす」ということだけでなく、これに
・業務標準化
・業務のスクラップ&ビルド
・機関設計
の3点の改善が重要だと考えています。
これまたここで詳しくお伝えするわけにはいきませんが、長期を見据えた上での
根治治療がこの3点に込められています。
学校事務は学校経営を支える屋台骨、と言ってよい存在です。
事務長さんを中心に、今後の学校経営にとって最適な事務組織について、
少し落ち着かれたこの時期にご高察いただければと願っております。
(文責:吉田)