距離が近い複数の県立校を対象に、授業や部活動での連携・交流を進めている広島県教委は2011年度、対象校を6校から22校に増やす。
10年度から始め、小規模校を中心に教員を派遣し合って授業が充実、合同練習でクラブがレベルアップした例もあり、県教委は「学校間の調整がつけば順次、拡大したい」としている。(平井宏一郎)
教員数も少ない小規模校では、日本史の教諭が世界史も受け持つなどして授業に対応。部活動も部員不足で満足のいく練習ができないケースが目立っていた。そこで、県教委はそうした高校に働きかけ、10年度から▽竹原、忠海(竹原市)▽瀬戸田、因島(尾道市)▽向原、吉田(安芸高田市)の連携・交流が始まった。
6校では、教諭が掛け持ちしていた地理や倫理などを専門の教諭が教えるようになり、文化祭で作品を出し合うなど交流が進展。竹原と忠海は、双方の吹奏楽部がバスで行き来して練習を重ね、合同チームが県大会で銀賞に輝いたという。
11年度は▽湯来南(広島市)、佐伯(廿日市市)▽沼南、松永(福山市)▽日彰館、三次青陵(三次市)▽庄原格致、東城、西城紫水(庄原市)▽加計(安芸太田町)、加計芸北分校、千代田(北広島町)▽音戸(呉市)、大柿(江田島市)▽上下、府中東(府中市)で新しく連携。
教員派遣やクラブの合同練習、マラソン大会の共同開催などが予定されており、県教委は「教育環境の格差を縮め、生徒の刺激にもなるはず」としている。
(2011年3月11日 読売新聞)
少子化の影響もあり、学校自体の再編が進む可能性が高いと考えられます。が卒業生のことを考えれば、「母校の廃校」ということほど悲しいことはないわけで、ある方いわく「母校がなくなるということは帰る場所を失うということ」。この言葉に私は強く共感しています。そんな中で、このような連携や交流が進むことは大変嬉しいことです。近隣校の位置付けを「競合」から「仲間」へ…価値観がシフトすることを願っています。(JTC/吉田俊也)